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【第六章完結】ラスボスドラゴンを育てて世界を救います!〜世界の終わりに聞いたのは寂しがり屋の邪竜の声でした  作者: 犬型大
第八章

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ボーンドラゴン1

 自然っぽく見える洞窟の中に、不自然に下に続く階段がある。

 階段を降りていく。


 するとふとした瞬間に空気がわずかに変わった。

 肌に感じる魔力が強くなり、気温がグッと下がった。


 一階から二階の境目を通ったのだろう。


「……広くなったな」


 階段が終わり、下まで来ると広めの部屋に出た。

 少し洞窟の雰囲気も変わった。


 これまでは特徴もないようなただの洞窟だったが、二階は天井がグッと高くなり、鍾乳洞のように岩のつららが垂れている。

 相変わらず洞窟としてはちゃんと明るさがあって活動は難しくない。


「第一チームはあっちに向かったみたいだな」


 傲慢でも攻略の基礎はちゃんとしている。

 一階と同じように複数の道があって、そのうちの一つに印がつけてある。


 第一チームがそちらに向かったということだ。

 攻略のルールを守っているというよりも、曲解するとついてくるなということなのかもしれない。


「僕たちは他の方に向かおうか」


 わざわざ印をつけてくれているのだから同じところに行く必要はない。

 第三チームは第一チームが入った道とは離れところに入っていく。


「トラのスケルトンです!」


「……なんだか少し様子が違いますね」


 進んでいくとモンスターが現れた。

 一階に現れたのと同じくトラスケルトンだったが、その様子は一階と異なっている。


「黒いのだ」


「黒いな」


 一階のスケルトンはどれも骨が真っ白だった。

 しかし今目の前にいるトラスケルトンの骨は黒ずんでいる。


 全体的に黒くなったトラスケルトンは体勢を低くして、今にも襲い掛かろうとしている。

 声は出していないはずなのに、唸り声が聞こえてくるようだ。


「来るぞ!」


「速い!」


 筋肉が無くとも骨だけでしなやかさを感じさせ、トラスケルトンは前に出たタンクに襲いかかった。


「なっ!?」


「大丈夫か!」


 一階のトラスケルトンはしっかりと押さえたタンクが、二階の黒トラスケルトンの飛びかかりに耐え切れず押し倒されてしまう。


「そこから退け!」


 テルヨシがメイスを振って氷の塊を飛ばす。


「怪我はないか!」


「大丈夫です! 助かりました!」


 黒トラスケルトンはタンクの上から飛び退いて氷の塊をかわした。

 押し倒されたタンクは盾を挟んでいたから何とか大きな怪我をすることはなく済んだ。


「一階よりも明らかに強いぞ!」


 黒くなったせいなのか、白い骨のスケルトンより明らかに強い。

 第三チームのみんなの顔も一つ真剣なものになる。


「二度も負けるかよ!」


 黒トラスケルトンが再び飛びかかり、タンクは体に力を込めて受け止める。

 少し後ろに押されたものの、今度は倒されることもなく防ぎ切ることができた。


「オラっ!」


 タンクはさらに腰を落とし、盾で掬い上げるにして黒トラスケルトンを跳ね上げた。

 浮いた黒トラスケルトンに魔法が次々と当たって吹き飛んでいく。


「やや丈夫にもなっているな」


 黒トラスケルトンは魔法にも少し耐えてみせた。

 最終的には魔法に負けてバラバラにされてしまったものの、耐久度としても強化されている。


「……現在のところ問題は大きくないな」


 テルヨシはバラバラになった黒トラスケルトンの写真を撮りながら状況判断を下す。

 流石にAクラスゲートの単独攻略は難しいものの、第三チーム単独でBクラスゲートに挑めるぐらいの力はある。


 黒くなって多少は強くなったとはいっても、まだ余裕がなくなるほどではなかった。

 そのまま攻略は継続する判断を下す。


 ただ相手が強くなったのでトモナリは本格的にサポートに徹することになってしまった。


「タオルなのだ〜」


「ひゃああ、ありがとうございます!」


 汗や汚れを拭くタオル、水分補給の水などの細かな気配りは忘れない。

 一回戦うごとにもしっかりと怪我や体の具合を確かめておく。


 トモナリはものを用意して、渡すのはヒカリに任せる。

 この形が一番評判がいいのだった。


 ヒカリにタオルを渡された女性覚醒者は頬を赤らめて嬉しそうな顔をする。

 短い間しか天照ギルドにいないのに、ヒカリはすっかりみんなのアイドルになっている。


「頑張るのだ!」


「はぅわっ!? が、頑張ります!」


 ヒカリが軽くウインクしてやると女性覚醒者は胸を押さえて悶える。

 軽いサービスで喜んでもらえるのだから、ヒカリの方もこなれてきた感じがある。


 二階の鍾乳洞の中は意外と複雑な作りをしていた。

 どの道を進んだか分かりやすいように印をつけながら移動していたのだけど、気づいたら印をつけたところに戻ってきたりとグルグルしてしまうような作りをしているようだった。


 一応マッピングもしているので、同じ道を巡って回ることはない。

 少しずつでも前には進んでいた。


「あぁ……くそっ」


「大丈夫ですか?」


「軽く肉がえぐれた……」


 黒ゴリラスケルトンに噛みつかれてタンクの腕が酷いことになっている。


「任せてください」


 白いローブを身につけたヒーラーがタンクの腕を治す。

 肉が蠢いて復活していく様子は正直見ていて気持ちのいいものではないが、やはりヒーラーの能力はすごいなとトモナリは思った。


 仮にどこかに所属せず独り立ちするならヒーラーは欲しい。

 ただやはりヒーラーは貴重である。

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ヒカリくんにお世話されたら、そりゃあ萌え悶えるわっ!リアルで会えないのが悔しいっ! 悔しいので、ウチの愛鳥たち(オカメインコとウロコインコ)に教えた芸、『握手(足だけどw)』と『ターン(犬の『おまわ…
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