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【第六章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第八章

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植物の王2

「うーん……二個! 二個選んでいいよ!」

 

 箱の中にはぎっしりとケーキが詰められている。

 悩むヒカリに、女性覚醒者は指を二本立てる。


「ふっ、仲良くもなれそうだな」


「どこでもヒカリは人気者ですからね」


「それにしても……わざわざシゲモリから連絡が来るとはな。珍しいこともあるものだ」


 粗相のないようにと念押しするような連絡など普通はしない。

 よほどシゲモリはトモナリのことが気に入ったのだろう、とキザキは思った。


 人当たりが良く、柔らかい印象のあるシゲモリだが、人のことはよく見ている。

 分け隔ては少ないが、わざわざ連絡を入れるほど人を気にいることは珍しい。


 少なくともシゲモリもヒカリのことは好きそうだと見ていてキザキは感じる。


「今回のゲートはそんなに難しいものではない。モンスターとの戦闘もないか……あっても一、二回程度だろう。我々が君のことを守るから心配はしなくていいとも」


 見た目と話し方にギャップがあって面白いなとトモナリは思った。

 しかし、ギャップがあるというだけで人としてはかなり良い人そうである。


 これも何となく予想はできていた。

 トップが嫌なやつなのに、組織の人が明るく良い人が多いというのも難しい。


 組織が明るく運用されているのはトップたる人が明るいとか、懐の深い人なのだと予想していた。

 キザキは明るくて懐も深そう。


 一人で先にゲートに向かうことから真面目だし、率先して仕事にも取り組んでいるのだろう。

 世界樹を任せるのに良さそう、というのが今の所トモナリが抱いた印象だ。


「夜はラーメンにしよう。近くに美味いところがあるらしい。経費で落ちるからみんなで行くつもりだが、君も行くだろ?」


「あっ、ご一緒させていただきます」


「ああ、若いんだから好きな食べるといい。餃子もチャーハンもな」


「うまうまなのだ」


「可愛いですね、ヒカリちゃん!」


 晩ごはん前だけどヒカリはケーキを食べる。

 口の端にクリームをつけている様もまた可愛いのであった。


 ーーーーー


『ダンジョン階数:一階

 ダンジョン難易度:Eクラス

 最大入場数:15人

 入場条件:レベル88以下22以上

 攻略条件:全てのモンスターを倒せ』


「まあ、平均的なゲートってところだな」


 ラーメンをお腹いっぱい食べて、ホテルの部屋でしっかり睡眠をとった。

 次の日の朝、レンタカーでゲートに向かった。


 町郊外にある墓地の裏にゲートはある。

 近づいてゲートの情報を確認してみるも、情報で特出するようなこともない至って普通のゲートである。


 難易度がEなら今のトモナリでも難しくない。

 非常にリスク的にも低いゲートだ。


 入場数である十五人も入れれば十分。

 レベルだって、引っかかる人の方が少ないだろう。


「それじゃあ入るぞ。難易度は低いが、警戒は怠るなよ」


 ホテルで会った時には軽装だったみんなも、今はちゃんと装備を身につけている。

 トモナリもエドの鎧を身につけて、ゲートの中に入っていく。


「いい天気なのだぁ〜」


 ゲートの中は草原だった。

 見上げると太陽のようなものがあり、心地よい暖かさをじんわりと感じる。


 時に風が吹いてほんのりとした涼しさが、熱くなりすぎないように体を冷ましてくれる。

 環境だけをみるとすごく良いところだった。


「目的の花はゲートのもう少し奥だ。モンスターに気づかれないように移動するぞ」


 本来攻略する人のためにモンスターはできるだけ倒さない。

 実際に倒したところで、死体を燃やしたりインベントリに入れて持って帰ってしまえば証明は難しい。


 少しぐらいなら倒したって気づくことはできないだろう。

 流石に攻略寸前までモンスターを狩り尽くせば気づかれるだろうが、元々モンスターが少なかったと主張されては反論もできないのである。


 こうして感じもなく採取を任せてもらえるのは、ひとえに信頼があるから。

 攻略をする予定の覚醒者たちは何回かこうして植物に関しての情報をくれているところで、モンスターを倒さず採取だけしていくところであると信頼関係があった。


「あーっと……向こうにモンスターがいますね」


 こちらに戦う意思がなくともモンスターには関係ない。

 そうなると戦わないようにするためには、可能な限りモンスターとの接触を避けるしかない。


 今回は草原で視界が開けている。

 モンスターを見つけることも簡単だが、モンスター側からもトモナリたちはすぐに見つかってしまう。


 大事なのは慎重に動いて、先にモンスターを見つけることである。

 双眼鏡を使って遠くを警戒している覚醒者がモンスターを見つけた。


 ここに出てくるのは大きなカマキリのようなモンスターだ。

 緑色の大きなカマキリが闊歩していれば、割と見つけやすい。


「迂回して進むぞ」


 もちろん戦うという選択はしない。

 カマキリにバレないように離れたところ進む。


 視力に優れているなら見つかったのかもしれないが、カマキリはさほど感覚が敏感ではないようでトモナリたちは見つかっていない。

 所詮はEクラスゲートのモンスターということなのだ。

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