出撃〜前編〜
これ直してると、胸が痛くなってきますねw
まあ、今も変わりませんが(大問題
ランド「うっ・・・・・・ッ!?」
ランドは突如「ベッド」から飛び起きる。
辺りを見ると匂ってくる消毒薬の匂いで、ここが医務室だと言う事は解るが・・・
ランド「な、なんでこんなとこに?俺は・・・」
記憶をたどっていく・・・
???「あ、目が覚めたんですね」
ランド「えっ?」
突如掛けられた声により、その作業は中断される。
見るとドアが開き、1人の女性がこちらを見ている。
???「何か具合の悪い所はありませんか?」
女性は、にっこりとまるで聖母のような微笑みで尋ねてくる。
ランド「あ、は、はい。大丈夫です!」
いきなりの美人の登場。動揺を隠せるわけないね
???「そうですか。私はルイン・パーラーと言います。階級は中尉です。何かありましたら言って下さいね?」
そう言ってルインと名乗った女性は立ち去ろうとする。
ランド「ル、ルインさん!待って下さい!ここは・・・何処なんですか?なんで自分は此処に・・・?」
何も思い出せないランドは、至極最もな質問をする。
ルイン「ここは、80m級陸戦挺『オライオ』の医務室です。」
ランド「80m級陸戦挺!?何で自分はその中にいるんですか?」
乗った覚えも無いし、こんなのを基地で見れば見覚えはあるはずだ。
それに俺は・・・
『80m級陸戦挺』
その名の通り全長80m程の小型陸戦挺だ。
旧日本海軍の駆逐艦のような外見をしており、砲塔、艦橋、その他の様々な機器を挺の前に並べて配置してあり、後ろに空いた30m程のスペースに、偵察のヘリやACSを搭載させれるようになっている。
主に哨戒、護衛用などに幅広く使われており、ACS登場以前から第一線で使用、いまだに生産が続いている。
ランド「ん?・・・基地?カーメン基地は!?」
突如思い出した基地について、ルインに問い掛ける。
そうだ、敵の襲撃にあって
ルイン「カーメン基地は・・・壊滅しました・・・」
ルインは一瞬戸惑い、ゆっくりと口を開いた。
ランド「え?壊滅?・・・そんなバカな!隊長は、皆・・・あ、あ、あぁ」
話している途中、「隊長」の言葉が出た時点で、ランドはすべてを思い出した。
崩壊していく基地で、何があったのかを
ルイン「・・・よければ、基地で何があったか話してくれませんか?」
ランド「・・・・・・わかりました・・・」
そう言って記憶を辿る・・・・・・・・・
目の前には「ギガンテス」が動く事無く立っている。
ランド「どうするんだよ・・・俺っ!!」
未だに勇気が出せず、ギガンテスに近づけもしないランド。
ランド「畜生・・・隊長達の仇を討とうとは思わないのかよ!」
自らに無理矢理言い聞かせようとするが・・・
ランド「くそぅ・・・無理だ、無駄死にするぐらいなら・・・」
結局は諦めてしまう。自らに自信が持てない。それがランドの悪い癖だ。
・・・迷ってる内にも、「敵」のギガンテスはここを破壊するかもしれない。
ランドはギガンテスを捨て、その場を去ろうとするが・・・
「ガガガガガガガガガ」
突如マシンガンの弾がハンガーの壁を貫通して、ランドを襲う。
ランド「うわぁっ!!き、来たのか!?」
慌てて壁から離れるが・・・
「ガラガラガラガラ」
ギガンテスがハンガーを突き破り中に入ってくる。
ランド「あ、あ、あ、あ・・・」
漆黒のギガンテスを前に、情けなくも俺は動く事が出来ず、死を覚悟しながら気を失った。
ランド「後は何があったのか・・・解らないです」
記憶を辿ってみるも、その終わりと現在が結びつかない。
