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【第八章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第八章

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向こうからの接触3

「あら……これはめんどくさそうね」


「大人しく捕まれば怪我しなくて済むぜ!」


 サントリが女に襲いかかる。

 たとえ大人しくしていても怪我をしそうな勢いで、炎に包まれた拳を突き出す。


 むしろ大人しくしていたらやられてしまうだろう。


「ぶっ……」


「あなたこそ大人しくいていた方が身のためよ」


 しかし攻撃を受けたのはサントリの方であった。

 女は上半身を逸らして拳をかわし、膝をサントリの顎に叩き込んだ。


「テメェ……!」


 苛立ちを見せたサントリは炎をまとった拳を振り回す。

 女の方は焦ることもなくサントリの拳を軽くかわす。


 泥棒した時もそうだったが、女の素早さの能力値はかなり高そうだ。


「はあっ!」


「うっ!」


 ただトモナリも見ているだけではない。

 剣のルビウスを手に女に斬りかかる。


 女はインベントリから白いナイフを取り出してトモナリの剣を防ぐも、力を受け止めきれずに体が横に押される。


「素早さは高そうだけど、力は低いみたいだな」


 トモナリはステータスが全体的に高く伸びている。

 平均的に伸びるという人も珍しくはないが、何かの能力が突出して高くなり、その分何かが低いという偏りがある人も多くいる。


 女の能力はスピード特化であるとトモナリは見抜いた。

 能力値のうち素早さが高くなる分、力や体力が低くなりがちなことが多い。


 おそらくレベル的にはトモナリよりも上だろうが、力の値だけでみるとトモナリの方が上の可能性が高い。


「厄介ね」


 ただ力に差があるとしても、それを活かせるのは攻撃が当たる時である。

 女はトモナリとサントリの攻撃を回避する。


 当たらなければ攻撃力があっても意味がない。


「速いな!」


 トモナリの素早さだって決して遅くはない。

 加えてサントリまでいるのに女に攻撃は届かない。


「ボーッ!」


 ヒカリがブレスを吐き出し、炎が迫る瞬間に女が加速した。

 一瞬でトモナリとサントリの間を抜けて、女が二人の後ろに駆け抜けた。


 ほとんど反応もできないほどの速さ。

 スキルを使ったのだとトモナリはすぐに気づいた。


 やはりスキルも速度に関するもののようだ


「ふぅーん……あなたの口を封じるつもりだったけど、また気が変わったわ」


 女は目を細めてトモナリのことを見る。


「今のあなたを倒すのも楽じゃなさそう……住所教えてあげたからそれでチャラにしてくれない?」


「盗んだ刀返してくれるか?」


「それは無理。もう手元にないもの」


「………………行け」


「あら、賢明な判断。それじゃあね」


 女の姿がスーッと消えていく。

 まるで景色に溶け込んでいくようで、スキルによるものなのかアーティファクトの効果なのかトモナリは分からなかった。


「よかったのだ?」


「彼女を捕まえるのは難しそうだ……」


 仮に逃げに徹されたらトモナリじゃ追いつけない。

 スピードを活かして攻撃されてもかなり厳しかっただろう。


 それに今はマコトを優先すべきだ。

 勝算がないのに相手に固執して怒らせれば、マコトを別に場所に移したり殺してしまうかもしれない。


 それぞれ良いタイミングでの引き時だった。


「チェッ……蹴られ損か」


「まあ、来てくれて助かったよ」


「今度会ったらタダじゃおかねぇ。それより早く帰ろう。ディーニが怒る」


「そうだな。確かめたいこともあるしな」


 トモナリは女から受け取ったカードを改めて確認する。

 港という文字も見える。


 やっぱりマコトはどこかの船に囚われているのに間違いなさそうであった。

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