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【第六章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第八章

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意外と楽しい研修2

「意外とこうしてるのも悪くないですね」


「君は植物が好きなんだね」


「そうかもしれません」


 せっせと植物の世話をするのも悪くない。

 状態を確認し、水や肥料をあげてとちょっとまったりとしたお仕事だけども、存外そんなのも良いものだとトモナリは感じた。


 回帰前はひ弱で人生における視野も狭かった。

 そして今はやらねばならないことも多い。


 だが、もし仮にこんな人生もあるのだとしたら、それもまたあり得る選択肢だと感じられる。


「まあ、君のような子が本気でここを選んでくれるとは思っていないけど、何か大変なことでもあったらここに来るといい」


「ヒロタさん……」


「僕も昔、植物園にお世話になったことがある緑に囲まれると心が軽くなるものさ」


 ヒロタはトモナリの顔を見て優しい笑顔を浮かべる。


「植物園代わりなんて言うと、怒る人もいるかもしれない。けどそれでもいいと思うんだ。君とはこうして縁ができたしね」


 ヒロタと二人で白いビニールの袋に入ったモンスター肥料を持ってくる。

 ヒロタの指示に従って植物たちに肥料を与える。


「ここは血生臭さとは遠い場所だ。植物だって、植物の効能や果実なんの利用だけじゃなくて、植物としてあるだけで周りを癒してくれる力がある」


「そうですね。なんだかここにいると気分が落ち着きます」


「これから君も大変だろう。だからこんな場所もあるってこと覚えておいてくれ」


「覚えときます」


 まだあまり他の研究者に会ったことはないけれど、ヒロタは先輩としても良い人だ。


「この作業が終わったら食堂に行こうか。福利厚生の一環だし……ここで採れたものも利用してるんだ」


「へぇ〜」


「まだ案内はしてないけどここから少し行ったところで果樹も栽培してるんだ。他にもあそこ。あの植物は加熱するとスパイシーな香りがする」


 もちろん植物の中には食べられるものもある。

 薬や何かの素材としての利用だけでなく、これからの時代に役立つ新たな食材発見もまた研究の一つである。


 そしてそんな植物を使った料理を研究所の食堂では出している。

 安く食べられる福利厚生でもありながら、実際に自分で食べて味や安全性を確かめられる。


「お昼を食べたらそっちの果樹園の方に行ってみようか。そして……明日には所長が帰ってくる予定だよ。明日の午前に挨拶に行こう。それからはどうなるかな?」


 ヒロタがスマホでスケジュールを確認しながら今後について軽く説明してくれる。

 研修でやることはやや流動的である。


 ゲートなんかは出てほしい時に出てほしい場所に出てくるわけじゃない。

 攻略だって予定通りにいかないこともあるし、どうしても研修よりも優先されてしまうものはある。


 トモナリは本来研究所の植物の採取なんかを行う覚醒者チームで研修する予定だった。

 もちろん研究者としてのところも見学はするが、こんなふうにガッツリ水や肥料をあげる予定ではなかったのだ。


 結果的にトモナリとしてはよかったのだけど、覚醒者チームが戻ってきた後にどうなるのかはヒロタも分からない。


「所長に挨拶に行った時に聞けると思うよ。それじゃあ今日の植物の様子をレポートに書いて、お昼だね。トモナリ君とヒカリ君のおかげで今日はだいぶ早く終わったよ」


 最後に異常などがなかったかなど書いて保存しておく。

 トラブルなんかが起きた時に日々のレポートが大事になることもある。


「今日は僕が奢る。若いんだからたくさん食べるといい」


「お世話になりますなのだ!」


「お肉っぽい味をした植物もあるんだよ。他には無いメニューも満載だから楽しむといいと思うよ」


「ゴチになります」


「変な遠慮がなくてよろしい!」


 ヒロタはニコニコと笑顔を浮かべている。

 目的あって選んだ研修だけど、これがなかなか良かったものだった。

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― 新着の感想 ―
出たー!肉味の植物! 出てくるかな?と、期待してました(笑) そういえば『ソーセージの木』の実は、ソーセージどころか肉系の味がしないそうです(ガッカリ) 天国(エデンの園)に生えてる植物ヒツジ『バ…
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