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神に選ばれたので、好き勝手に生きます  作者: 櫻木サヱ
神の力、バレました

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18/18

隠しきれない力

無数の腕が迫る。


速い。


デカい。


気持ち悪い。


「うおっ!?」


咄嗟に横へ飛ぶ。


直後、

地面が爆砕した。


ドゴォォン!!


破片が飛び散る。


融合体は止まらない。


次々と腕を伸ばしてくる。


「チッ!」


ギルドマスターが剣を振るう。


斬撃。


だが。


切った端から再生した。


「再生するのかよ!?」


冒険者たちの顔が青ざめる。


フィアも剣を構え直した。


「核を壊さないと駄目」


《解析》が即反応。


視界に赤い光点が浮かぶ。


融合体の中心。


黒い肉塊の奥。


「……あそこか」


だが。


遠い。


しかも腕が邪魔すぎる。


その時。


セリアが俺の隣へ立った。


白銀のローブが揺れる。


「ユーマ」


「お、おう」


「あなたは核だけ狙ってください」


「できるか?」


「私が道を作ります」


セリアの瞳は真剣だった。


迷いがない。


次の瞬間。


彼女の周囲に、

巨大な魔法陣が展開される。


「――神聖展開」


眩い光。


空気が震える。


冒険者たちが息を呑んだ。


「すげぇ……」


「なんだあの術式……!」


セリアが両手を広げる。


「浄化の光よ」


無数の光槍が出現した。


そして。


「穿ちなさい」


ドシュゥゥゥゥッ!!


光槍が一斉発射される。


融合体の腕を次々貫いた。


「■■■■■ッ!?」


腕の動きが止まる。


今だ。


《解析》が、

核への最短ルートを表示する。


頭の中へ、

自然に理解が流れ込む。


どこへ、

どれくらい、

どう力を使えばいいか。


分かる。


「……重力収束」


右手を前へ向ける。


紋章が発光。


空気が歪む。


融合体の中心一点へ、

超重力を集中。


瞬間。


ドゴォォォォォッ!!


空間が潰れた。


融合体の中心部が陥没する。


「■■■■■■■■ッ!!」


絶叫。


黒い肉片が吹き飛ぶ。


だが。


まだ核が壊れない。


硬すぎる。


「ユーマ!」


フィアが叫ぶ。


彼女が一直線に駆けた。


銀閃。


次々と腕を斬り飛ばす。


「道を開ける!」


「助かる!」


ギルドマスターたちも動いた。


「援護しろ!!」


冒険者たちが一斉攻撃を始める。


炎魔法。


矢。


斬撃。


総攻撃。


融合体が暴れ狂う。


鉱山が揺れる。


天井に亀裂が走った。


《警告》

《崩落危険度上昇》


やばい。


長引かせられない。


その時。


右手の紋章が、

さらに強く光った。


ドクン。


頭の奥へ、

新たな“理解”が流れ込む。


《権能解放:空間断裂》


「……また増えた」


怖いんだけど!?


でも。


今なら分かる。


壊せる。


俺は核へ右手を向けた。


空間が軋む。


周囲の空気が裂け始める。


セリアが目を見開いた。


「その力は――」


「行くぞ!!」


右手を振り下ろす。


瞬間。


空間そのものが裂けた。


ズバァァァァンッ!!!!


見えない斬撃。


一直線。


融合体の中心を切断する。


そして。


核が真っ二つになった。


「■■■■■■――!!」


絶叫。


次の瞬間。


融合体の身体が崩壊を始める。


黒い靄が吹き出す。


肉塊が崩れる。


やがて。


巨大な怪物は、

完全に消滅した。


静寂。


誰も動かない。


鉱山には、

荒い呼吸だけが響いていた。


そして。


冒険者たちの視線が、

ゆっくり俺へ集まる。


「……おい」


誰かが呟く。


「今の、何だ?」


やばい。


完全に見られた。

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