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秘密基地は大迷宮〈ダンジョン〉に  作者: カイエ
一章「秘密基地をダンジョンに」
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17/64

#16

「じゃ、出発!」


 ケンゴが先頭に立って、奥へと向かう。

 せっかく張り切ってるみたいだし、今日はダイチに着いていこう。


「今日は今まで行ったことがない方向へ行くぜ」


 みんなでケンゴの後ろを付いて行く。

 あっという間に暗くなるので、懐中電灯を付ける。

 ん? いつもより明るいな……と思ったら、アリサのヘルメットにも懐中電灯が付いていて、それが奥を照らしていた。

 本物の冒険家みたいだな……。


 ずんずん奥に向かっていくダイチに、アリサが不安そうに


「ケンゴあんた、そんなどんどん奥に行って大丈夫なの?」

「大丈夫大丈夫、任せとけって」


 ケンゴは笑って、更に奥へ向かう。

 あ、ここ多分初めて通る道だ。


「この辺になると、もうスマホの電源入らないんだよな」


 ケンゴがスマホを取り出して、こちらに向ける。


「バッテリー切れなんじゃないの?」

「いや、まだけっこう残ってるはず。ダンジョンから出たら復活するから」


 それを聞いたアリサは、サッと背中から先ほどの機械を取り出してチェックする。


「……放射能の問題はナシ……と」


 だから怖いって。

 あと、多分その機械も動いてないからね。


 しばらく行くと、いつか見たような八つの道が合流する、広い場所に出た。


「おお、こんな場所に出たぞ」

「本当に、何のために作られた場所なのかな」

「どっち行く?」

「そうだなぁ……じゃあお前ら、好きな道選べ」

「「えっ」」


 女子二人が驚いて声を上げる。


「初めてのダンジョンだし、道決めさせてやるよ」


 ケンゴがそう言うと、アリサが「うーん、あたしくじ運悪いんだよね」と言って、


「カナ、任せる」


 とカナちゃんに押し付けた。

 カナちゃんはう~んと一瞬悩んで、「一番左!」と一つの通路を指さした。


「レッツゴー」


 ぼくたちはぞろぞろをそちらに向かう。


 しばらく進むと、いつものようにフッと懐中電灯が消えた。


「きゃっ?!」


 女子の甲高い小さな悲鳴が聞こえる。


「大丈夫」

 ケンゴの気楽そうな声が響いて、安心したのか、女子二人がパニックを起こすことはなかった。


「ほ、本当に懐中電灯が切れちゃうのね……電池切れ、ってわけじゃないのよね?」

「うん、この懐中電灯、めちゃくちゃ電池持つんだよ。災害時用つって、家にあったやつ持ってきた」

「あんたとんでもないことするわね……」

「まぁ、それはいいとして、ほら、見てみろよ」


 しばらくして、目が慣れてくると、先ほど通ってきた道に、薄っすらと光が見えてくる。

 懐中電灯と比べると、本当にほのかな灯りだけど、道標には十分だ。


「ん、今日はいつもより明るいな」

「人数が多いからじゃない?」


 確かにいつもよりも蛍光石の光り方が強い気がする。

 おかげで薄ぼんやりとみんなの位置がわかる。


「戻ろうぜ」


 そういってケンゴが先に進む。

 ふっと右腕が重くなったのでそちらを見てみると、カナちゃんがぼくの袖をつまんでいた。

 いやっふぅ! 約得だぜっ!!


 先ほどの広場に出ると、戻るべき道に薄っすらと光りが見える。


「あっちだ」


 ケンゴがそちらに歩いていって、得意げに振り返る。


「この石さ、触れると光りが強くなるんだよ」


 ケイゴがそう言って、蛍光石に手を触れようとする。

 その時、アリサが悲鳴を上げた。


「ケイゴ!! 後ろッ!!」

「え?!」


 こちらを向いているケイゴには見えなかったようだが、そこには「何か」が蠢いていた。


「な、何だ?!」


 ケイゴが驚いて後ずさる。

 このままだとヤバイ!


「ケイゴ! 下がれ!」


 オレは飛び出して、ケイゴの襟首を掴んで後ろに引き倒した。

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