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VERTEX  作者: 銀乃矢
最終章 Dream
26/32

第2話「トップ5」

1週間後、群馬県、特設サーキットピットガレージにて。


大輝(ひろき)、どうだ?特設サーキットは。」

「市街地なだけあって、マシンが跳ねますね。クルマが壊れそうです。」


サーキット舗装は市街地と比べて路面の段差などが少ない。


「あ、あと、ランオフエリア(退避場所)もないんで、一発アウトですよね。」

「壁に囲まれたサーキットだからな。さっきも結構クラッシュあったよな。」

「そうっすね。1回目の前であって焦りました。」



「このあとの予選、行けそうか?」

「はい、バッチリです。セッティングも決まってます。」

「じゃあ、このあとの予選、期待しておくよ。」



予選が始まる。

いつもとは違い、予選開始とともにコースイン。

すぐに結果を残しに行く。


群馬の市街地を疾走していく。


高速かつ緩やかな右コーナーに差し掛かる。


「ぐぉっ、横Gキツ…」

横Gとは、コーナーに入る際、体が横に引っ張られるときにかかる力のこと。

これの力が上のカテゴリーでは凄まじいので、呼吸を止めてコーナーを曲がる選手もいるとも言われている。


最終コーナーへ。


フィニッシュラインを通過。

タイムはまだ誰も記録していないのでトップタイムを記録する。



ミラーを見ると後ろから速いペースで迫ってくるマシンが2台。

黄色いマシンが1台、黒に蛍光イエローのラインが入ったマシンが1台。HRN Grand PrixとTRP racingのものだ。


『ヒロキ、堀本と小林が上がってきた。この周は計測しなくていい。2台に進路を譲れ。』

「了解。」


進路を譲るためにレコードラインから外れる。

2台が連なって走っていく。


『次の周からもう一度計測しよう。タイヤにしっかり熱を入れておいて。』

「OKです。」



この周はウィービングをし、タイヤにしっかり熱を入れていく。群馬の11月の気温は低く、タイヤの熱も入りにくい。

しっかりと熱を入れられなかった結果が午前中のフリー走行でクラッシュしたマシンたちだ。


もう一回計測ラップに入る。


その時ふと、ファンたちが見る大型ビジョンが目に入る。

そこには自分のマシンとラップタイムが大きく映し出されていた。

「注目してくれてありがとね~」ニヤニヤしてしまう。


結果は3位。無事予選Q2、2回戦目に進出決定だ。ここに進めるのはデビューイヤーぶりだ。


「大輝、やったな。久しぶりの予選Q2進出だ。今年最後の大会、ぶちかましてこい。」

「了解」ニヤつきながら答える。




GOサインとともにピットを飛び出す。

計測ラップでは自分史上最高の走りを見せる。

セッティングも決まり、完全にマシンと一つになった気分だ。


ゴールラインを通過、結果は…


5位。

惜しくもトップ3には届かなかった。


『大輝、ポジション5、ポジション5。よく頑張った!過去最高のリザルトだ!』

「たぁ〜、トップ3届かなかったの悔しすぎる〜、でも、監督明日は魅せてやりますよ。」

『おう!この位置からのスタートならもしかするともしかするかもな。』


ピットに戻って来るとメカニックたちも祝福してくれる。


その時、奥の方からこちらを見ている男性が目に入った。

その人の着ていた服には様々なスポンサーロゴがあったが、そのデザインのウェアはどのチームにも属さないものだった。


誰だろう。あの人。ただのレース好きか。少し気になったがその後は気にもとめなかった。


今日の結果を受けてチームは宴状態だった。


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