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VERTEX  作者: 銀乃矢
第3章 ル・マン編
19/32

第7話「開幕」

翌日。決戦の日。

ついに24時間耐久レースの幕が上がる。



このレースを戦うすべてのマシンがホームストレート上にグランドスタンドの方を向いて斜めに止められている。


ル・マンで定番のフランス軍によるデモンストレーションも目の前で行われる。軍の隊員がWECのロゴが刻まれたフランス国旗を背負いヘリコプターから降りてくる。

その隊員が会長に旗を手渡す。

この旗はレーススタートの時に振られるものだ。


デモンストレーションを見ると、スタートが近づいてくる。


スタートドライバーの萩原はヘルメットを被り、マシンへと乗り込む。



他のメンバーたちはピットレーンへと誘導される。

ここから俺達はスタートを見守る。


40台を超えるマシンたちのエンジンに火が入る。




HYPERCARクラスのトップの前でグリーンフラッグが振られる。

続々と発進していく。フォーメーションラップの開始だ。



先導していたセーフティーカーがピットに入ってくる。


全車インディスタート方式できれいに並んでスタートラインまで戻って来る。



大会組織委員長がフランス国旗を振る。


今、ル・マン24時間耐久レースの幕が上がる!


ル・マンの地にけたたましい轟音が響き渡る。


SPESの2台は混乱を切り抜け、98号車が15位、99号車が17位にポジションを上げた。

24時間。まだ先は長い。


ピットガレージに戻り、モニターで残りのレースを見届ける。


「ついに始まりましたね、監督。」

「そうだな。今日はお前にとって初めてのナイトセッション(夜間走行)もある。送った動画は見たか?」

「あ、はい、見ました。暗いっすね。」

「ユノディエールの方に行くと街灯とか照明設備ないからな。本当にヘッドライトだけが頼りになる。」

「本当ですよね。動画見てても、他の車のテールライトがちょっとした指標になるかな、くらいには見にくいですよね。」

「そうだ。だから、くれぐれもブレーキポイントを見誤るんじゃないぞ。」

「はい。」


ヘッドセットから音声が聞こえてくる。萩原のものだ。

「OK、この周ピットイン、この周ピットイン。」


「メカニック準備急げー!すぐ戻ってくるぞ!」


自分の隣では大塚が準備を整えていた。



98号車が戻って来る。

メカニックたちがタイヤを持ち、交換を始める。


2人のメカニックがタイヤの取り外し、もう2人のメカニックが新しいタイヤをはめ込む。

そしてタイヤを取り外したメカニックがもう一度インパクトレンチでナットを締める。


ジャッキアップされていたマシンがストンと落ちる。


V8エンジンの腹に響くような音を響かせながらピットを離れていく。


「萩原お疲れー、どうだった?」

「うーん、やっぱ1周が長いね。あと、LMGTE(LMP2の下位クラス)の追い抜きも大変だね。HYPERCARクラスのクルマにも気を使わないとだから。」

「なるほど〜。勉強になります。」

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