第19話:迫り来る絶望と天を仰ぐ人々(テスト期間突入)
挿絵を追加しました。
そんな浮ついた学園の空気を一瞬にして凍りつかせる、高校生にとって最大の試練がやってきた。
中間テストまで、ついに一ヶ月を切ったのだ。
学校は正式にテスト期間に入り、部活動も一斉に停止。教室のホワイトボードには『中間テストまであと〇日!』と赤文字でデカデカと書かれ、カウントダウンが始まった。
最初は「都姫ちゃん待ち受けがあるから余裕っしょ!」と高を括っていた生徒たちだったが、配布されたテスト範囲表の容赦ない広さと難易度を前に、すぐに現実を突きつけられることとなった。
「うう……数IIの微分の意味がマジで宇宙語にしか聞こえない……」
「世界史のカタカナ多すぎだろ……誰だよお前……」
休み時間ともなると、教室内にはどんよりとした暗雲が立ち込め、机に突っ伏して深く俯く者、あるいはシャーペンを握りしめたまま虚空を見つめ、絶望のあまり天を仰ぐ者が続出した。
特に赤点(欠点)を取ると、楽しみにしている放課後のメイド喫茶(都姫の聖地)への出入りを親や先生に禁止される可能性が高いため、男子たちの悲壮感は尋常ではなかった。
そんな中、相変わらずテスト範囲の勉強を初日にすべて終わらせ、暇そうにゆるふわな空気を醸し出している都姫は、死屍累々となった教室を見渡した。
「みんな、なんだかすごく辛そうだね……。よし、じゃあみんなで勉強しよっか」
女神のその一言が、絶望の淵にいたクラスメイトたちに一筋の光を照らすことになる。




