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【第六章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第八章

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植物の王3

「よーし……いったな」


 迂回するだけじゃない。

 モンスターの出現位置や向き、動いている方向などを考えて、時には体勢を低くして息をひそめることもある。


 かくれんぼ、あるいはスパイごっこでもしているかのようだ。

 モンスターを待ち伏せしたり、回避したりすることはあるので、こうしたこともないとは言い切れない。


 ただ上手くバレないように行動せねばならないのは、やはりいつものゲート攻略とはかなり毛色が違う。

 これはこれで面白くはあった。


「白い花発見!」


「採取だ!」


 そうしてゲートの奥まで進んできた。

 地面に可愛らしい白い小さな花が咲いている。


 普通に攻略していたら気にも留めないような花であるが、これが今回の目的だった。


「アイゼン君は周りの警戒をお願いするよ」


「分かりました」


 いつモンスターが襲ってくるかはわからない。

 トモナリは周りを警戒しつつも、何をしてるのかもチラチラと確認する。


 まずは写真の撮影。

 それにスケッチで花の様子を記録する人もいる。


 大まかな特徴を捉えたえんぴつで描かれる絵があっという間に出来上がる。

 さらには気温や湿度の測定など、花が生えている環境についても記録を取っていく。


 そんな作業を一通り終えて、小さいシャベルなんかを取り出して土を掘る。

 丁寧に土をどけて、花を地面から取り出す。


 一人の覚醒者がインベントリから出したのは鉢植えで、環境が違わないように地面の土を入れてそっと花を移し替える。

 さらに鉢植えをガラスのケースの中に入れて、インベントリにしまう。


 ここまでで一つの採取作業である。


「一つ確保です」


「サンプルは……三つほどあればいいか。余裕があるなら五つほど持って帰ろう」


 一つ花を採って終わりではない。

 対象となる花は多ければ多いだけ調べられることも多くなる。


 同じく丁寧に鉢植えに移し替えたものもあれば、引っこ抜くなんてことをしたものもある。

 採取の仕方によって違いが出るかどうかもまた一つの調査となっている。


 花だけ切ったり、ビーカーに入れたり、そのままインベントリに入れたりと採取する方法も変えて花のサンプルを増やしていく。


「もう一つぐらいあれば……」


「モンスターです!」


 五つとか言っていたのに結構な数を採取した。

 ふと空を見ると飛んでいるカマキリがいた。


 見つけないでくれとトモナリは思っていたのだけど、カマキリに見つかってしまった。


「チッ……」


 ゲートの等級からしてカマキリはそんなに強くないだろう。

 見つかった以上は逃げるよりも戦った方がいい。


 トモナリはルビウスの剣を腰から抜く。


「待て待て! ここは俺に任せろ!」


 トモナリを止めて、キザキが前に出る。

 インベントリから取り出したのは何かの小さいタネ。


「少し大人しくしててくれよ!」


 キザキはタネを握り締め、振り下ろされたカマキリのカマをかわす。

 そして地面にタネを撒いた。


「おぉ〜」


 すると一瞬でタネが発芽して、草が伸びる。

 瞬く間に成長した草はカマキリの体に巻き付いていく。


 カマの先まで草が巻き付いて、カマキリは身動きが取れなくなる。


「すごいのだ!」


 なかなか面白い戦い方である。

 相手を傷つけずに拘束してしまった。


「長くは持たない。早く採取して逃げるぞ」


 慌てて花を地面から掘り出して鉢に移してインベントリにしまう。


「チッ……集まってきたか」


 他のカマキリも迫ってきていた。


「ホッ!」


 キザキがまたインベントリからタネを取り出して、デコピンでもするように中指で弾いて飛ばす。

 カマキリの胸にタネが飛んでいき、またしても一瞬で伸びた草がカマキリを拘束した。


「走り抜けるぞ!」


 草で動けなくなったカマキリの横を通り抜ける。


「わははーっ! にーげるのだー!」


 そのままトモナリたちは草原を走ってゲートから脱出した。


「はぁっ……いや、この年で走るのはなかなか辛いな」


「毎回こんなんなんですか?」


「まあ、モンスターに見つからないというのも難しいからな」


 キザキは笑う。

 他の人も笑っていて、普段からこんな感じのようである。


 ドルイドの能力も見られたしなかなか楽しかったものであるとトモナリも笑ってしまったのだった。

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