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【第九章完結!】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第九章

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能力比べゲート2

「‘なんだと?’」


「‘このゲートを攻略するためには遊園地のアトラクションをクリアしていく必要がある。各アトラクションはやり始めると、クリアするか、全滅するまで出られないんだ’」


 このゲートは回帰前、能力比べゲートと呼ばれていた。

 見た目から遊園地ゲートとも呼ばれていたが、能力比べゲートの方がどんな内容のゲートなのか分かりやすい。


 能力比べ、と言われてどんなことをするのか。

 ゲートに入った覚醒者同士で能力を競い合うわけではない。


 遊園地の各アトラクションにはそれぞれ試練が設定されている。

 それは覚醒者の特定の能力を大きく必要とし、一定の能力があればクリアできるだろうというものだった。


 今いる洋館のお化け屋敷では素早さが求められる。

 とにかく速ければクリアできる。


 他のところではまた他の能力が求められてしまう。

 そのためにヒーローズギルドでは試練ゲートに入れるレベルギリギリで、各能力が高い覚醒者をそれぞれ揃えて攻略するつもりだったのだ。


「‘俺を倒すのはいいけど……倒した後、自信はあるか?’」


 もうお化け屋敷の試練は始まってしまった。

 誰か一人が試練を始めねばならない。


 失敗したら残る四人の中からまた一人を選ぶ。

 トモナリの言葉に終末教の覚醒者たちに動揺が広がっていく。


「‘そんなお前はどうなんだ?’」


 三十代の覚醒者が半分怒りを滲ませてトモナリのことを睨みつける。


「‘俺か?’」


 状況が同じなのはトモナリも同じだ。

 閉じ込められて、試練をクリアせねばならない。


「‘俺は自信あるからな’」


「ぬふん!」


 トモナリが怪しく笑い、ヒカリもドヤ顔っぽく胸を張る。


「‘お前らはあんまり自信なさそうだな? 俺はここをクリアできる自信がある’」


 元より攻略するつもりなんかなかったのだろう。

 いざ攻略しなければならないと聞いて不安になっているようだ、とトモナリは感じていた。


「‘お決まりになられないようですか? ならば私が決めて差し上げましょうか?’」


「‘うるさい! お前は黙ってろ!’」


 そこらをフワフワと飛んでいる死神に三十代の覚醒者が怒鳴る。


「‘ヒョッヒョッヒョッ……おお、怖い。ですが、こちらも待つのに限度があることをお忘れなく’」


「‘どうやらタイムリミットもあるようだな’」


 このままトモナリに手を出さずに何もしないで時間が経つのを待っても、終末教の目的は達成できるかと思われた。

 しかしそう甘くもない。


 挑戦者を指名せずに何もしないでいると、死神が勝手に挑戦者を決めてしまうようだ。


「‘俺ならクリアできる自信があるぞ’」


「なのだ!」


 仮に攻略しないでここに閉じこもるとしても、きっといつかは食料も尽きてしまう。

 戦うでもなく弱っていって死ぬなんて本望ではない。


「‘どうする……?’」


「‘ゲートを攻略されるのは困る’」


「‘だがここ一つだけなら大丈夫だろ’」


 終末教の覚醒者たちはヒソヒソと相談を始めた。

 攻略はさせたくない。


 だけど攻略してもらわねば命が危ない。

 二十代の女覚醒者と五十代の覚醒者が一つぐらいならいいだろうという派で、二十代の男覚醒者と三十代の覚醒者がたとえ少しでも攻略をさせたくない派のようだ。


 中でも意見が強いのは三十代の覚醒者である。

 四人の中ではリーダー的な存在なのかもしれないとトモナリは観察していた。


「‘俺たちの目的はゲートを攻略させないことだ! 黙ってろ、クソアマが!’」


 ともかく仲良し四人組でないことだけは確かである。


「‘じゃあどうすんのよ! あいつぶっ殺してあんたがここクリアしてくれんの? 失敗したらあんたは死ぬし、私たちも死ぬかもしれないのよ!’」


「‘……それは’」


 攻略しないという選択肢は実際ない。

 もう試練は始まってるので、攻略しなければただ死ぬしかないのだ。


「‘とりあえずここはあいつに攻略させて、その後殺してしまえばいいでしょ!’」


「‘そう……だな’」


 怒った女性の勢いは強い。

 三十代の覚醒者は二十代の女覚醒者の勢いに押されて頷く。


「‘やるならさっさとやれ!’」


「どこまでも上から目線だな……」


 ムカつく態度であるが、とりあえずトモナリが攻略することには同意してくれたようだ。


「それじゃあ、俺がやるよ」


 トモナリは寝転がるような体勢で空中を浮かんでいる死神のことを見る。


「‘ヒョッヒョッヒョッ! よろしい! では奥に!’」


 入り口とは逆側にあった扉が開く。

 トモナリは背中に終末教の覚醒者たちの視線を感じながらも扉の奥に、ヒカリと共に進んでいく。


「‘それでは改めてルールを説明させていただきます!’」


 この死神、トモナリに合わせて日本語だったと思えば、英語になったりと節操がない。

 今はトモナリとヒカリだけなのだから、日本語でもいいのに英語で話している。


「この洋館の中には五十匹の幽霊がいます!」


 また日本語になったとトモナリは苦笑いを浮かべる。


「臆病なものもいれば、いたずら好きなものもいれば、ちょっとだけ好戦的なものもいます! その中から三十五匹を捕まえてください!」


 死神は忙しなく空中を飛び回る。


「制限時間は九十分! 捕まえられなければあなたも幽霊の仲間入り!」


 要するに制限時間内に捕まえられなきゃトモナリも死ぬということだ。

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