ルイン「・・・それは私が説明します。私達は、カーメン基地の付近で補給物資を運搬していました。そこで突如基地からの救難信号を受信しました・・・」
ルインは順を追って説明していく――
ルイン「・・・反応ありません。辺りは平穏そのものです」
ルインは計器をチェックしおえると、そう艦長に告げる。
艦長「よし、後少しだ。ここがアトラスとの国境付近だと言う事を忘れるなよ。」
艦長はそう注意を促す。
しかし、13年にも及ぶ戦争は膠着状態に陥り、既に和平への道が見えてきていると言う。
クルー一同「「了解。」」
ブリッジのクルーはそれに素直に従う。
このまま任務が終われば良かったと思っていたのですが・・・
「ビーッ、ビーッ、ビーッ」
ブリッジに突如、警戒のアラートが鳴り響く。
艦長「何事だ!?」
ルイン「南西のカーメン基地からの緊急信号ですが・・・そんな!消えた!?艦長、いかが致しますか?」
ルインが艦長に説明している間に、信号は途絶えてしまう。
艦長「ここはアトラスとの国境付近だ・・・万が一の事もあり得る。上層部に報告次第向かうぞ!」
艦長の命により反転したオライオは、カーメン基地を目指すのだった。
〜元カーメン基地〜
艦長「こ、これはっ!?」
基地・・・いや、「かつて」基地だった物の入り口に立ち、艦長は言葉を失った。
基地には1つとして建っている建物は無く、ACSは無惨にも辺りに沈んでいる。
ルイン「い、一体何が・・・」
ルインもその惨状に言葉を失った。
艦長「・・・何が起こったかは後だ!急いで生存者を探して撤退するぞ!直ちに捜索隊を編成する・・・」
ルイン「そして、瓦礫の中で奇跡的に生きていた貴方を見つけたの・・・他の人は」
ルインが語る事・・・それはランド以外の生き残りは既に息絶えてしまったという事実だった。
ランド「・・・ありがとうございます。」
・・・只礼を言うしかなかった。
自分だけは生き残った。薄情かもそれないが、それが嬉しかった。
ルイン「本当に、何かあったら呼んで下さいね?」
ルインはそう言い残すと、医務室を出て行った。
ランド「畜生・・・」
複雑な気持ちが交差するなか、そのままベッドに沈んだのだった・・・
何時間程たったのだろうか?
俺は、現実へと呼び戻された・・・『アラート』によって。
「ビーッ、ビーッ、ビーッ」
艦内にアラートが鳴り響く。
ランド「て、敵っ!?・・・とにかくブリッジだ!」
あわててベッドを飛び出し、ブリッジへと走るのだった。
ブリッジのドアを開け、中に入ると―
艦長「くそっ!敵機確認急げ!!」
艦長はブリッジのクルーに対して指示を出している。
ルイン「えぇと・・・」
ルインが対応しているが・・・
ルイン「速度80!?まさか、ギガンテスでそんな・・・」
ルインは敵の接近速度に驚いている。
なぜなら、ギガンテスは時速50キロでのホバー走行が限界なのだ。いくら革命的な兵器と言えども、やはり同時代のテクノロジーでは限界がある。
艦長「特殊装備の特務部隊っ!?・・・いや、どっちにしろ『走行時間』の差で逃げ切れる!」
そして、もう1つ。
ギガンテスの連続ホバー走行時間は約10分。それ以上走り続ければ、機体がもたない。
艦長はその差を解っているからこそ、逃げ切れると判断したのだが―
ルイン「ま、待って下さい!!この機影・・・『ボックス』です!!」
『C・S』
連続走行時間が短いACSの欠点を補うために開発された、運搬用の機体である。
ホバー走行ではあるが、機体の作りが簡単なため、連続して走行が可能。
2機同時に運搬でき、その見た目が長方形でまるで『箱』のように見えるため、『ボックス』と呼ばれている。
