10、エリーザの壁
いよいよ、東京エリーザとの大一番がやってきた!
舞台はホーム・台東区スタジアム。
試合前、両チームの雰囲気は対照的だ。
寺本監督の指示に耳を傾けピリピリムードのエリート軍団・東京エリーザ
一方、緊張した様子もなくニコニコと和やかなムードの浅草エンジェルス
そして、女達の天下分け目の天王山が始まった!
試合は予想に反しエンジェルスが押し気味の展開。
前回の対戦で大敗を喫したとは思えないほど選手達はたくましくなっていた!
前半はスコアレスで折り返したが互角以上の戦いに
エンジェルスの選手、サポーターはいけると確信した。
後半開始早々に試合は動く。
キャプテン・谷口のダイビングヘッドで浅草が先制!
この先制点が大きくものをいった。
焦りからなのかエリーザの選手の動きが明らかにおかしい…
パスミス、トラップミスが目立ち全く連携がとれていない。
エンジェルスは相手のミスからボールを奪い
ムードメーカー・北原の渾身のミドルシュートが決まり2点目!!
こうなると勢いが加速し押せ押せムードのエンジェルス!
そして、東京エリーザの足が止まった・・・
さらに猛攻を仕掛けるエンジェルス!
終わってみれば6対0の大勝利!!!
弱小と言われた浅草エンジェルスが東京エリーザの壁を突き破った瞬間だった。
大歓声が巻き起こる台東区スタジアム。
大勝し大喜びするエンジェルスの選手達。
まさに選手とサポーターが一体となっている。
東京エリーザの選手達は茫然自失…
悔しさからかピッチに倒れこみ誰一人動こうとしない
いや、動けないのか・・・
そのとき、
「テメーら何やってんだ!この野郎!さっさとサッカーをヤメちまえ!」
寺本監督の怒号がスタジアムに響き渡った。
勝負の世界とはいえ、負けても慰めの言葉さえかけてもらえないエリーザの選手が少し気の毒に思えた。
それよりも、勝利に酔いしれ『キャッキャ』と大喜びしている
ちさが本当にカワイイと思った。
その姿を見ていたら、ちさがチラッとこちらの方を見た。
目が合ったので会釈をしたらニコッと笑顔で会釈を返してくれた。
俺は『嬉しい!嬉しい!嬉しい!』と感激しながらスタジアムを後にした。




