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【第九章完結!】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第九章

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能力比べゲート6

「‘チッ!’」


「‘イライラするなよ’」


「‘あんだけ自信満々だって言ってたのに、まだなのかよ!’」


 トモナリたちがお化けを追いかけ回している一方で、終末教の覚醒者たちは状況もわからず待ちぼうけを食らっている。

 三十代の覚醒者は苛立ちを隠せず、イライラと足を動かしている。


 イライラとしたくなくとも三十代の覚醒者の苛立ちが伝播してくるようで、二十代の覚醒者は二人ともイラついていた。

 トモナリというより三十代の覚醒者の方にである。


 五十代の覚醒者はまだ落ち着いているが、四人の間に流れる不穏な空気に顔をしかめる。

 このままでは四人の間で殺し合いが起きてしまいそう。


 元より仲間意識など皆無ではあるが、この状況には五十代の覚醒者も小さくため息を漏らす。

 成功でも失敗でもいいから早く状況が動かないものかと、閉じたドアを見る。


 椅子もないような殺風景な部屋の中に閉じ込められている状況も悪かった。


「‘あっ……’」


 何もしていないのにドアがゆっくりと開き、みんなの視線が集まる。


「‘おめでとうございまーす! お化け屋敷のクリアとなります! あと四つ、クリアしてくださーい’」


 死神がグルグルと回りながら出てくる。


「‘……自信があるといっただけはあるな’」


 死んでもらったら次に誰か挑戦しなきゃいけなくなる。

 でもどこか死んでもらいたい気持ちはあった。


 胸中複雑である。

 ただ試練をクリアしたということはそれ相応の力があることの証明でもあって、油断ならない相手だと終末教の覚醒者たちは警戒を強める。


「‘出てこないぞ?’」


「‘死んだ?’」


 クリアしたはずだが、トモナリの姿がない。

 終末教の覚醒者たちは顔を見合わせる。


「‘……避けろ!’」


 洋館の奥から炎が噴き出してくる。

 終末教の覚醒者たちは横に跳んで炎を回避した。


「‘はははっ! じゃあな!’」


「わっははーっ!」


「‘なっ……!’」


 炎はなんだったのか。

 呆然とする四人を置き去りにするように、トモナリが少し焼けこげた床を踏み締めて駆け抜ける。


 ヒカリもトモナリと並んで笑いながら飛んでいった。


「‘に、逃げられた……’」


「‘何ボーッとしてんだ! 追いかけるぞ!’」


 炎はヒカリのブレスだった。

 再び遊園地の中に飛び出したトモナリとヒカリを、終末教の覚醒者たちは慌てて追いかける。


「つーぎーはー……アレなのだ!」


 ヒカリが次に遊びに選んだのはジェットコースターだった。


「‘あいつ……!’」


 トモナリとヒカリがジェットコースター乗り場に駆け込む。

 ギリギリ追いつけなかった終末教の覚醒者たちが乗り場に入ってくると、乗り場のゲートが閉じる。


「‘お前ふざけてるのか!’」


「‘なんだよ? 攻略したら大人しく戦ってやるだなんて約束もしてないだろ?’」


 三十代の覚醒者は相当お怒りのようだが、お化け屋敷をクリアした後どうするか別に決めた覚えはない。


「‘ここでは耐久力を試させてもらいまーす!’」


「あっ、さっきの死神なのだ」


 トモナリと三十代の覚醒者が睨み合う状況に現れたのは、お化け屋敷の時に出てきた安い死神であった。


「‘どうもお久しぶりです!’」


 久しぶりというほどのものでもない。


「‘ここでは五人全員に同時に挑戦していただきます! 拒否はできませーん’」


「‘テメェもぶっ殺すぞ!’」


 くだらない試練とやらに付き合ってはいられない。

 三十代の覚醒者はとうとう我慢できなくなった。


 死神に向けて魔法を放つ。

 魔力の塊が放たれて、死神に直撃して爆発する。


「‘ふん、ふざけた見た目しやがって……はっ?’」


「‘いけませんね……’」


 魔法を放った左腕が消えた。

 爆発の煙が晴れた後そこに死神はおらず、三十代の覚醒者の後ろに現れていた。


 トモナリですらいつ移動したのか分からない。


「‘腕が……’」


 ボトンと音がして空から一本の腕が降ってきた。


「‘腕がああああっ!’」


「‘あーあ……’」


 トモナリは思わずため息をついてしまう。

 ゲートにおけるルールは絶対に近いがある。


 人数上限やレベルの制限を破って中に入ることはできないように、ゲートごとのルールに縛られる必要があるのだ。

 このゲートにおいて、死神は一つのルールである。


 トモナリに楯突くならともかく、死神に、つまりはゲートの絶対的ルールに逆らうのはいけない。


「‘一度は許しましょう。ですが二度目はありません’」


 死神は三十代の覚醒者に顔を寄せる。

 早かったのか、それとも瞬間移動的な能力なのか、それすらも分からない。


「‘早く、ジェットコースターに乗ってください’」


「‘くっ……’」


「‘それとも手足切り落とされて、乗せられたいですか?’」


 完全に空気が一変した。

 ふざけたような見た目の死神がただのマスコットではない、と終末教の覚醒者たちは理解した。


「早く乗るのだ〜」


 散々挑発はしたものの、少しだけ可哀想だなと思いながらトモナリはジェットコースターの先頭に乗る。

 ヒカリもトモナリの横に乗った。


 すっかり勢いなくなった終末教の覚醒者たちも乗り込んで、安全バーを下ろす。


「‘ルールは簡単。誰か一人でも意識を保っていられたらクリアでございます。では出発!’」


 可愛らしい音楽が鳴って、ジェットコースターが動き出した。

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