表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
モノクロームの夢の中から  作者: 彩霞
1章 白枝亭での毎日
68/130

67 その本の名前は

「さてー、それでは始めましょうかー。」


今日は久しぶりにアリサさんが時間があるからって授業してくれることになった。

あ、でもちょっと聞きたいこともあったんだ。


「よろしくお願いします!

 アリサさん、ちょっと聞きたいことがあるんだけどいいですか?」

「いいですよー、何でしょうかー?」

「アリサさん、魔法のこと書いてる本を持ってますよね。」

「はいー、これのことですねー。」


そう言ってアリサさんが取りだしたのは、ぶあつい本。

この間も見せてもらったものだね。


「その本ってアリサさんがつくったんですか?」

「えっとー、本の中身のことですよねー…?」


…うん、さすがに本自体をつくったとは思ってないですよ?

でも、実はアリサさんつくれそうな気もしてきた…


「本っていうかー、忘れないようにー、記録するものでー、魔法書っていうんですー。

 魔法をー、たくさん使うようになるとー、忘れてしまったりするかもしれないのでー。

 これはー、ギルドで売ってるんですよー。」


そう言って、魔法書を閉じてあたしに差し出してくれた。

表紙もごっつくてがんじょうそう。

あれ…開けれない…?


「アリサさん、これ?!」

「はいー、開かなかったでしょー?

 魔法書に署名をした人がー、認めればー、ちゃんと開くことがー、できるんですー。」

「ふぇ…」


アリサさんはあたしから一旦魔法書を受け取って、軽く念じて、またあたしに渡してくれた。

もう一度ゆっくり開いてみると、今度は簡単に開いちゃった。


「うわぁ…すごい!」

「魔法書の持ち主よりー、強い魔力を持っていればー、無理やり開くこともできるんですけどねー。

 昔の魔法士ソーサラーやー、魔導師ウィザードたちのー、魔法書が見つかるとー、忘れられていた魔法がー、載っていたりもするみたいですよー。

 開くのがー、大変みたいですけどねー。」


ふーん…やっぱり魔法も忘れられたりするんだね。

ところで…魔導師って何だろ?

魔法士と違うみたいだけど…


「アリサさん、魔導師って何ですか?

 魔法士は聞いたことあるけど…」

「魔導師はー、魔法士なんですー。」

「はひ?」

「2色以上のー、素質を持っている人がー、魔法士になれるのですがー、他と合わせ持つことのできないー、白色とー、黒色のー、素質以外のー、赤色ー、青色ー、緑色ー、黄色のー、4色の素質をー、持っている人がー、魔導師と呼ばれていてー、たくさんの魔法をー、扱うことができるんですー。」


4色も使えるってなると、魔法の数もすっごいことになりそうだね…

そんな人の魔法書なら、たくさん魔法が載ってるよね、きっと。


「まあー、4色も素質がある人なんてー、やっぱり少ないですからねー。」

「そっかー…魔導師ってすごいんだね。」

「例えばー、見つかった魔法書もー、最後のページまでー、魔法がー、ぎっしり書かれていたそうですよー。」


そう言って、アリサさんはまた自分の魔法書を開いて見せてくれる。

最初の方からずーっといろいろ書いてあるけど、真ん中くらいで何も書かれてないページが出てきた。

それでも、ぶあつい本だから、たくさん書いてあるんだと思うけど…


「わたしはー、白色だけなのでー、本が埋まることはー、ないと思いますー。」

「それでもたくさん書いてありますよね…

 あ、そうだった…本のこと聞いたのは、あたしも本をつくった方がいいのかなって思って、それでこんな質問になっちゃったんです。」

「そうですねー…この本はー、ギルドに入るとー、もらえるんですがー…

 ミアちゃんはー、ギルドに入る予定がー、ないみたいなのでー、どうしましょうねー…」


あ、そっか…ちゃんと保護されてる本じゃないとダメなのかな…

とりあえず忘れないようにメモを取るくらいはしていけばいいかもしれないよね。


「またー、何かいい方法をー、思いついたらー、お知らせしますねー。」

「はい、ありがとーございます。」

「それではー、少し時間が短くなってしまいましたがー、今日の授業をー、始めましょうー。」

「よろしくお願いします!」


今日はどんな魔法を教えてもらえるのかな?

って思ってたんだけど、今日はちょっと違ってた。


「今覚えている魔法にー、まずはしっかりー、慣れていきましょうー。」

「ふぇ…」

「慣れていくとー、その魔法をー、時間をかけずにー、使うことができますしー、その魔法を前提としたー、次の段階の魔法をー、使いこなすときにー、必要になりますからー。」


そっか、ちゃんと基礎的なことができてないと、難しいことはできないんだね。

じゃ、がんばって慣れるぞー。


「どんな風にしたらいいですか?」

「はいー、何度も使って慣れていくのがー、やっぱり一番早いですねー。」

「それ、前にちょっと自分で試してみました。」

「そうだったんですかー。

 ミアちゃんはー、結構鋭いですねー。

 それではもう1つー、治癒魔法のようにー、使う機会が限られるものでもー、声に出してー、詠唱を繰り返すのはー、割と訓練になりますよー。」


そっか…《負傷治癒ヒーリング》って練習できないもんね…

今日はアリサさんに見てもらいながら、いろんな練習させてもらおっと♪

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