表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
1/28

表と裏の入学式 その壱

 この俺、上倉零次は多重人格者だ。

 といっても俺の場合、一般的な多重人格とは少し違う。

 通常、人格の切り替わりは突然起こることのはずだ。しかし俺の別人格は違う。切り替わるのにいちいち『条件』が必要なのだ。

 せっかくだから説明しよう。

 例えば条件その1。俺が意識を失った時、別の人格が体を乗っ取って出てくる。この条件は気を失ってる時はもちろんのこと、眠ってる時にまで作用するという厄介極まりない代物だ。

 そして条件その2。これは……なんて説明すればいいんだろうな。これについてはうまく簡潔に説明出来る気がしないので、後でちゃんと説明することにする。

 最後に条件その3。主人格である俺が許可すると人格が切り替わる。そういう権利を俺は持っているのだ。ただしこの条件は俺以外の人格は知らない。主人格の俺のみぞ知る諸事情ってやつだ。

 とまあこんな感じでこの俺、上倉零次という人間は普通じゃあない。多重人格者としてあまりにも異質なこの制約。これらの条件を満たさない限り、別人格は全く出てこない。これには主人格である俺でさえも抗うことができない、かなり厄介な代物だ。

 ちなみに何故俺が主人格かというと、そこには簡単には言い表せないほど深い理由がある。これは必然なのだ。俺は主人格になるべくしてなったのだ。

 それでも、ただ一つだけ言いたいことがある。

 主人格が俺で良かった。主人格が一番まともな俺だからこそ、上倉零次の人生は成り立っているのだ。

 もし別のヤツが主人格だったとしたら、こうはなってなかっただろう。連中はあらゆる意味で危ない。だから表に出ることが少ない今の形こそが、正しい形なのだと思う。

 ―――奴らを決して外へ出してはならない。

 それは俺が別人格に切り替わるたび、心の底から思うことだから。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