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【第八章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第八章

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マコトの進む道1

 かなり怪しい情報提供であった。

 しかし今は他に手掛かりもない。


 トモナリが暗王会の泥棒女から得られた情報をミヤノと覚醒者協会に伝えた。

 なぜトモナリにそんな情報を伝えたのか、謎はある。


 けれども覚醒者協会で調べたところ、暗王会も内部で色々と問題が起きているようなことが分かった。

 いわゆる派閥争いがあるらしい。


 暗王会のトップである暗王の力が弱くなり、暗王会の中では二つの派閥が生まれてしまった。

 一つが過激派。


 今行っている仕事のうち、暗殺などの汚れ仕事を増やしてよりお金と権威を得ていこうとする考えの人たちだ。

 実際のところ、現在の暗王会で暗殺が占める暗殺の割合は大きくない。


 暗王会に依頼して断られたという話もあり、一定のルールの上に暗殺という仕事も引き受けているようだった。

 そのルールを取っ払って、暗殺の依頼を引き受けようとしている。


 対するのは穏健派である。

 暗殺のような危険な行為まで行わなくてもいいという人やこれまで通りのルールに則って仕事を引き受ければいいという人の派閥だ。


 暗殺をしてもいい人からしたくない人まで多少の幅はあるものの、暗殺という仕事を増やすことに反対している点で共通している。

 そこで、なんでマコトなのか。


 そんな疑問はあるものの、マコトの誘拐についても内部の派閥争いに関わる問題から起こった可能性がある。

 マコトの情報を漏らしたのも派閥争いが原因だと考えると、一応の納得もできた。


「マコト!」


「大丈夫なのだ?」


「ト、トモナリ君! ヒカリちゃん!」


 トモナリが得たマコトの情報を精査し、港や船の特定を行った。

 漁港などではなく、個人のボートなどが停泊してあるところで、そのうちの大きめのクルーザーがマコトの監禁場所だった。


 ミヤノが閉ざされた扉を切り裂いて中に飛び込むと、そこにマコトがいた。


「無事でよかった……」


「助けに……来てくれたんだね!」


 部屋の中にはマコトしかいない。

 突然踏み込んできたミヤノたちに驚いた様子だったが、トモナリの姿を見てウルウルと目に涙を浮かべる。


「……どうやら敵はいないようだね」


 周りを警戒していたミヤノは剣を収める。

 ドカドカと覚醒者協会の人たちも入ってきて、感情に浸るような暇もなくマコトは保護された。


 ーーーーー


「……暗王会の暗王……その人がどうやら僕の、本当のお父さんらしいんだ」


 マコトの親もまとめて保護されて、マコトにも何が起きたのか聞き取りが行われた。

 マコトの希望でトモナリも同席することになった。


「ただ、病気らしくて……僕に跡を継げって」


 マコトを誘拐したのは暗王会の過激派だった。

 やはりというべきか、マコトの実の父親は暗王であった。


 どうやら暗王の体調がすぐれないらしい。

 マコトを暗王の後を継がせて暗王会のトップに据えて、過激派が暗王会を牛耳ろうとしているようである。


 覚醒者は自分の子供だからと能力が引き継がれることなんてない。

 しかしマコトは暗王会の一員として活動するのにもふさわしい能力を持っていた。


 暗王の息子という立場に加えて、能力的にふさわしいのなら過激派が支えれば暗王会としての面目は保てる。

 実質的には過激派の操り人形にするつもりだろう。


「勝手に逃げたりしたら父さんと母さんにも手を出すって……」


 今のマコトの能力は決して低くない。

 職業忍者のマコトは素早さと器用さの伸びが良く、トレーニングで力や体力も引き上げてきた。


 全力で抵抗すれば逃げることもできる隙はあった。

 しかし両親に手を出すと脅されて、仕方なく逃げずに従っている状態だったのである。


「でも暴力的なことはなかったよ。ちゃんとご飯とかは与えられてた」


 やろうとしていることは過激であるが、マコトを味方に引き込みたい過激派としては流石に暴力なんかで無理やりとはいかなかったようだ。

 もしかしたら暴力は最終手段で、ギリギリ間に合ったなんてこともあるのかもしれない。


「結局、暗王には会ったのか?」


「ううん、会ってない」


「なかなか面倒な問題だな……」


 今回のことに暗王自身がどれだけ関わっているのか分からない。

 マコトは助け出したものの、暗王会は暗殺まで行うところである。


 マコトはともかく、一般人であるマコトの両親が暗王会に狙われると守るのは難しい。

 だからといって覚醒者協会の保護下で一生過ごすわけにはいかない。


 暗王会の問題が落ち着いてくれるといいのだけど、いつ落ち着くのかも分からない。


「困ったものだな……」


 ミヤノもため息をつく。

 マコトの問題に加えて、仮に過激派が暗王会を掌握してしまうと暗殺が増えることになる。


 それもまた世の中としては問題になってしまう。


「……トモナリ君」


「どうした?」


 深刻そうな顔をして俯いていたマコトがトモナリのことを見る。

 その目には、なんとなく決意のようなものが見て取れる。


「僕……実の父親に、会ってみようと思うんだ」


「実の父親……暗王にか?」


 マコトは頷いて答える。


「実は暗王の居場所は教えてもらってるんだ。僕をどうしたいのか……そしてこれからどうするつもりなのか、話してみようと思う」


 監禁されている最中、穏健派からの接触もあった。

 その過程で暗王についても聞かされた。


 母親は母親であるし、父親も実の父親でなくともマコトにとっては父親に変わりない。

 両親のためにマコトができること、それは暗王に会うことだった。

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