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入社式

 前回までのあらすじ(本編)


 六本木和也はいろいろあって十年来慣れ親しんだ会社を去ったのであった。

 そして入社式の前日、移動の車内で告げられた、派遣先は

 かつての因縁浅からぬライバル会社であった……



 ◇


「皆さん、入社おめでとうございます。といよりはありがとうございます、といった方がいいのかもしれませんね。

 新卒の方もキャリア入社の方もいらっしゃいますが、合計30名の新入社員の皆さんと一緒に仕事ができるのを楽しみにしていました。」


 社長の東郷さんの挨拶が始まった。40代で起業し、僅か10年もたたないうちにMR派遣業のトップ企業に成長させただけでなく、来正社員中心であった製薬会社の営業部門における派遣割合を引き上げたということから業界に対する貢献も大きい人物であった。


「あまり長くなっても時間が惜しいですので一言だけですが。今特にこの業界は変化が目まぐるしいです。去年までの常識はすぐに通用しなくなってしまいます。そんな中にあっても皆さんには変化に対応できる力を身に着けていただきたいし、しっかり会社を通して自分を成長させて欲しいと思っています」


「ただ無理だけはしないでください。仕事は楽しいのが一番です。自分が楽しい、と思える働き方を是非見つけてください」


 社長の挨拶が終わり、少し回りを見渡すと。ちらほらと自分のような転職組かな?と思うような年齢の人間も見かけたが、大部分は新卒のように思えた。


「それでは今後のスケジュールについてご説明申し上げます。私人事部研修担当の木津川と申します」


 研修担当の方の説明が始まった。よく見ると近くに五十嵐さんの姿が……彼女も何か役割があるのだろうか。


「皆さんにはこれから約5か月間の研修を受講していただきます。これには新卒の方も、他業種から転職の方も区別はありません。長いようですが、非常に内容はボリュームありますので集中して取り組んで下さい」


「なお、予め申し上げておきますが、あのクソ社長の無茶振りのお陰で我々通常業務をこなしながらの研修、という形になりますので研修担当者等の若干のスケジュール変更等が頻繁に発生する可能性がございます。ご了承下さい」


 ちょっと不穏な発言が聞こえた気がするが……聞こえなかったことにしておこう。

 よく見ると木津川さん(男性)の眼鏡の奥に目ははっきりとしたクマができ、ちょっと頬もこけているように感じた。


 ◇


 初日は本当に簡単なオリエンテーリング程度で業界のこと、会社の成り立ちなど、そしてスケジュール、資料配布等が中心であった。


 定時になり、退社しようと思うと五十嵐さんに呼び止められる。


「六本木君。まさか帰ろうとしているんじゃあるまいな。君の仕事はこれからだよ」


「やっぱりそうですよね……」


 五十嵐さんに案内され、こじんまりとした一角に連れてこられた。先ほどまで説明をしていた木津川さんの姿もある。かなりぐったりした様子だ。


「六本木さん、待っていましたよ。夢で何回かお会いしました……」


 あ、もうこの人限界だな。


「そ、それは光栄です」


 やれやれといった感じで、五十嵐がんが肩をすくめた。


「見ての通り木津川は限界でね。おい木津川、今日の残務は私が引き継ぐ、お前もう帰れ。明日も午後から出社でいいぞ。六本木君の歓迎会は明日でいいだろう」


 そう聞いた木津川さんは一瞬目を輝かせたが、


「いや明日は午後から来年度入社の面接もありますし……そういうわけには」


「そんなもん、ファーストインプレッションで十分だ。お前は事前調査をやり過ぎなんだ。もういいとにかく帰れ。労基にでも入られたいのか」


 そこまできっぱり告げると反論もなく木津川さんはきびきびと荷物をまとめだした。


「それでは、大変申し訳ありませんが、お先に上がらせていただきます。六本木さんこれからよろしくお願いします。明日は歓迎会ですよ!」


 そういうと木津川さんはものすごい速さで退社していった。


「明日もあんまり無理しない方がいいんじゃ……」


「木津川は頑丈だからな、一晩寝れば戻る。心配するな……それより仕事だ」


 五十嵐さんがファイルの束を渡してきた。


「それがこれから一か月間君に担当してもらう研修プログラムだよ。よく目を通しておき給え。ちなみにスケジュールは振ってあるが、明日から早速始まるからな」


 入社したばかりの人間にいきなり講師をさせる上に準備時間はほぼないという、とんでもないブラック企業に就職してしまったんじゃないだろうか……


「君には申し訳ないが、本当に人手が足りないのだよ……なんたって人事部は全て退職してしまったからね。でなければ現場のマネージャーの私がこんなことするわけないだろう」


 やはりブラック企業なのか……完全に選択を間違えたかもしれない。


「えーと、ちなみに差し支えなければうかがいたいのですが人事部の方はなぜ退職されたのですが」


「それは単純な話だよ。起業してしまったからだ。ちなみにスポンサーはうちの東郷だよ……あの馬鹿普通代わりが見つかるまでは引き止めるだろう。それを投資までして後押しするとは何事だ」


 二人して頭を抱えてしまった。話によるともうあと少し待てば人事担当が追加採用されるようで、多少負担が軽減されるらしい。先が思いやられるが、新しい生活がこうして始まったのであった。


1年近く書いてませんでした。これまでの話を思い出しながらなので矛盾するところとか結構あるかもです。そして登場人物誰いたっけ?状態です。

読み返そうにもちょっと恥ずかしくて読み返すのが苦行という……

仕事も多少落ち着いてきたのでまた時間みつけて書いていきたいと思います。

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