第二十話 TKシリーズとチェコ製戦車
さて、主力部隊が居なくなった所で伏兵。
王道である。
双頭の鷹の偵察部隊は敵20両全てを確認している。
にもかかわらず、こっちにも敵が来る。
これは何故か?
まあ、ありうる話、雇ったんだろうなあ。
「さて、どんな奴がきたのかなあ?」
「ちょっと、なんでそんなに余裕なの?」
クラさん
「いや、だって。こいつら弱いぜ多分。」
「なんでそんな事わかるの?」
「赤竜の眼より強い連中だったら、取り分全部持ってかれるだろ?
自分らより強い助っ人は頼まないね。人数も少ないんじゃないか?」
『30両程接近中』
剛丸より報告。
「へえ、思ったより多いな。車種はどうなってるのかな?」
剛丸は流石に車種までは分からないので、
ハッチから顔を出して、剛丸の指示した方向を双眼鏡で覗く。
まあ、予想通り。
M2軽戦車が10両、巡航戦車マークⅠが10両、
T-26のこれは1933型?が10両。
ぶっちゃけ剛丸より強いが。
こっちの戦車より強くない。
「各位、敵機射撃可能になり次第発砲を許可する。」
早速第一撃をクラさんが、続けてコンドル、ファイスの順に発砲。
次々着弾。大破させていく。
敵もパラパラと散発的に撃ってくるが、当たらんよ。
砲の射程距離考えろ。
まっすぐに突っ込んでくる。
頭に血が上っているのだろう。
戦車乗りは血の気が多い。
仲間の敵討ちってわけか。
でも考えなしに突っ込んだら駄目だと思うぞ。
続けて、神竜のセンチネルマークⅠが2ポンド砲発射。
田口さんとか言ってた人だな。
「双頭の鷹の皆さん聞こえますか?
私に続いて横から回り込んでください。」
「聞こえてるよ剛志。OK回り込む。」
双頭の鷹で居残りしてたのはブッさんか。
仲間内でブッさん呼ばれてた人。
見た目が大仏様そっくり、福耳、パンチにあの顎。
であだ名がブッさん。本名?御免。あだ名のインパクトが強すぎて
忘れた。
連携を取って、剛丸を敵横方向へ移動させる。
双頭の鷹の皆さんもそれに続く。
一部の敵が慌ててこちらを向こうとする。アホか。
横向けば当然正面の敵がおろそかになる。
クラさんのマークⅦはWWⅡ後の戦車でFCS完備。120mm砲だぞ?
2Km離れていても正面から余裕で貫通しますぜ?
次々に餌食になる敵。
イヤッホー最高だぜい。そんな声が聞こえてきそう。
クラさんと同じぐらい敵を撃破しているのがコンドル。
進化型戦車は100%スキル持ち。固定型や改造型は後付スキルしか
取得できないが、ユニークスキルを持てるし、進化するたびスキルが
増えるもしくは上昇するから。育て上げるとかなり強くなる。
Ⅰ号戦車から育ててるだけあって中々のスキル構成の様だ。
遠間からもがんがん命中させる。
アハトアハトの威力も凄い。
ファイスのⅢ号の5cm砲もこの中じゃ大火力。
意外と思われるかもしれないが。ファイスは奇をてらった戦い方は
しない。戦車の有利を生かして堅実着実に敵の数を減らしていく。
30両いた敵もどんどん減って。こっちが横へ回り込んだ時には
すでに及び腰。逃げようとして撃たれて撃破。
こっちも援護射撃開始。
戦車を使ったゲームをやった事のある人は分かると思うが、
二方向から同時に攻撃されるとパニくる。
両方同時に対処したくても出来ないので慌ててしまう。
剛丸のTK-3じゃ敵は撃破できないのだが。無傷と分かっていても
弾を食らっておとなしくしてられる奴は滅多にいない。
慌てて砲をこっちへ回頭しようとして。前からズドンとやられる。
こっちが横へ回り込んだ時点で勝負あり。
5両程は無理だと気づいて戦意喪失。
白旗上げて降伏。
残り25両は、オーバーキルくらって吹き飛んだ。
生き残ってる人いるといいね。
さて、こんだけ倒すと進化もする。
ただし、剛丸の進化は2度だった。
30両も倒したにしては少ない。やはり段々強くなって進化しにくく
なているのだろう。
この世界は集団戦有利。経験値の人数割りはされない。
その上、多数同時に倒すと、ボーナスが入る。
そのため、偵察、おとり役が超重要。
