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【第六章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第八章

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誘拐された暗王候補1

「マコトが失踪?」


「ああ、捜索届出されて、今警察と覚醒者協会が探してるらしい」


 研修も終わりを迎えた。

 お世話になったところとか、興味を持ったところを巡ってギルドで活動するということを学んだ。


 アカデミーを卒業してもすぐにギルドに所属して活動していける下地ができたことになる。

 だからアカデミーを出た覚醒者はありがたがれる側面があった。


 研修が終わって、あとは本格的に卒業に向かっていくのみになった。

 トモナリを含め、クラスメイトたちもアカデミーに戻ってきている。


 ただ一部の生徒は帰ってきていない。

 それは研修先の都合だったり移動の都合だったりする。


 ゲートが発生したために小規模のギルドで急遽手伝うことになったとか、あるいはモンスターのせいで交通機関が動かないとかそんな理由があって戻るのが遅れる人が出るのは毎年のことだ。

 だがそんな遅れている生徒の中で一人、明らかにトラブルに巻き込まれている人がいるらしい。


「何があったんだ?」


「細かい話は俺も知らないけど……最後の研修終わってから一度家に立ち寄る予定だったらしい。だけど家に帰ってこず、アカデミーにもいないし、最後の研修先にもいない。ということで家からアカデミーにアカデミーに連絡あって捜索届出されたらしい」


「マコトが失踪……な」


 教室でユウトから聞かされたのは驚きの話だった。

 ユウトをはじめとしていつものメンバーは揃っていたのだけど、マコトだけまだ来ていなかった。


 どうしたのだろうと思っていたら、失踪したと聞かされたのである。


「何があったんだろうな?」


 ユウトは小難しい顔をする。


「どっか家出するようなやつじゃないしな」


 マコトは良い子だ。

 トモナリが知る中でもトップクラスに性格のいい友人である。


 何かあったとして急に失踪する人ではない。


「タイミング的にも家出って感じじゃないしな」


 ユウトの話によると、最後の研修先を出た後に失踪した。

 研究が嫌で逃げ出すという人はたまにいるものの、研修が終わった後なら逃げ出す理由はない。


 家に帰る予定があったはずなのに、帰っていないというのもまたおかしい。


「誘拐……? まさかな〜」


「マコト君って別に普通の家の子なんでしょ? 誘拐してどうするの?」


 会話にミズキが入ってきた。

 今はヒカリが久々にクラスのみんなと会うために、教祖かってレベルでお菓子を献上されていて握手会のようになっている。


 ミズキも研修先の地方で買ってきたお土産をヒカリに献上してお腹を触らせてもらっていた。

 今はミヒャルも出ていて、ものすごく自然に第二の教祖になっている。


 ドラゴン二倍でみんなもなんだか嬉しさ二倍である。


「ああ、そもそも誘拐するような金持ちなんて、フクロウ先輩ぐらいだろ」


 仮に失踪が誘拐されたものだとすると、その目的は何だろうか。

 マコトは一般的な家庭の出である。


 カエデのように家が裕福であるなら、お金目的だろうということが簡単に推測できる。

 だがマコトを誘拐しても、マコトの家から引き出せるお金など高が知れている。


 まだ卒業もしていないマコトではお金も持っていない。


「本当に自分で失踪したなら見つけるのは大変そうですね」


「あっ、ありがとう」


 コウがみんなにお土産のお菓子を配る。

 色々なところにみんな行くので、色々なところのお菓子が集まる。


 これもまた研修の醍醐味だったりするのだ。


「マコト君のスキル、隠れるためのものですもんね」


 マコトのインザシャドウは影に隠れるスキルである。

 最初こそスキルに不慣れで、魔力も少なかったために活かしにくい感じがあった。


 だが今となっては隠密行動の能力は特進クラスでもずば抜けている。

 トモナリだって今のマコトが本気で隠れたら、見つけ出すのは難しいだろう。


「……もしかして悪いことさせるつもりかな?」


 誘拐されたという前提に立って会話を進める。

 お金が目的ではないとしたら何が目的だろうかと考えてみる。


 ミズキはマコトの隠密能力に目をつけた。

 隠れて何かをやるならマコトが一番。


 誘拐して悪いことをやらせようとしているのではないかと考えたのだ。


「……確かにあり得なくはないな」


 特殊な能力を持つ覚醒者に何かをやらせる場合、普通ならお金を出して雇う。

 だがお金さえ払えばなんでもやってくれるという人ばかりではない。


 意中の人に断られた場合なら代わりの人を探すが、代わりになるような人がいなければ諦めるしかない。

 だがどうしても諦められない時に強硬な手段に出ることもある。


 しつこく付き纏うだけならまだいい。

 脅迫したり、あるいは無理やり力で従わせることも時にはあるものだ。


 回帰前の荒れた時だけじゃなく、今の段階でもそんな手段が用いられることはないとは言い難い。

 マコトの能力を活かして何かをやらせるために誘拐した。


 ミズキは軽く口にしたけれど、あり得ない冗談話と切り捨てられないものだった。


「マコト君……だいじょぶかな?」


 サーシャもコウから受け取ったお菓子を食べながら心配そうな顔をしている。


「分からない。でも捜索届出てるなら探してもらってるはずだ」


「見つかるといいね……」


 せっかく久々の再会だというのに、少し暗くなってしまった。

 マコトについて出来ることはトモナリたちにはない。


 事件になっている以上先生たちから話があるかも分からないので、マコトが無事にアカデミーに来てくれるのを待つしかないのであった。


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