恋と死刑のこれから
夜の自由時間。アタシはベッドに寝転がっていた。
房の入り口に影が差した。
「ネネ様、お持ちしました」
赤髪を背に流した女、看守長だった。本をたくさん積んだカートから、一冊の本を取り出してアタシに向ける。飛び起きたアタシはそれを受け取り、中から手紙だけを抜き取る。
「いつもありがと」
「いえ……」
頬を桜色に染めた看守長が、カートを押して去っていく。
アタシはウキウキ気分でベッドにダイブし、チェロピからの手紙を読む。女の子らしい丸っこい文字がアタシは好きだ。
ニヤニヤしながら読み終えると、すぐさま返事を書き始めた。
『アタシも大好きだよ、チェロピのこと』
文末に、そう書いた。
「最近のネネ、ずっと楽しそう」
二段ベッドの上段から、ヤウリィがさらさらの白髪を垂らして覗いてきていた。
「楽しいよ。毎日ワクワクしてるもん」
それを聞いて笑みを深めたヤウリィが、はしごを降りてきた。ワクワクした瞳をしているのがわかる。
「新規開拓?」
「そう」
白髪をなびかせ、ヤウリィは房から颯爽と出て行った。いいなぁ、ヤウリィはすぐそこに生き甲斐があって。
アタシは手紙の丸文字を読みながら、その向こう側のチェロピの姿を想像する。顔は可愛かったけど、足首は? 太ももは? 二の腕は? 指先は? 一体どんな感じなんだろう?
早く再会して、驚いて泣き叫ぶチェロピの反応が見たい。ねぇ、大好きなチェロピ。
「ふふ」
もう、ミストみたいに奇跡は起きないだろうけど。それでもアタシは、大好きになった人を、この手で処刑したい。
ああ、早くヤりたいなぁ。
おわり