主力の前に引きづりだせたらうっはうはだ。
だがレベルが上がるにるつれ加速度的に上がりにくくなる仕様なの
で、弱い敵を何体倒しても中々強くはならない。
レベル補正が経験値にかかるようだ。
だから、こないだ倒した特殊災害生物とかとってもおいしい。
あーゆーのいないかな。いやこの世界の人にとっては災難だから
そんな事いっちゃいけないが。
でも他にもいると思うんだよな。
コンドルとファイスは1度づつ進化。
まず剛丸。
TK-3からTKW。
TKWからTKF。
に進化。
TKWは回転砲塔付。だが、キューポラが砲塔横についてるため
360度回転できない。デザインに問題があり、採用されなかった
没戦車。
・・・え?回転砲塔?そうです。豆戦車は基本的に固定砲座。
軽量コンパクト安い。3拍子そろっているのが豆戦車。
とりあえず戦車ほしい。という国に大人気。
次々と英国より輸出されたのでした。
現在のTKシリーズはそのポーランドライセンス生産版。
TKFのFはフィアットのF、TK-3のエンジンをフィアット社製に変更
したもの。
取得スキルは
高速走行がLv3に上昇。
隠蔽がLv2に上昇。
後、不整地機動が進化とは別にLv3に上昇した。
コンドルはついにティーガーE型に進化。
ファイスはL型に進化。
砲塔前面の装甲厚が57mmに増厚され、
戦闘室前面と主砲防盾に20mm厚の増加装甲板が取り付けられる
ようになった。
K型じゃないのかって?
K型は7.5cm砲搭載予定だったのだが・・・ぶっちゃけ無理だった。
よって欠番となりました。
まあドイツにも失敗はあるって事。
この戦闘により、双頭の鷹の1両が小破。1両中破。
だが自走可能なので修理しながらついてくるそうだ。
一方、主力部隊の方でも戦闘が終わったらしく。
だんだんと戻ってきた。
「流石剛志君。上手くやってくれたようですね。」
やはりな。敵の増援もムールド氏の予想通りか。
第二打撃小隊を残した時点でそうかなと思った。
敵が20両のみの赤竜の眼だけなら、小隊一つ丸ごと残す事はない。
一番人数の多い(一人だけだけどな)第二打撃小隊を残すのは、
増援予想済みと言う事だろうな。
赤竜の眼は一両残らず殲滅されてらしい。
そこはあっぱれと言うべきか?
最後の一両まで戦ったそうだ。
もっとも圧倒的な戦力差だから何もできずにやられてしまった
様だが。
それでも神竜のマークⅠ一両、双頭の鷹のⅠ号戦車一両が
中破。修理をしている。
しかし、商隊はすぐに出発する。・・・そこで、剛志は
自分のドラゴンワゴンに乗せてけよと発言。
すみませんとお礼を言われた。
いいって事よ。
商隊は発信し、次の町まで敵は出なかった。
--- 宿場町 ---
中破した戦車はここで修理を受けている。
戦闘はまだ無理なようだが、自走は可能にしている。
さて、剛志だが・・・夜狩りにでました。
この町のハンターギルドでこの周囲の敵情報を聞き、
特に恐れる機械系の敵はいないと判断。
例の超音波発生器もって出撃だ。
いや、二日も夜狩りをしていないと禁断症状が。
夜中の3時に宿へ帰還。
ほくほくの剛志。
剛丸は2段階進化。
やはり段々と以下略。
まずTKSから
TKS(ゾロトゥルン20mm砲搭載型)に進化。
こいつはゾロトゥルン20mm砲を搭載してテストされた試作車両。
結果ゾロトゥルン20mm砲は不合格だが、砲搭載は有効と判断され
その結果。
続けて進化。TKS(20mmFK model A/wz.38機関砲搭載型)
こいつになる訳だ。
国産20mmFK model A/wz.38機関砲を搭載する車両が。
TKSから改修された。
それから5日間。野良戦車に襲われたり、
ユーティリシアとアムリシアから魔道を教わったり、
夜狩りをしたりして剛志は有益に護衛任務を過ごした。
マガンタ市は、ハイドラ市並みにデカい町で。
食い物の店はハイドラ市より多い。
商隊はこの町で補給と商売をするんので、護衛部隊は
小休止。
皆は町へ繰り出したが。
