第7話 【秘密基地・グレートヘイブン】
呉を出発してからおよそ4時間、日はすっかり西に傾いている。
太平洋上を飛行中のヘリの視界に一つの島影が見えてきた。
『どうやらあれが目的地のようだな』
果たしてヘリは高度を下げ、アキヤマ中佐は島の全体像をつぶさに観察する。
『ヘリが着陸出来そうなポイントは見当たらないが・・・あれは!?』
驚くべき事に、島の高台にある20m四方の樹林がゆっくりと水平移動している。
樹林が移動した後に姿を現したのはヘリポートだ。
おそらく何度も来ているのだろう、パイロットは現れたばかりのヘリポートに向けて正確に高度を下げていく。
『秘密基地か・・・映画では見た事があったが、すごいな・・・』
アキヤマ中佐は、初めて見る光景に素直に感動していた。
ヘリが着陸すると、ヘリポートはそのまま、ゆっくりと下降していく。
3分足らずで下降が終わった時には、ヘリポートの上部は樹林で元通り塞がれていた。
ヘリを降りたアキヤマ中佐を待っていたのは、予想通りタナカ少将である。
「タナカ少将、ここは一体・・・?」
「ここはグレートヘイブン、魔法遣いの隠れ家さ」
タナカ少将の後について、アキヤマ中佐は迷路のような通路を進んでゆく。
通路には最低限の照明があるだけで、案内用のサインは全く存在しない。
1人にされたら迷子になる事は確実だ。
やがて2人は貨物用の巨大なエレベーターの前に到着する。
「これでドッグに向かう」
タナカ少将の目的地は、その先にあるようだ。
エレベーターを降りると、真正面に広い通路が続いており、通路を100m程進んだ先に巨大な扉がそびえ立っている。
「ここだ」
タナカ少将がそう告げると、扉が左右にゆっくりと開いてゆく。
開いた扉から潮風が吹き込み、扉の先がドッグであることを明らかに示していた。
ドッグ内はひんやりとして薄暗い。
しばらくして目が慣れてくると、巨大な艦影らしきものが辛うじて認識出来た。
アキヤマ中佐の前にゆっくりと立ったタナカ少将は、今までに無い厳かな口調で言葉を発する。
「見たまえ、これが人類史上初の魔力特化型潜水艦、オシリスだ」




