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スケルトンの冒険者 異世界生活記 ~人化の術で冒険者やってます~  作者: 肉巻きおにぎり
2章 スケルトンと人間
10/60

9 次の目的地は

7/11 少し全体的に内容を変更してみました。展開自体は変わってないです

  さて。ゴブリンの巣穴とも言えるあの遺跡擬き。

 そこからようやく外に出れた俺は、この薄暗い森を進みつつ、この世界がどういう所なのかについて、考えていた。


 俺が転生したこの世界は、魔法や魔物が普通に存在するファンタジーな異世界だ。

 それは分かる。

 俺の存在そのものが、それが事実だと物語っているからな。


 気になるのは、この世界の人間の生活。

 前世で言う現代日本に比べて、どの位のレベルの世界なのかが分からない。


 俺はあの遺跡擬きで目覚めてて今まで、生きている生物はゴブリン位しか見ていない。

 この世界に人間が存在してるのを知ってるのは、あの場所に、冒険者と思える死体があったからだ。

 身に着けていた衣服や、持っていた武器等から考えると、文明レベルは、中世ヨーロッパ辺りが最も近いかもしれない。

 だが、前世と比べて今度の世界は、魔法が存在している。

 科学が発展していなくとも、魔法によってどんなテクノロジーが存在しているのか、非常に興味深いな。

 案外、元の世界より技術が上の可能性もあるかもしれないな。


 それに、何も人間と魔物だけが存在してるとは言えないのではないだろうか?

 例えは、エルフやドワーフに獣人等。所謂亜人と呼びそうな種族だって、この世界では普通に暮らしてる可能性は十分ある。

 

 エルフか……。

 前世でもゲームや漫画の世界で登場する種族だったな。

 容姿に優れ、魔法や弓が得意なイメージがあるが、やっぱり、この世界にいるエルフ達も美しいのだろうか……?

 まだ存在しているとは決まってないが、もし本当に居るのなら個人的には、是非一度会ってみたいと思う。


 しかし、仮に亜人が存在しているとしたら、はたして人間との友好関係はどうなのだろうか?

 最悪、種族同士の関係によっては、現在人間達と戦争真っ最中の状況だって考えられるな。


 いつの時代でも、戦争ってのはあるもんだからな。

 俺が生きていた日本でも、昔は戦争をしてたし、現在も紛争中の国なんかも確かに存在していた。

 いつの時代でも、目先の利益の為に、戦争を仕掛ける輩は出てくるものだ。

 一定数以上の人間や亜人が存在していれば、この世界でもそういう争いが起こっても別に不思議ではないか。

 まぁ、それに巻き込まれるのは御免だけどな。


 うーん。

 他にも色々考えられる問題はあるが、どれも憶測でしかないからな。

 やはり、もっとこの世界についての情報が必要だ。

 無用なトラブルを避けるためにも、最低限の知識と常識を知りたい。

 

 情報が集まる場所ってのは人が多い場所。

 街とかだろうな……。

 だが、あまり多過ぎる場所はダメだな。

 

 恐らく警備の人間の数が多いので、俺の姿が発見されでもしたら、面倒な騒ぎになる。

 なので、出来るだけ小さな村や集落位の集まりがベストだろう。

 

 そういう場所ならば、旅人を装い、ローブで体をしっかり隠せば入り口から堂々と入れたり、しないだろうか?

 後は言葉が離せない事を、アピールすればなんとか……。

 ……ならないよなぁ。

 

 俺から見ても、そんな奴が居れば、流石に怪し過ぎると思うし。


 いっその事、夜中にこっそり侵入して、民家からこの世界の本でも探してみるか?

 歴史書等があれば、それだけでもある程度の考察が出来るかもしれない。

 忍び足があるし不可能ではないと思うが……。

 あーいや。

 この世界の文字が読めない可能性もあるか。

 

 ――結論。

 今の俺が人間の居る場所で、情報を集めるという行為は厳しい。

 

 もういっそのこと、無理に人の社会に溶け込む必要は無いのではないかとすら、思えてきた。

 極端な話。この森からずっと出ないで生きるという選択肢も存在している。

 

 だが、可能ならそのプランは却下したいな……。

 無駄に日本人だった頃の記憶があるせいで、森の中で出ないで生活というのが、考えただけでも辛いのだ。

 何の娯楽もないからな……。

 前世ではパソコンや漫画、ゲームにテレビ。

 家から出なくても時間を潰せる娯楽に溢れていた。

 だが、今は何もない。

 これでずっと同じ場所に居るっていうのは無理だ。

 拷問に近い。

 せめて、食事が楽しめる体ならばもう少しマシだったろうが、今はそれも出来ない。

 

 我ながら随分と贅沢な話だとは思うのだが、人間とは娯楽が無いと生きられない生き物なのだ。

 あと単純に、孤独が辛いのもある。


 今後、進化によっては人間に近い姿になる可能性はあるだろうか?

 そうなら、こうした問題も解決して楽なんだがな。

 

 理想で言うならヴァンパイアとかか。

 それなら、人の暮らす場所でこっそり平和に生きていく事も可能なんじゃないかと思うのだが。

 次の進化先にヴァンパイア。もそくはそれに近い存在があるといいのだが、最悪また骨系以外の選択肢が無い可能性もあるか……。

 

 まぁ進化先については、今は考えてもわからないか。

 どうしても、人型の魔物に進化できそうに無い時は、諦めて人を避けながらこの世界を旅でもするか。

 同じ場所からじっと動かないよりも、旅行気分で世界を回ったほうが何倍もマシだと思うし。

 前世では見れなかった珍しい物が、色々と見れるかもしれないしな。

 孤独に関しても、旅を続けてたら、こんな俺でも受け入れてくれる誰かと出会えるかもしれない。

 旅自体が娯楽になってるから多少は気分も紛れるだろう。

 異世界旅行って奴だな。 



 しかし、旅か。

 昔から、一度はやってみたかったのだが、結局やれなかったな。

 前世でそんな事をやるとしたら、まず会社を休まないと行けないし、食糧や資金の問題もあった。

 おかげで、やってみたいとは思っていても、実行できなかったんだよな。

 

 だが、今の俺はどうだ? それが可能な状態ではないか。

 何せ、仕事はおろか食糧や資金の問題もクリアしている。

 必要なのは、この体を動かす魔力のみ。

 これも時間が経てば回復する。

 

 あれ? そう考えると、ある意味前世の俺より今の環境は恵まれているのでは?

 考えたら前世の世界って便利な世の中だったけど、どこか息苦しく感じていたのも事実だしな。

 ここは、童心に帰ってみるのもまた一興か……。

 ふむ……。なんかそんな事を考えてたら、少しだけ元気が出てきたな。

  

 ただ、旅をするにしても、もう少し真面な武器が欲しいな。

 どう頑張っても魔物と戦闘する事はあるだろうし、武器の手入れが出来る道具等もどこかで補給したい。

 村でも見つけたら、本当はダメなのだが、夜中に侵入して少し物資を頂いていくのが無難だろうか。

 別に人を襲うわけでもないし、少しくらいの軽犯罪位ならやってもいいだろう。

 変わりに、手持ちの銀貨を置いていけば、むしろ感謝されるかもしれなし。

 どうせ今の俺には、金銭は使い道が無いから構わないだろう。


 我ながら、随分酷い計画だとは思うが、やれる事が少な過ぎるのだから、これ位しか思いつかないのだ。

 とりあえず、今はこの森を少しでも早く抜けよう。

 その後は小さな村でも探してみるか。

 準備が整い次第、異世界旅行と行ってみようじゃないか。

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