剛志はどっと疲れがでて熱だしてダウン。宿で一日中睡眠。
慣れない長旅に加え、全然寝てないんだから当たり前だ。
マガンタ市に付く前に、ファイスはⅢ号戦車を卒業。
Ⅴ号戦車パンターD型になった。
コンドルは、E-50、ティーガーⅡを経由して、VII号戦車レーヴェ
へと進化。こいつは地球では計画のみで実現しなかった戦車。
だがこの世界では関係なく進化可能。
70口径10.5cm戦車砲KwKを搭載。
マイバッハHL210P45 4ストロークV型12気筒液冷ガソリンエンジン
を搭載。
かなり強力な戦車だ。
剛丸はどんどん進化。ファイス、コンドルより弱い戦車だから
進化も早い。
TK-3(FK-A wz.38 20mm機関砲搭載型)
その名の通り、TK-3の改修型。砲を変更している。、
TKS(Puteaux 37mm砲搭載型)
その名の通り、TKSの砲を変更している。
TKS-B
TKSの足回り改修型だが、TKSはこのころ最早時代遅れの戦車に
なっていた。計画のみで破棄。
TKS-D
ボフォース 37mm対戦車砲を積んだ対戦車自走砲。
2両試作。ドイツ戦に参加したとかしないとかはっきりしない。
LTVz.33
チェコ製の豆戦車。
AH-IV
33での失敗を元に作られ、各国に輸出された。
イラン。ルーマニア、スウェーデン、エチオピアが使用。
LTVz.34
33の発展系。
LTVz.35
LTVz.34の発展系。ドイツ占領後は35(t)と呼ばれる。
LTVz.38A型
ドイツによる占領後も生産が続けられた名戦車。
38(t)の事で、そのA型。
LTVz.38B
A型とアンテナの形状が異なる。
LTVz.38C
見た目がB型と変わらないが、細かな変更点がある。
LTVz.38D
C型に砲塔回転リングに破片防御を施したモデル。
LTVz.38E
装甲に強化が施されたモデル。
LTVz.38G
一部に溶接装甲を採用。
LTVz.38H
38(t)利用版マルダーⅢ
LTVz.38K
38(t)利用版グリレ自走砲
Hetzer
38(t)をベースに開発された戦車駆逐車。
世界的に人気がある。見た目がかわいらしいからか?
避弾経始を重視した傾斜装甲。
48口径7.5cm対戦車砲PaK39の威力。
16トン弱の重量で、旋回砲塔ないけど。
コストパフォーマンスが素晴らしい兵器である。
ヘッツァーまで来るとかなり強いが、どうせまた
横進化させて弱くなるのだ。
しかし、日本戦車ルートに入りたいと言っておきながら。
本当に横道それまくりである。
取得スキル。
新スキル。
命中率上昇Lv1
致命的命中Lv1
貫通率上昇Lv1
上昇スキル。
命中率上昇Lv1から2
致命的命中Lv1から2
防盾Lv2から4
脱出Lv2から3
ギアチェンジLv2から4
クラッチミートLv3から4
運搬力Lv2から3
不整地機動Lv2から4
射撃Lv4からLv5
さらに進化とは別に
アブソープションがLv1から2
オンスロートがLv1から2
自動操縦がLv1から2
冷却能力がLv1から2にそれぞれ上昇した。
戦闘以外でも、
長距離移動によって上がったものもあるようだ。
マガンタ市は物資も豊富だったので、
クラさんのヴィッカーズマークⅦ/2も改造。
装甲をチョーバム・アーマーの2世代に換装。
他の小隊も変化。
まず偵察小隊。
ユーティリシアはBT-7からBT-SV-2へ、さらに
A-20からA-32そして今はT-34(1940年型)
ついに愛称ロジーナ事、T-34に進化した。
この戦車はクリスティー戦車の発展系ながら
ついに履帯と装輪のリバーシブル仕様を中止。
履帯のみで動くようにした。
最高速度55Km
最大装甲厚45mmで避弾経始を重視した傾斜装甲。
主砲:30.5口径76.2mm戦車砲L-11
走、攻、守どれを取っても一級品。
別名オーパーツと呼ばれる。
この戦車の設計者は、ソ連工業のいい加減さを理解した上で、
いい加減に部品を作っても動く戦車を作った。とんでもない代物。
数十年泥の中にいたT-34が、整備したら動いたという実績あり。
