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ノワール・ガールズ・パニック  作者: 一二三四ョウオウ


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それはチュパカブラでは!?

 前川「見て見て!!!今日の新聞に工藤の記事が載っているわ!!!」


 村上「ほぇー、ホンマに捕まりやがった。またエラいことになったな」


翌日、前川は瀬戸達に今日の新聞を見せた。そこには以前、前川コーポレーションで好き勝手していた工藤が捕まった写真が載っていた。工藤が捕まった事により、前川コーポレーションは少しずつだが信頼を取り戻していた。とはいえ、このような社員を生み出した事による反省点を生かし、よりコンプライアンス重視するようになった。


瀬戸「またすごい事になっちゃいましたね」


ベル「あれだけ好き放題していたからな。自業自得というのか?」


アカゴン「あれ?あの事が載ってない?」


松木「あの事って、まさか・・・」


アカゴン「忘れたのか?昨日、前川が大量の水を出した件だよ。それに車でぶつかった事も」


前川「言われてみれば、確かにないわね」


クロノス「ワルドリアンでぶつかった事に関しては恐らく情報を非公開にしている筈だ。それにあの水は魔力で作られた水だから、魔力がなくなれば消える」


ベル「あまりデタラメな事を書けば、新聞社が叩かれるからな」


前川「でもあれはクレイジーだったわ。また出てこないかしら?」


村上「勘弁してくれ」


瀬戸「あ、そろそろ朝礼が始まる時間です」


瀬戸がそう切り上げると、みんな各クラスへと行った。確かに新聞記者がネッシーを見たと書く訳にもいかない。ネッシーなんて生き物が存在する訳ないからだ。そんな事を書いたら世間から非難される。そう言う意味合いも含めて、掲載しなかったのだろう。とはいえ、あのペンダントにはとんでもない力が備わっている事に改めて認識した。それからは何事もなかったかのように授業を受け始めた。


§


キンピアス「また、やられたな」


ネクシース「一体どういう事よ!!!」


ドン・リングル「慌てるな。すでに手は打ってある」


キンピアス「急にどうしたのだ?」


ネクシース「まさか、また新しい能力者でも見つけてきたんじゃないでしょうね?」


ドン・リングル「いやいや、もうこっちで能力者を作るのは辞めた。だから、こちら側で新たに能力者を雇うんだよ」


プレシャスファミリアではまた能力者を失った事により荒れ始めていた。何をやっても上手くいく気がない。そこで能力者を作るのはやめ、能力者を雇う事にした。その時、丁度扉が開くと同時に誰かが入ってきたようだ。くすんだベージュ色のセミロングヘアにインテークの間に黒いリボン、頭頂部に2本のアホ毛が生えている美少女が入って来た。腕には何故か似付かないが大事そうに抱えている黒いおもちゃのドラゴンを持っている。


ネクシース「ん??誰なの?」


キンピアス「小娘か?」


ドン・リングル「この度、正式に雇う事にした名前は・・・秘密って言ってたな」


少女「名前は今はトワイライトと読んでくれたらいい」


ネクシース「トワイライト?」


キンピアス「ほう、なかなか面白いじゃないか」


トワイライトと呼ばれる少女は辺りをキョロキョロと見渡していた。まるで何かを探すかのように。それに気付かず、リングルは話題を変え始めた。


ドン・リングル「よーし、ではどうやってアイツらを倒す?お前に策はあるのか?」


トワイライト「とりあえず、これを使う」


そう言って取り出したのは赤いペンダントだった。これはあの瀬戸やベル、前川が持っているのと同じ物だった。それを見たリングル達は驚愕した。


ドン・リングル「どうしてお前がそれを持っているっ!?」


トワイライト「偶然手に入れた物よ。ここには能力者とは比べ物にならない、尋常ざる力が込められているわ」


ネクシース「何ですって!?そのペンダントにそんな力があるの!?」


キンピアス「驚いたな。ただのペンダントじゃないと思いきや、そんな力があったとはな」


トワイライト「ただ、今は力が発揮されない。このペンダントは持ち主を探している。特にこれは強い何かを感じる」


ドン・リングル「おいおい、それじゃただのペンダントじゃねぇか。どうすんだよ」


トワイライト「実はもう解き放っているわ。この中にある力は今も街に潜んでいる」


ネクシース「何ですって!!!!」


トワイライトはあらかじめ、ペンダントの力を解き放っていたのだ。それが彼女の能力かは分からないが、このペンダントを持っている限り、その力は彼女に従う事になるのだ。これを知ったリングルは高笑いをし始めた。


ドン・リングル「おもしれぇじゃねぇか!!!これであいつらをやっつけられるって訳だな」


トワイライト「もう一度確認するけど、あの力は持ち主を探している。持ち主が見つかれば、このペンダントはその持ち主の物になってしまうわ」


キンピアス「だが、それも見つけ出すまでの辛抱だ。どうせすぐには見つからない」


リングル達は再び高笑いし始めた。これで邪魔者を倒せる、そうたかを括っていたからである。そんな状況の中である事件が起こり始めた。牧場や動物にいる山羊や羊が次々と突然死する事件が起こっていた。死因を調べると体内の血液がほぼ無くなっている事が判明した。この事により、獣医は貧血死だと判明した。しかし、不可解な事もあった。何故大量にあった血液が一晩で無くなってしまったのか。それに首元に小さな穴があり、そこから血液を吸われたのだろうと思われるが一体誰がそんな事を、どうやって侵入したか、動機は何か、様々な問題が山積みになっていった。もちろんこれは全国ニュースにもなり、新聞にも載せられた。そして、その記事を見た人がここにいた。