艦長「ボックスだと!?・・・全速力で後退しつつ、後部甲板にて歩兵部隊は牽制!良いな!」
ルイン「了解!各員―」
ルインが回線を開き、艦内に指示を出していく。
ランド「くそっ!・・・艦長!!自分にも手伝わせて下さい!」
ランドは居ても立ってもいられず、艦長に問いかける。
艦長「ッ!?目が覚めたのか。」
ルイン「あ、貴方!?大丈夫なんですか?」
ブリッジの視線はランドへと集まる。
ランド「はい・・・それと、このままじゃあ艦がもちません!基地の仲間の敵討ちとは言いませんが、自分にも何か」
ランドが進言すると、艦長は僅かだが思案し・・・
艦長「・・・わかった。頭数がいる!クランチ!こいつと後部甲板へ行け!!」
クランチ「了解!」
艦長は、直ぐに近くにいた兵士に指示をだす。
ルイン「き、気を付けて下さい!」
ランド「や、やるだけやってやります」
お礼をいいながら、クランチと一目散に走り出した・・・
〜後部甲板〜
ハッチを開け、後部甲板へて出る。
ランド「うわっ!?」
艦の速度は時速60キロと、そこまで早くはないのだが・・・
「ドン、ドン、ドン、ドン、ドン」
辺りに着弾するマシンガンの弾を避けるため、ジグザグに走行しており、かなり揺れていた。
クランチ「ほら、急げ!落とされるなよ!」
クランチから対ACS誘導弾を受け取り、甲板をさらに後ろへと進む。
甲板では、既に数人の兵士が銃座につき、他の兵士が誘導弾を構えていた。
クランチ「使い方は解るな!?撃ちまくれ、奴の足を止めるんだ!」
クランチはそう言ってボックスを指差す。
ボックスの数は1。恐らく、侵攻してきている偵察部隊だろう。
ランド「り、了解!」
そう言って構え、目標を中央に入れる。
この誘導弾は、ジャベリンの様に敵を追尾するものではなく、照準を合わせ続けるタイプだ。
「「バシュッ」」
辺りの兵士達が一斉に誘導弾を発射する。
しかし、ボックスの動きに狙いを付けきる事が出来ず、誘導弾は地面に当たる。
クランチ「くそっ!!おい、入り口の所に予備があるから取ってこい!」
ランド「り、了解しました!!」
クランチの指示でランドは甲板の入り口に向かう。
その間に兵士達は、持っている火器でありったけの攻撃を加える・・・が
「」
後ろのマシンガンの弾が飛来し・・・
クランチ「ッ!?」
「ダン!!」
甲板に直撃した。
ランド「うわぁっ!?」
その衝撃で入口付近にいた俺までも飛ばされてしまう。
くっ、何が・・・
ランド「くっ!・・・はっ!クランチッ!!」
クランチを呼ぶが、返事は帰って来ない。それどころか、誰の声も聞こえない。
ランド「あ、あぁ」
先程まで自分達が居た場所は・・・完全に吹き飛んでいた。
さらに、直撃によりエンジンがやられたのか、艦の速度が落ちてきている。
ランド「く、くそぉっ!!」
妨げが無くなったボックスは、一直線に艦に向かって来ている。
どうしたらいいんだよ。こんなの
ランド「あれはっ!?」
戦闘によって揺れたのか、風なのかは解らないが、甲板に置いてあった物に被さっていたシートが飛んでゆく。
そして現れたのは・・・
ランド「ギ、ギガンテス・・・」
まさに巨神。ACS‐01 ギガンテス
その錆びついた体は、歴戦を潜り抜けた跡なのだろう。
こいつさえあれば、なんとかなるかもしれない
そう考える間にもボックスはさらに迫ってくる。
ランド「覚悟なんて決まるわけないだろ・・・。くそ!俺がやらなきゃ・・・誰がやるんだよおおぉ!!」
ただひたすらに叫び、俺はギガンテスへと走るのだった。
ストーリーは・・・まあ、なんとかなるでしょう(困惑
書きゃあいいんだよ書きゃあ!