T-34ショックのきっかけを作った名戦車だが。
実はソ連側も結構ドイツ戦車に影響を受けていく。
例えば、3人乗りバスケット砲塔。当初のT-34は砲塔が2人乗り。
戦闘中に周囲が見渡しにくく、ドイツ軍に各個撃破された。
アムリシアは
マガ・モール級8型まで進化。
どこがどう変わったのかわからん。相変わらず丸っこい。
クリス君は
メルカヴァマークⅡに進化。
進化が滅茶苦茶しにくくなってるようだ。
マークⅡは
FCS(射撃統制システム)がマタドールⅠからⅡに
迫撃砲(対歩兵用装備)がC07からC04に進化。
歩兵用の迫撃砲が付いているのがメルカヴァの特徴の1つ。
続けて第一打撃小隊。
まずはムールド氏。
主砲を61口径75mmライフル砲CN-75-50に換装。
装甲も一部複合装甲化し、エンジンも
コンティネンタルR-975-C4 4ストローク星型9気筒空冷ガソリン
に換装。
スーパーシャーマンならぬスーパージャンボ仕様。
我門さんのM60はさらに改造されて
マガフからサブラマークⅡ仕様。
FCSをとっかえて、モジュール装甲も変更。
主砲も44口径120mm滑腔砲MG251に換装。
エンジンも換装されて1200hpまで上昇。
ジャンのレオパルドA7+は特に変化なし。
一部モジュール装甲の変更があったぐらい。
固定型は変に改造できないのでこんなもんだろう。
スキルを2つ程追加したと聞いた。
ムールド氏のおごりらしい。
え、ジャンは金出さないの?
全額遊びで使ったらしい。
ま、そういうやつよ。
でも能力は結構高いよ。
ここまで片道で進化。
帰りはどうなるのか。
しかし、マガンタ市での商売はまだ続き、ちょっとした
イベントに巻き込まれる事になる。
始まりは、魔道を教える代金だといって、ユーティリシアと
アムリシアの買い物の荷物持ちを剛志がしている時だった。
「へっへ弱っちい戦車のってんじゃねえよ。」
いじめに遭遇した。
ユーティリシアとアムリシアが正義感に燃えて、止めに入ったが。
「要らねえよ。」
とすげなくあしらわれた。
でもまああれは照れだな。
美女2人に助けられるなんてメンツが立たねえってやつだ。
男の子だもんな。
17歳ぐらいの少年・・・青年?青い目に灰色の髪。
「まあまて、おせっかいかもしれないが、助けられておいて
その態度はないな。」
「別に助けてくれなんていってないだろう?」
それはやばい言い方だよ青年。
ボクン。
何今の音。人間ってこんな音するんだ。
ユーティリシアとアムリシアの二人が。
そう二人同時攻撃。
腹と頭を同時にぶん殴られて、一瞬で気絶する青年。
「・・・君達、何やってんの?」
あまりの素早さに止めに入れなかった。
しまったあああと叫ぶ二人。
アムリシアさんは初めは鉄面皮の人だと思っていた。
でもどうも素だと熱血漢だと解ってきた。
ええ、魔道を教えて貰った時にいろいろ。スパルタなんだよね。
因みにアムリシアの魔道は皆さんのイメージ通り、
代償魔道です。
魔力を消耗して魔道を使うやつ。
一般的なRPGのものというと分かり易いか?
MP使って魔法を使うやつ。
肝心の魔力だが、剛志はそんなに多くないらしい。
でも、使えない事は無いし、覚えて損はないといわれて
スパルタ教育受けております。
ユーティリシアの魔道は契約魔道。使い魔とか精霊と契約し、
代償に基づいて魔道的行動を被契約者に行ってもらうもの。
こっちも代償魔道。
しかも魔道の源となるものがどうもアムリシアさんのと被って
いるようで、両方を同時に使おうとすると凄い勢いで疲れる。
実際世界的に似ている所からこの二人は来たのかもしれない。
さて、気絶した青年を解放しようということで、
青年を連れて宿へ帰ってきたのだが。
そこには先に帰っていたコンドルとファイスが・・・
気絶した青年を解放していた。
「なんぞこれ?」
思わず声がでる剛志。
「それはこっちのセリフだよ。」
ファイスが答える。
何が起きてるの?
2014/11/07 誤字修正




