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【第八章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第八章

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向こうからの接触2

「情報提供者?」


「そうだよ。誰かが暗王会の仕業だって教えたんだ」


 暗王会の仕業だと教えたのはトモナリである。

 しかしそのことを女は知らなそうなので、あえてかなりぼかしたまま伝える。


「誰がそんなことを?」


「俺がそんなこと知ると思うか? ただ情報提供があったということは聞いたんだ」


 女の顔色が曇る。

 何を考えているのか、トモナリには分かっている。


 暗王会が関わっていることは暗王会しか分からないはずだった。

 それなのにトモナリは暗王会が関わっていることを知っていて、情報提供した人がいるという。


 そう聞いた時に何を疑うか。

 内部の裏切り者を疑う。


 暗王会の誰かが情報を流した。

 そんなふうに思うことだろうと、トモナリは内心でほくそ笑む。


 ただトモナリはただぼかして情報を口にしただけだ。

 情報提供があったことは事実で、それがトモナリによるものであるということを隠しただけだ。


 今、女の内心では誰が情報を流したのか色々な疑いの芽が生まれている。


「さて……こっちは答えたぞ?」


「ふぅ……そうね。約束は守るわ」


 トモナリが深く関わっていることなど知らない女は、ちゃんと話したのだろうと納得してくれた。


「これに場所が書いてある。いつまでそこにいるのか分からないから早く行動することね」


 女は懐から一枚のカードを取り出した。

 ピッとカードを弾いてトモナリに投げ飛ばし、トモナリはカードを受け取る。


 パッと見た感じではどこかの住所が書いてあるようだった。


「ぬー……あっ!」


「ヒカリ?」


「思い出したのだ!」


 ずっと何か考え込んでいるようなヒカリが急に大きな声を出した。


「あのおっぱい見たことあるのだ!」


「…………なに?」


 女が開けた胸を隠す。


「おっぱい……というよりホクロなのだ!」


「ホクロがどうした?」


 女も胸元にはセクシーな二つのホクロがある。

 トモナリは一応それも確認している。


 ただ別にそれで何かを思い出したりしたことはない。


「あいつ泥棒なのだ!」


「泥棒?」


「ぬっ!」


 ヒカリは大きく頷く。


「あれなのだ……ミズキの家で刀盗んだやつなのだ!」


「なんだと?」


「ふふ、僕は見たのだ! あのエッチなホクロ!」


 ヒカリはドヤ顔で胸を張る。

 以前ミズキの家にみんなで泊まったことがある。


 ミズキの祖父であるテッサイはトモナリの師匠である。

 剣術を教えてくれた人であり、元々は神切を狙って近づいた。


 実力を認めてくれて、蔵にあった神切をトモナリにくれたのである。

 しかしトモナリが神切を得た直後に蔵に泥棒が入ってしまう。


 その泥棒と軽い戦いになったのだけど、その時のトモナリの実力では敵わず逃げられてしまったのだった。

 ヒカリは目の前の女がその時の泥棒だと主張する。


 言われてみれば、その時の泥棒が捕まったなんて話は聞いたことがない。


「ホクロが?」


 泥棒は顔を隠していたし大きな特徴もなくて警察に伝えられるようなこともなかった。

 ホクロなんてものあっただろうかとトモナリは眉をひそめる。


「僕は見たのだ。おっぱいのホクロを」


 あの時の戦いでヒカリは泥棒の不意をついて攻撃した。

 かわされてしまったものの、ヒカリの爪は相手の服に引っかかって胸元が破けた。


 その後すぐに逃げられてしまったので、トモナリは何も見なかったけれどもヒカリは確かに見ていた。

 胸元には二つのホクロがあったということを。


「…………それは知らなかったな」


「ちゃんと覚えているのだ! あいつ泥棒なのだ!」


 ヒカリは女のことを指差す。


「……どうやら本当みたいだな」


 胸元のホクロだけで過去に少しだけ会った泥棒だと判断するのは難しいだろう。

 そんなふうに思ったのだけど、女はすごい冷たい顔をしていた。


 静かな怒りのようなものを感じさせる女の顔をみれば、ヒカリの発言が女の気に触ったことは間違いない。

 違うなら先ほどのような余裕の態度でかわせばいい。


 だが、どうやらヒカリは間違っていないようだ。


「…………ちょっとまた気が変わったわ」


 女から殺気のようなものが漏れ出す。


「俺のこと分かってて近づいてきたのか?」


「……あの時のことも確認したくて……ね。覚えていないようならそのまま帰るつもりだったけど、そういうわけにはいかなそうね?」


「いや、帰ってくれてもいいですよ?」


 泥棒だと分かったのは予想外の出来事である。

 ただ顔が分かったというだけであり、名前も分からない。


 ここから女の正体を明らかにするのは簡単なことではない。

 わざわざ確認なんてすることもないだろうにとため息が漏れそうになる。


「よう、トモナリ。何してんだ? ナンパか? それとも逆ナンか?」


 一気に空気が張り詰めて一触即発の雰囲気になってしまった。

 そんな時にまたしても新たな人物が現れる。


「サントリ!」


「ディーニが飯作って待ってるぞ? 冷めちゃうから早く帰ろうぜ」


「ちょっとばかりお客さんを……捕まえたいんだ」


「ほー? なら私も手伝うぜ」


 女の後ろから現れたのはサントリだった。

 トモナリが帰ってくるのが遅いので探しにきたのだ。


「こんな時間にうちのご主人様ナンパするたぁ、肝の座った女だな」


 サントリの手が炎に包まれる。

 一人なら難しいかもしれないが、二人なら女を逃すことなく捕まえられるかもしれない。

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