第1話:無能な荷物持ちですが、実は最強の人外スライムです。気高き聖女様を美味しくいただくためにパーティーに潜入中。
「おい、トウマ! もっとシャキシャキ歩け! 聖女リリア様の前だぞ!」
重いバックパックを背負った俺――トウマは、前を歩く重戦士の怒声に「す、すみません!」と情けない声を上げて頭を下げた。
ここは、王都でも名高いSランクパーティー『暁の光』の移動中。
俺の役職は、戦闘力皆無のただの荷物持ち(ポーター)だ。
「いいのよ、ガル。トウマはまだ若くて非戦闘員なのだから、そんなに怒鳴らなくても。……トウマ、大丈夫? 重かったら、私の神聖魔法で少し身体を軽くしてあげましょうか?」
振り返って、鈴を転がすような美声で俺を気遣ってくれたのは、このパーティーの象徴であり、国中の男たちの憧れの的である聖女リリアだった。
金糸を紡いだような美しい金髪に、優しげな垂れ目の碧眼。
白い聖職衣の上からでもはっきりと分かる、豊満な胸の膨らみと、きゅっと引き締まった細い腰。歩くたびに、神聖な果実のような甘い香りが漂ってくる。
まさに「純潔」を絵に描いたような、高嶺の花。
「い、いえ! リリア様にそんな恐れ多いこと、滅相もないです! 僕、頑張りますから!」
俺が気弱な少年を演じて慌てて手を振ると、リリア様は「ふふ、無理はしないでね」と、聖母のような慈愛に満ちた笑みを浮かべた。
あー、可愛い。本当に可愛い。
守ってあげたくなるような聖女様だ。
――まさか、その「守ってあげたい荷物持ちの少年」の正体が、人間を遥かに超越した**『擬態能力持ちの特級魔物・スライム』**だとは、夢にも思っていないだろう。
◇
数ヶ月前、俺は現世での寿命を終え、異世界に転生した。
目が覚めた時、俺の身体はプルプルとした半透明の粘液の塊――スライムになっていた。
だが、ただのスライムじゃない。
俺が宿された固有スキルは、凄まじいものだった。
【完全擬態】:一度捕食、または濃厚な接触(意味深)を持った生物の姿・能力・記憶を完全にコピーできる。
【性感探知】:触れた相手の弱点や、最も感じる性感帯を完全に視覚化して把握できる。
【快楽分泌】:自身の粘液に、相手をトランス状態に導く超強力な媚薬・催淫効果を付与できる。
まさに、夜のストライカーになるために生まれてきたような人外チート能力。
俺は手始めに、行き倒れていた若手冒険者の死体を捕食し、人間の姿を手に入れた。それが今の「トウマ」だ。
人間の街に紛れ込んだ俺は、すぐに気づいた。
ただ力で女性を襲ってもつまらない。
昼間は無害な男として信頼され、夜は人外の圧倒的な快感で身も心も屈服させる……。その「二面性」こそが、極上の興奮を生むのだと。
ターゲットを探していた俺の目に留まったのが、この国一番の処女聖女、リリアだった。
「トウマ、今日の宿に着いたら、私の部屋に荷物を運んでちょうだい。あと、少し肩が凝ってしまったから、マッサージをしてくれると嬉しいわ」
「はい! 喜んでお供します、リリア様!」
リリア様は、俺が「男」として完全に無害だと思っているからこそ、こうして警戒心ゼロで懐に入れてくれる。
昼のターンは、これでいい。従順な犬のフリをして、彼女の精神的な依存度を少しずつ高めていく。
そして、肉体的な「開発」の舞台は――やはり、誰の目も届かないダンジョンの奥深く。
「よし、全員揃っているな。明日突入する『黒王の迷宮』は、深層に強力な魔物が蠢く危険なダンジョンだ。気を引き締めていくぞ!」
リーダーの勇者が、酒場で地図を広げながらパーティーに告げる。
リリア様は小さく頷き、神への祈りを捧げるように胸の前で手を組んだ。その拍子に、豊かな双丘がさらに強調される。
(黒王の迷宮、か……。あそこの中層には、確か誰も近づかない深い縦穴のトラップがあったはずだな)
俺は俯き、前髪の隙間からニヤリと邪悪な笑みを漏らした。
明日、あの暗闇の底で。
誰も助けに来ない密室で。
気高き聖女様が、俺の触手と粘液にめちゃくちゃに汚され、神に背く快感に泣き叫ぶ姿が、今から楽しみで仕方がなかった。




