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【第六章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第八章

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ボーンドラゴン6

ボーンドラゴン6

「くっ……放せ……うわっ!?」


 尻尾はガッチリとトモナリのことを捕まえる。

 抜け出そうにも抜け出せず焦ったトモナリのことを、ボーンドラゴンは引き寄せた。


 鼻先がつきそうなほどにボーンドラゴンはトモナリに顔を寄せる。

 食べられるか、超近距離でブレスでも放たれるのかとトモナリは備える。


「えっ! ちょっ……何を……」


 ドラゴンズコネクトを使って、エドスタイルになっても耐えられるかどうか分からない。

 しかし予想していた攻撃は来なかった。


 ボーンドラゴンはトモナリを胸に近づけた。

 青く光るボーンドラゴンの心臓部に体が近付いていく。


 胸に光る青いものは、おそらくボーンドラゴンのコアのようなものなのはトモナリにも分かっている。

 なぜ弱点ともなる胸に自分を近づけるのかとトモナリは困惑する。


 ただ無駄な行動など取ることはない。


「アイゼン君を助け出すんだ!」


 周りではテルヨシを始めとしてトモナリを助けようと攻勢を強めている。

 けれどもトモナリがいるということで派手な魔法は使えないし、ボーンドラゴンは抵抗するようにブレスを放ってなかなか近づくこともできない。


「何が目的なんだ!」


 トモナリはボーンドラゴンの胸に抱かれるような状態のまま、戦いのど真ん中で見ていることしかできない。


「ヒカリ、なんとかできないか?」


 ドラゴンズコネクトを使って火力を上げて脱出したいところだけど、そうもいかない事情がある。

 ヒカリはトモナリにピタリとくっついている。


「うーん……」


「どうかしたのか? なんだかおかしいぞ?」


 いつもなら積極的に戦って、トモナリが止めるぐらいの感じだ。

 しかし今日はやたらとトモナリにひっついて、戦いに対するやる気というものが感じられない。


「なんだか……とっても寂しいのだ」


「寂しい?」


「分からないけど、寂しくて……トモナリにくっついていたいのだ」


 ヒカリはちょっと泣きそうな顔をしてトモナリの胸に顔をうずめる。

 それは別にいいのだけど、本当にどうしてしまったのか。



「……まさか?」


 トモナリはボーンドラゴンを見上げる。

 ボーンドラゴンはおそらくドラゴンの骨だろう。


 つまりは元はドラゴンであるということだ。

 ヒカリもドラゴンである。


 ドラゴン同士でしか分からないような何かがあるのかもしれない。


「ボーンドラゴンの感情……? いや、まさかな」


 骨になっているならもう死んでいるということだ。

 死んでいるモンスターに感情なんてないはずである。


「ひとまずここから抜け出さないと……おっ?」


 どうにかして尻尾から逃れないとみんなも全力で攻撃できない。

 ひとまずドラゴンズコネクトでエドスタイルになって脱出を試みようと思った瞬間、尻尾が大きく動いた。


 尻尾が大きく振られて、トモナリはてっきり投げ捨てられるのかと思って体に力を込めた。


「えっ! うわああああっ!?」


 だがスピードが乗ったところでもボーンドラゴンはトモナリを放さなかった。

 ただボーンドラゴンはトモナリを放り投げた。


 尻尾がトモナリを放したのは、尻尾を振り切ったタイミング。

 投げ飛ばされたトモナリはボーンドラゴンの胸に飛んでいく。


 そして、破壊された骨の隙間から胸の中、ボーンドラゴンの青い光に吸い込まれていったのだった。

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