表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第八章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第八章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

450/463

ちょっと複雑な家庭

「あの子が誘拐される心当たりなんて……」


「いや、そんなものは思い当たらないな……」


「暗王会、なんていうのにも聞き覚えなんて」


 暗王会が誘拐したということを念頭に置いて、マコトの失踪を改めて調べ直していた。

 その過程でマコトの両親に話を聞くことになった。


 本来ならトモナリは関わり合いになれないのだけど、ミヤノがそのまま捜査に関わることになり、ミヤノの補佐として捜査に同行させてもらっている。

 マコトの家庭の話は、トモナリも少しだけ聞いたことがある。


 なんてことはない普通の家庭だと聞いていた。

 一般人の両親で、主婦の母親と会社員の父親の子供として育った。


 気弱で何事にも消極的だった自分を変えたくて覚醒者の道を志す。

 両親はマコトの性格上厳しいかもしれないとは思いつつも、マコトの選択を応援してくれた。


 実際に会ってみても話に聞いていた通りだった。

 マコトに似た可愛いタイプの顔つきをした母親といかにも真面目そうな父親で、話を聞いている最中に父親が母親を励まそうと手を取っている光景が印象的だった。


「いかにも普通のご家庭……暗王会が急に目をつけるようには思えないね」


「やはりどこかでマコトの能力が知れたんでしょうか」


 マコトを仲間に引き入れようとしている以上、能力が目当てであるのだろうと考えた。

 時期が不自然など説明できないこともあるけれど、ヒントが少ないのである程度予想を立てていくしかない。


 何か他の要因がないのなら、マコトの力が暗王会に知られて狙われたと考えるのが今は自然だった。

 ただその場合だってどこから漏れたのか分からない。


 トモナリは交流戦なんかで派手に戦ったが、マコトは違う。

 ステージでの戦いにおいては、目の前で影に潜ってもバレバレなのでスキルは使わない。


「済まないね」


「いえ、こちらこそお話聞かせていただきありがとうございます」


 もうマコトが失踪してだいぶ経っている。

 心労がたたってマコトの母親は具合を悪くしてしまった。


 父親が部屋に送り届けて戻ってきた。


「君は……マコトの同級生だったね。アイゼントモナリ君……マコトから話を聞いたことがあるよ」


「そうですか」


 マコトの父親はトモナリを見て目を細める。

 家族に自分の話をしていたなんて少し照れるな、とトモナリは思う。


「……君なら信頼できそうだ」


「はあ、ありがとうございます」


「……マコトにも言ったことがない話が一つある」


 急にマコトの父親の顔が真剣なものになる。

 何かがある。


 トモナリはそう感じた。


「あの子は……マコトは私の子ではない」


「……えっ?」


 マコトの父親の口から飛び出したのは予想外の話だった。


「マコトは妻の連れ子なのだ。マコトが産まれてすぐぐらいに出会い、一歳になる頃に私が押し切るような形で結婚した。それからマコトは自分の子だと思って育ててきた」


「…………そ、そうなんですか」


 部外者が聞いていい話なのかとトモナリは困惑してしまう。


「マコトが卒業したら話すつもりだった。だが今話したいのはそこじゃない」


「何でしょうか?」


「マコトの実の父親……その人のことはほとんど分からないのだが、実は覚醒者だったらしいんだ」


「覚醒者……」


「妊娠が発覚する前に音信不通になってしまったらしく、妻も話したがりはしない。だが優れたスキルの持ち主である覚醒者だったようだ」


 マコトも知らない家庭事情。

 父親は実の父親ではなく育ての親。


 そして、本当の実の父親は覚醒者だった。


「暗王会……というものに心当たりがないのはウソじゃない。だけどその男にはタトゥーがあったそうだ」


「タトゥー?」


「左腕に、ナイフがクロスしたタトゥーがあったそうだ」


「ナイフが」


「クロスした」


 トモナリとミヤノの頭には暗王会のギルドマークが思い浮かんだ。

 黒い炎の前で短剣がクロスしているのが、暗王会のギルドマークである。


「私から言えることはこれぐらいだ。何か助けになれば嬉しいよ」


「……ありがとうございます。きっと……マコトのことは見つけ出します」


「ああ、頼むよ。あの子はもう、私の息子だからね」


 まだ線にはなっていない。

 しかし線になってしまいそうな点が出てきた。


 もしかしたらマコトは暗王会と関わりがあったのかもしれない。

 そんな可能性が急浮上してきたのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