13、決戦開始
いよいよ、最終節を迎えたNリーグ。
3チームが15勝2敗で並ぶという大混戦
首位は得失点の差で浅草エンジェルス
とはいえ条件は厳しい。
2位の東京エリーザと3位の神戸クイーンズも勝利し得失点差によっては逆転優勝となる。
最終節、浅草エンジェルスの相手は昨年の女王・神戸クイーンズ。
1位と3位の直接対決だ!
クイーンズは言い方は悪いが各チーム主力を引き抜き
屈強な外国人選手や優秀な新人を集め強豪の仲間入りを果たしたチームだ。
昨年優勝しエリーザの3連覇を阻んでいる。
一方、エリーザの対戦相手は現在6位のMt.ガール静岡
おそらくエリーザの勝利は間違いない…問題は何点差での勝利となるか。
台東区スタジアムに着くとキックオフの3時間前だというのに長蛇の列が出来ていた。
みんな、エンジェルスの優勝の瞬間を一目見たいと思い駆けつけたのだろう。
俺はいつものように長老のところへ行った。
「長老、おはようございまーす。それにしても凄い人ですね。」
「おう、兄ちゃん。そりゃそうだよ!なんたって優勝だからよ!
今日はうちのバアさんも来たんだよ。はっはー。」
長老の横には温厚そうなおばあさんがニコニコしていた。
「あらあら、このイケメンのお兄さんが噂の・・・うふふ。」
「コラ!バアさん。余計なこと言うんじゃねえぞ」
(どんな噂だよ)
「ども。長老には親切にしてもらってお世話になってます。」
(へー長老の奥さんか。よく考えたら、俺は長老の名前も知らないよな…)
そんなこんなで試合開始の時間が…いや、優勝の瞬間が近づいてきた。
選手達は今年1年の総決算。
開幕戦をたまたまニュースで見て女子サッカーにハマった俺の総決算でもある。
百戦錬磨のクイーンズに対し
プレッシャーによる緊張なのかエンジェルスの選手には固さが目立つ…
エリーザを破った時の躍動感が見られない。
ちさもオドオドしているように見える・・・
そんな緊迫ムードを吹き飛ばしたのはエンジェルスの北原。
大柄で少し態度がデカそうだがいつも堂々とプレーしている頼もしいムードメーカーだ。
ボランチの位置から果敢に何度も何度もゴールに迫っていた!
どうしても優勝するんだ!という意気込みがスタンドにも伝わってきていた。
前半終了間際、その北原がついにクイーンズのゴールをこじ開けた!!!
「うおぉぉぉぉぉぉ」
スタジアムがうなりを上げる!
エリーザ戦の再来だと俺は感じた。
そして1対0で前半が終了。
各地の途中経過が報告されエリーザVS静岡は前半終了時で0対0
このままで終了すれば浅草エンジェルスの初優勝
ハーフタイムのスタンドは完全なお祭り騒ぎだ。
よし!残り45分。




