4-少年セレフィス、洗礼と新たな運命・後
投稿の順番すっとばしました!!!ごめんなさい!!!!
洗礼の日、セレフィスは孤児院の子供たちとともに、中央の大聖堂へと連れて行かれた。グリモアは嫌々ながらも子供たちを引率し、聖都の中心にそびえ立つ大聖堂へと向かった。
「まったく、こんなガキどものために時間を取られるなんて…。さっさと終わらせてくれよ。」
グリモアは不機嫌そうに呟き、セレフィスを睨みつけた。
「お前もどうせろくなスキルなんて授からないだろうな。ゴミはゴミらしく、さっさと消えちまえ。」
セレフィスは俯き、小さく震えた。グリモアの言葉は、彼の心に深く突き刺さる。だが、小さな小鳥との思い出が、彼にわずかな勇気を与えていた。
「…ボク…頑張る…。君が応援してくれてるから…」
深呼吸をして、セレフィスは大聖堂の門をくぐった。
大聖堂の内部は荘厳そのものだった。天井には神々の物語を描いたフレスコ画が広がり、色とりどりのステンドグラスから差し込む光が大理石の床を虹色に染めていた。祭壇の周囲には、神聖な紋様が刻まれた円形の魔法陣が描かれ、その上に神官たちが厳粛な表情で整列していた。空気には微かな香木の香りが漂い、聖歌隊の静かな歌声が響き渡る。
洗礼を受ける子供たちは、祭壇の前に一列に並ばされた。セレフィスは他の子供たちと一緒に立ち、緊張で小さな手を握りしめた。
神官長が祭壇の前に進み出て、厳かに宣言した。
「ナーロッパの民よ。今日、ここに集いし子らに、創造神エルディスの祝福が与えられんことを。我々は神の御前にて、そなたらの未来を祈る。」
神官長が手に持つ聖杖を掲げると、魔法陣が淡い光を放ち始めた。子供たちは一人ずつ祭壇の中央に進み、魔法陣の中に立つよう指示された。
最初に洗礼を受けたのは、セレフィスと同じ孤児院の少女、マリナだった。彼女が魔法陣の中に立つと、神官長が祈りの言葉を唱えた。
「エルディスよ、この子にそなたの祝福を…!」
魔法陣が眩い光を放ち、マリナの身体が光に包まれた。光が収まると、神官長が彼女に告げた。
「マリナ、そなたに授けられたスキルは『水の加護』。水を操り、癒しの泉を生み出す力だ。」
マリナは目を輝かせ、小さく微笑んだ。水の魔法は、ナーロッパでは農耕や癒しに役立つ力として重宝されるスキルだった。
次に洗礼を受けた少年、トビアスには『剣の才』が授けられた。このスキルは剣術の才能を飛躍的に高め、戦士としての道を約束するものだ。トビアスは拳を握り、嬉しそうに笑った。
別の少女、リナには『風の囁き』が授けられた。これは風を操り、遠くの声を聞き取る能力で、斥候や情報収集に適したスキルだった。
ナーロッパのスキルには多様な種類があり、以下のような例が知られていた:
炎の支配:火を操り、攻撃魔法として使う力。戦闘で重宝される。
鉄壁の守護:防御力を高め、仲間を守る盾となるスキル。騎士や護衛に適している。
星読みの眼:星の動きを読み、未来を予測する力。戦略家や占い師に有用。
緑の手:植物を育て、薬草を作り出す能力。薬師や農民に適している。
幻影の舞:幻を生み出し、敵を惑わすスキル。盗賊やスパイに役立つ。
これらのスキルは、ナーロッパの生活や戦いの中でそれぞれの役割を果たすものだった。
やがて、セレフィスの順番がやってきた。彼は小さな足で魔法陣の中に進み、ひざまずいた。緊張で心臓が早鐘を打ち、冷たい汗が背中を伝った。
神官長が祈りを捧げ始めた。
「エルディスよ。この子にそなたの祝福を…!」
神官長が祈りを捧げると、祭壇がこれまで以上の眩い光を放ち、セレフィスの身体を包み込んだ。光はまるで彼を優しく抱きしめるようで、セレフィスは一瞬、すべての苦しみが消えるような温かさを感じた。意識が白い空間へと飛ばされ、再び創造神エルディスと対面した。
「セレフィスよ。よくぞここまで耐えた。よくがんばったな、お前の努力を見ていたぞ」
エルディスの声は温かく、セレフィスの心を優しく包み込んだ。
「そなたの苦しみは我が知っている。そなたの優しさも、純粋な心も…。そなたにふさわしい力を授けよう。」
エルディスが手を振ると、セレフィスの身体に暖かな光が流れ込んだ。
「そなたに与えるスキルは『大聖女の癒し』。これは聖女のみが使える、極めて稀有な力だ。傷を癒し、病を治し、呪いを解く…そなたはこの力で、ナーロッパの民を救う存在となるだろう。」
セレフィスは目を潤ませ、エルディスを見つめた。
「俺…そんなすごい力が…?でも…俺なんかが…」
「そなたこそがふさわしい。そなたの心が、この力を輝かせるのだ。」
エルディスの言葉に、セレフィスは初めて、自分の存在に意味を感じた。光が消え、彼の意識は大聖堂へと戻った。
洗礼の儀式が終わった後、大聖堂にざわめきが広がった。セレフィスに授けられたスキル「大聖女の癒し」は、ナーロッパの歴史上、数えるほどしか現れていない神聖な力だった。神官たちは驚き、子供たちもセレフィスを畏敬の目で見つめた。
だが、グリモアだけは顔を歪め、苛立ちを隠さなかった。
「チッ…あんなゴミがそんな力を…。ふざけるなよ…」
彼はセレフィスを睨みつけたが、その視線はすぐに遮られた。
「その子が『大聖女の癒し』を授かった者か?」
荘厳な声が大聖堂に響き、教皇が姿を現した。教皇アルフェリウスは、穏やかな笑みを浮かべた老齢の男性だった。彼はセレフィスを見ると、優しく手を差し伸べた。
「そなたの名はセレフィス…だな。そなたの力を、民のために使ってほしい。わしがそなたを時期聖女として育てよう。」
セレフィスは目を丸くし、信じられない思いで教皇を見つめた。
「ボクを…育ててくれる…?…こんなボクが…?」
「ボク…?そなたは神に選ばれた者だ。もう苦しむ必要はない。」
教皇の言葉に、セレフィスの心は温かさで満たされた。初めて感じる「認められた」という感覚に、青い瞳から涙が溢れた。
「…ありがとう…ございます…!」
セレフィスは教皇の手を取り、小さく微笑んだ。
その日、セレフィスは教皇に引き取られ、孤児院を去ることになった。グリモアは不満げに唾を吐き、セレフィスを睨みつけたが、教皇の前では何も言えなかった。
セレフィスは孤児院の裏庭に立ち、小さな小鳥に最後の別れを告げた。
「…君、ありがとう。君がいてくれたから…俺、頑張れたんだ…」
小鳥は「チュン」と鳴き、セレフィスの肩に止まった。まるで「頑張ったね」と言うかのように。セレフィスは小鳥に微笑みかけ、教皇とともに大聖堂へと歩き出した。
どうでもいい説明が長くなったので、前後に分けました




