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天使のフットボール  作者: リリー
33/39

33、因縁

開幕2連敗でどうなるのか心配された浅草エンジェルスであったが

そのあと7連勝で前半戦を終えチームは絶好調のようだ。

首位は8勝1敗の東京エリーザ。

リーグ戦は東京エリーザと浅草エンジェルスのマッチレースの様相を呈していた。


リーグ後半戦、最初の相手は名古屋ゴールデンオルカをホーム・台東区スタジアムに迎えての試合。

前回、アウェイ・名古屋での対戦では大勝したものの

武藤ちさにケガをさせた西村樹里奈がいる因縁の相手だ!


試合前、普段は無口で物静かな白田麻衣がちさに声をかけていた。

「ちさ、樹里に遠慮しちゃダメだよ。」

「は…はい。」

「本気でぶつからなければ何も変わんないよ!あんたのプレースタイルも樹里の心も!」

「でも先輩だし…」

「ピッチに立ったら先輩も後輩も関係ないでしょ?

樹里にケガさせるくらいの気持ちでぶつかりな!私が責任取るからさ!」

「わ…わかりました。」


両チームの選手が入場すると歓声とは別に西村への大ブーイングも巻き起こっていた。

エンジェルスサポーターは前回のラフプレーに本当に腹を立てている様子だった。

試合が始まると西村は相変わらず激しいプレスをかけていた!

その西村に刺激されてか名古屋の選手達は前回の対戦時とは比較にならないような激しさを見せていた。

ちさとマッチアップする西村は厳しい当たりを見せている。

遠慮しているのか?怖いのか?

ちさは逃げ回るばかりであった。


前半を終了し両チーム無得点!

エリーザを追うエンジェルスは絶対に星を落とすわけにはいかない。

ロッカーに引き上げるエンジェルスの選手達の表情は明らかに焦りが見えていた…

そんなとき、白田の声が響き渡った!

「ちさ、逃げるな!本気で当たれ!本気で!」

「…」

「同じことを何回も言わせるな!」

白田の大声にメンバーも驚いてる様子だった…

「はい!!分かりました!」

白田の喝にちさの表情が一変した。



そして後半が始まった・・・



西村が前半同様ちさに激しくぶつかってきた瞬間

ちさは西村を吹き飛ばした!

「おぉっ!」

スタジアムに驚きの声が響いた。

その後も西村は何回も何回も向かって行くが、その度にちさが吹き飛ばす!

「いいぞー!」「もっとやれー!」

ちさと西村の本気の激突に観客も魅了されている様子だった。


後半20分、ちさに吹き飛ばされた西本がピッチに倒れこんだ…

ちさは倒れ込む西村を尻目に相手陣内へ入り込みゴールを決める!

ようやく決まった先制点に大喜びするエンジェルス。

西村は相当、痛かったのか倒れこんだままだった。

ちさがそっと手を差し伸べると・・・

それまで鬼のような形相だった西村がニコやかな表情になっていた。


確かに西村は笑っていた・・・


ちさと西村はその後も何度も何度も激しくぶつかり合った。

いつしか二人は笑顔になっていた!

サッカーを本当に楽しんでいる

いや、二人で遊んでいるような感じだった…


試合は1対0で浅草エンジェルスが勝利した。

ピッチ上では両チームの選手が握手を交わしていた。

西村はちさに近づき抱きしめていた・・・

その姿は姉が妹を可愛がるそれによく似ていた・・・


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