お断りします(後編)
2話目です。
しまった!?つい反射的に断ってしまった・・・怒っているだろうか?
おそるおそるライアス様たちを見るとライアス様はそのまま固まっており、グレイ様は顔を横に背け肩をふるわせながら声を出さずに笑っていた・・・。
う~ん。とりあえず怒ってはいないようね。
「申し訳ありません、いきなりのことで驚いてしまいました」
一応謝っておきましょう。今の発言で不敬罪になりにでもしたら大変ですし、でもどのみちお断りするのだから同じようなものかしら・・・。
「殿下?」
「ああ、いや、すまないこちらも事前に伝えていなかったからな。クロエが驚くのも仕方がない。」
「まぁ、ありがとうございます。父からも打診がなかったもので・・・うふふ、でも驚きました 殿下でもこういったご冗談を言われるんですね。知らなかったですわ。」
ライアス様と結婚なんて冗談であってほしいものですが、そうもいきませんですわよねぇ。
「いや、冗談ではない、冗談ではないぞ!?当主であるノエル殿にはまだ話は通していないが本気で考えてみてほしい!」
そうですか、本気なのですか・・・。
ちなみに〈ノエル〉は私の父親であり、リルフォード家のご当主さまです。
「わかりました。では考えてから改めてお断りするということでよろしいでしょうか?」
「いやいやいや、前向き、前向きに検討してくれ!頼むから!」
あらあら、ライアス様たら随分慌てているようです。
あの頃の私なら喜んで承諾のご返事をしたのでしょうが、今さら結婚なんてあんなことを言っていましたのに・・・ふふ、少しイラっときました。私にも矜持というものがありますからねぇ。
2/24 ご指摘ありがとうございます
編集しました
今後ともよろしくお願いします