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【第六章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第八章

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偽物の未来予知暗躍者トモナリ

「四十八個中四十個……順調だな」


 現在のところ世界に出現した試練ゲートは四十八個。

 出現のペースとしてはかなり緩やかであり、最初こそ攻略しなきゃ世界が滅ぶと焦っていた人類も試練ゲートがゆっくり増えていくためにあまり焦りを覚えなくなった。


 トモナリがいくつか攻略したものもある。

 回帰前の記憶よりも今の段階で攻略された試練ゲートの数は多い。


 それはトモナリが攻略したというものもあるし、情報を流したからというものもある。

 これから五十番代の試練ゲートが出始めると試練ゲートの出現は加速していく。


 五十番代はまだ分かりにくいが、六十番代になると目に見えて早くなっていく。

 そうなる前に人類の余裕が欲しい。


 世界樹もそうした余裕づくりの一つだ。


「理想は出てるゲート全攻略なんだけどな」


 どうすれば余裕ができるかを考えた時に、やはり今まだ攻略されていない試練ゲートが攻略されてしまうことだろう。

 ただ今も残っている試練ゲートが攻略されていないのにも理由がある。


 しかしトモナリはいくつか記憶に残る情報があった。

 今攻略されていないゲートは、回帰前でも同じように長いこと残っていた。


 そのために攻略されたゲートよりも注目度が高く、情報が出回っていたのだ。


「アメリカの十九番目のゲートは……」


 情報があってもどうしようもないことが一つある。

 そもそもゲートを攻略できない。


 それは様々な要因による。

 一番大きな要因は強さだ。


 ステータスは個人情報である。

 必要ならば開示することもあるが、基本的には人に見せず、スキルは知らない人には絶対に見せない。


 そのために覚醒者の能力を見る時に重要視されるのがレベルだ。

 トモナリのレベルは五十代後半まで伸びた。


 決して低くはないのだけど、高いともいえない。

 レベル五十代でまだ学生の身分だと試練ゲートに参加させてもらうのにも大きなハードルがある。


「モンスターの弱点が……」


 強さが十分だとしても、他にも問題は山積している。

 そもそも日本にゲートがないということもある。


 現在残っているゲートのうち七つは、日本ではない外国にある。

 日本国内にいて、日本にある試練ゲートに参加することも簡単ではない。


 それなのに外国にあるゲートに参加することなんてトモナリにはほぼ不可能と言っていい。

 普通はよほど切羽詰まらない限りは、試練ゲートも外国のギルドに開放しないこともほとんどだ。


 よほどの名声と実力、それにお金やコネでもあるなら話は違う。

 トモナリにはどれもないので、外国の試練ゲート攻略は今のところ諦めざるを得ない。


 だが諦めるのはトモナリが直接攻略することであって、ゲートそのものの攻略を諦めるつもりはなかった。


「そのために氷が得意な覚醒者を集めれば、攻略の可能性を上げられる……っと」


 ここまでトモナリは信頼を築いてきた。

 日本の覚醒者協会に情報を流して、出来るうる限り事件を防いで、ゲートの攻略を促してきた。


 おかげで日本に残る試練ゲートは一つだけとなっていた。

 そしてトモナリは次なる手として、外国の試練ゲートにも手を伸ばしている。


 慎重にはなっていたつもりでも、トモナリが未来予知を称してネットに現れていたことはバレていた。

 優秀な覚醒者を確保するためなら手段を選ばないような国もある。


 だから外国のゲートに関して言及することは避けていたが、築いた信頼を使って日本の覚醒者協会をフィルターにして情報を流すことにしたのだ。

 研修が終わった後の時間や研修と研修の間の時間を使い、回帰前の記憶を引っ張り出し、攻略に役立ちそうな情報を流す。


 バレにくいように日本の覚醒者協会が矢面に立ち、尚且つ流し方もバレないように偽装してくれる。

 目標としては五十番のゲートが出る前に、未攻略試練ゲートが三つ以下になることだ。


「送信!」


 トモナリはアカデミーの寮で、また一つゲートの攻略情報を覚醒者協会に送りつけた。

 相手がうまく情報を生かしてくれたら攻略もできるはずだと一息つく。


「終わったのだ?」


 トモナリが集中しているので、テレビでドラマを見ていたヒカリがベッとトモナリの頭にしがみつく。

 最近忙しそうにしていて構ってくれないからちょっとだけ拗ねた顔をしている。


「ああ、一通り送ったから……あとはこっちのヒントを活かす側次第だな」


「じゃーあー、僕のこと撫でて欲しいのだ。大人しくしてたのだ!」


「ふふ、そうだな。ほら」


 トモナリはヒカリを抱きかかえると頭をゆっくりと撫でる。


「むふふ……トモナリの手は優しいのだ」


 ヒカリはニコニコと笑顔を浮かべる。

 これから試練ゲートも加速するけど、トモナリの計画も加速していく。


 だがたまにはこんな時間も悪くない。

 そう思って、トモナリものんびりとヒカリを全身撫で回すのであった。

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