前川「大大大大大大大大ニュースッ!!!!!!これは有名な未確認生物、チュパカブラの仕業よーっ!!!!!!!!!」


村上「どえらく興奮してんな・・・で、そのチュパ、チュパチャ・・・ええいっ!!!その某棒飴みたいな名前、なんや?」


前川「チュパカブラ、1995年2月のプエルトリコに突如現れたUMAよ!!!主な特徴としては家畜の山羊や羊などの血を吸う事ね!!!さらに犬の形をしているとも言われているわ!!!」


松木「犬・・・」


アカゴン「あれ?それって今日の新聞に書いてある事と同じじゃん?」


瀬戸「言われてみればそうですね。あれ?でもそのUMAってアメリカにしかいないんじゃないんですか?」


前川「どうして日本にいるかは分からないが私達で捕まえて、歴史に名を刻みましょう!!!」


村上「ミステリー界に名を馳せてもな」


ベル「だが興味深いな。実はこれが能力者だったというオチもあるぞ?」


前川「そんな現実味な事言わないでよ。ここは現実を忘れて、空想思考でいきましょうよ」


村上「いや能力者も空想思考やけどな」


瀬戸「もう日常化してきてる・・・」


前川「善は急げよ・・・後日、チュパカブラ捕獲大作戦を実行するわよーっ!!!!!」


村上「またどえらい事を考えて。そうやろ、松木・・・松木?」


松木「あ、いや、えっと、そうね」


村上「どしたん?さっきから落ち込んでるように見えたけど?」


松木「あー、大丈夫よ。それよりも私達、また何かやらかしそうな気がして・・・」


瀬戸「それはそうですね。部長が部長ですし」


プチモン「プチプチ」


こうして、また新たな無謀作戦が始まろうとしていた。その後、解散した瀬戸達はそれぞれの帰路についた。その中で松木だけは少し寄り道をした。そこはペット霊園であった。その中にある小さな墓石の方へ歩き出した。


松木「ラッシー、元気にしてた?」


松木はかつて犬を飼っていた。犬種は芝犬、名前はラッシー。彼女が小学生の頃に飼っていた犬だった。彼女の両親は共働きで1人娘だった為、寂しい思いをさせまいと両親が彼女の誕生日にプレゼントしたのであった。最初はとてもやんちゃでよく棒を振り回して遊んでいた。時々物も壊すし、吠えたり、噛みつくこともあった。しかし、それでも彼女には心の拠り所であった。1人しかいないこの環境をラッシーは楽しくしてくれたのだった。あの時までは・・・。あの日はいつもと同じ、眩しいくらいに光り輝く太陽が沈む夕方くらいだった。いつものように河川敷で散歩をしていた。ラッシーは元気よく走り出し、松木はリードを引っ張るのが大変であった。そんな時だった。目の前にナイフを持ち、ヘルメットを被った男が現れた。後で分かった事だが、男は通り魔だった。男は松木に狙いを定めるかのように徐々に近づき、松木も恐怖で後退りしてしまった。最悪な事に人がいなかった。だから助けてくれる人も、警察に通報してくれる人もいなかった。ただ、ラッシーだけは男に向かって吠えていた。男は一瞬驚くも、意を決して松木へ襲いかかった。松木は恐怖で体が動けなくなり、その場に座り込んでしまった。このままでは小さな女の子がやられてしまう。そう感じたのか、ラッシーは松木が手からリードが離れた瞬間に男の腕に噛み付いた。男はラッシーの噛み付きにより、バランスを崩して横へ倒れてしまった。男は何とかラッシーから腕を離そうとするが、ラッシーはただひたすら噛み続けていた。しかし、男は手にしたナイフでラッシーの体を突き刺したのだ。ラッシーの体からは血液が大量に出血し、その姿は当時子供だった松木にはショッキングな光景であった。しかし、何度出血しようともラッシーは決して男の腕を離す事なく噛み続けた。すると、たまたまその辺を歩いていた人達が目撃し、急いで警察へ通報した。ラッシーは警察が来るまで腕を離さなかったのだ。警察が来た後、男は逮捕され、松木は保護された。しかし、ラッシーは男が逮捕された時には力尽きたのか、横へ倒れてしまった。松木は急いでラッシーの所まで駆け寄った。しかし、ラッシーは大量出血のせいか体が痙攣したかのように震えて、息も苦しそうだった。急いで病院へ連れて行くも大量出血による出血死で死んでしまった。世間では子供を守った正義の犬と比喩されていたが、松木だけはずっと心の奥から後悔し続けていた。もし、あの時に自分も応戦していれば助かったかもしれない。ラッシーは自分の手で殺してしまった。子供ながらにそう考えるようになってしまった。それから月日が流れ、松木はラッシーに懺悔するように毎週墓参りに行っていた。少しでもラッシーが安心していられるように供養し続けている。


松木「ごめんね、ラッシー・・・」


松木は墓石に水をかけ、花を添えてお辞儀をした。死んだ者は生き返れないけど、私の心の中には永遠に生き続けている。松木はお辞儀をした後、そのまま家に帰る事にした。


§


その頃、松木の様子を陰から見ていた者がいた。松木が墓石の前でお辞儀している場面からずっと。そして、松木が帰ろうとした時にその存在も消えてしまった。

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