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D.C.
眠っている。
部屋の中で、少年が一人、眠っている。
部屋にはベッドもあった。しかしその少年は、なぜか机に突っ伏して眠っていた。
その手にはペンが握られ、机には一冊のノートが、文字をびっしりと埋められた状態で、開いている。
風が吹いた。窓が開いていたのだ。
風は、ノートをさらい、ノートを連れたままどこかへと消えていった。
その事に気付くものはいない。
誰一人として。
街は眠り、昨日と何も変わらぬ明日を待つ。 D.C.
そのうち書き直すかもしれません。