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【第八章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第八章

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友を探して2

「一方で殺しなども行いますが、暗王会がやったと見られる殺しの件数はそんなに多くない。相手が目立つので目立っているということはありますが」


 暗王会といえば人殺しも厭わない危険な集団というイメージが先行しがちだ。

 しかし実際暗王会は人殺しばかりしているわけじゃない。


 表に出てこない情報の取引が暗王会の主な仕事なので、そちらの方は表に出にくくて殺人が目立ちがちになる。


「ただこれまでの事例で考えたときに誘拐はないのです……」


 暗王会が人を殺す時のやり方は暗殺だ。

 わざわざ誘拐したりすることはない。


 マコトが暗王会に誘拐されたとしたら、覚醒者協会が把握する事例の中でも初めてで、かなり特殊なことになる。

 これまでになかったことであるために、覚醒者協会としても信じきれないという側面があった。


「ミナミマコトさんが誘拐されたとして……目的も分かりませんし、どこに誘拐されたのか……」


「それについても情報が」


「本当ですか?」


「はい。マコトはどこかの船に囚われてます。なんで誘拐したのかは、あいつらマコトを仲間に引き込むつもりです」


 情報の出し惜しみはしない。

 トモナリはハルカの未来予知で得られた情報を伝える。


「どこかの船……ということはひとまず置いといて、仲間……ですか?」


「おそらく、マコトの能力が暗王会にとって都合がいいのだと思います」


 影に潜むマコトの能力は隠密活動にうってつけ。

 実際に回帰前はマコトも暗王会に所属して、トップまであと一歩のところにいた。


 何も知らない人にとっては仲間に引き込もうとしていると聞いても理解は難しいかもしれないが、トモナリにとっては理解ができる話だった。

 こんな強制的な勧誘だとは知らなかったものの、どこかでマコトが暗王会に関わるかもしれない可能性は考えていた。


「ではつまり、ミナミマコトさんを暗王会に引き入れるために誘拐をした……と?」


「そうです」


「誘拐なんて手段をとったこともそうですし、こんなタイミングでマコトを誘拐したことも含めて……暗王会の中で何かの動きがあったのかもしれません」


 いまだに分からないことは多い。

 マコトが必要だとしても今である必要性がない。


 今誘拐するから騒ぎになっているというところはどうしてもある。

 マコトはアカデミーの生徒であり、研修から帰る途中だった。


 そんな状態で誘拐すれば、探されることは確実だ。

 もう少し待てばアカデミーを卒業となる。


 それでも騒ぎになるだろうが、今よりも注目度は低くなる。

 今焦って誘拐した理由が何かあるのかもしれない。


「……確かにその可能性はありますね」


「もしかしたら……暗王に何かあったのかもしれません」


 暗王会のトップは言うまでもなく暗王だ。

 ギルドであった当時とは人が違うので、ただ暗王という呼称しか知られていない。


 だが回帰前に起きた出来事として暗王の世代交代があった。

 マコトがそれに敗れて無くなったのはもっと後のことだが、表沙汰になったのがその時というだけである可能性は否定できない。


 もうすでに今の暗王に何かが起きているかもしれないとトモナリは考えた。


「そうか……そういえば……」


 今は暗王会という名前を知らない人も多い。

 だがこれから暗王会は多くの暗殺を遂げて、より危険な組織として注目されていく。

 

 暗殺の仕事の割合が増えていくことになるのだ。

 暗王に何かが起きて、暗王会の中で変化が起こった。


 そう考えるとなんとなく合点がいく。


「覚醒者協会では暗王会について何か把握していないのかい?」


「危険な組織として注目はしています。調査もしているのですが、なかなか尻尾を掴ませない連中でして……」


「先ほどアイゼン君が言っていた船というところに情報は?」


「……今手元には。何かないか調べてみます」


「今日のところはこれぐらいか」


 ミヤノも険しい顔をする。

 まだ確実なことはなく仮定な話であるけれど、暗王会について分からないことが多すぎる。


「僕の方でも調べてみよう。友達のことは気を落とさずに。本当に誘拐だとしたらまだ生きてるだろうしね」


「……はい。ありがとうございます」


 とりあえず覚醒者協会が暗王会に目を向けてくれることは間違いない。

 いまだにマコトの影は見えてこないが、焦らず前に進むしかない。


「……待ってろよ、マコト」

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