1日目
喋り方が時々変わるって?それは二重人格だからだよ
集落に一番近い、人が住んでいる場所といえば、アレド村である。
アレド村の近くには大きな峡谷があって、そこを越えればドレン町がある。一般的にはアレド村とドレン町を合わせた地域をアレドレンと呼んでおり、それ自体を大きな町として扱っている。アレド村は主に峡谷から鉱物を発掘する人が住んでおり、ドレン町はそれの加工と販売を行っている。
僕等は今からアレド村を通り、ドレン町に行く。その後、町に情報収集を行い買い物をすませてから次のひ、出発する。お金を稼ぐ必要があるので、途中で動物を狩ったり、薬草などを拾ってそれを売るつもりだ。
足が痛い。歩いて3時間たった頃にはそれで思考が独占されていた。
一方、目の端でフォルテを見つめるとフォルテは疲れを微塵とも感じている様子がなかった。
馬をが欲しいところだが、無理して買うほどではない。もし、金があったら買いたいところだが。
「フォルテ、ここで休もう。」
いい感じの芝生を見つけたので、そこに寝っ転がる。まだ秋、少なくとも夏までは二つの季節があるのだが、今は夏と同じぐらい汗をかいている。
だがそんな思考を完全に消す音が聞こえた。鹿の泣き声だった。
泣き声のした方向へ行くと、そこには鹿の群れがいた。
フォルテの方を見ると、フォルテは小さく頷いた。
これは「狩れ。」という合図だ。
ライフルを構え、トリガーに指を掛ける。右奥の鹿を狙い、その直後に右に逃げた左前の鹿を打つ。
二匹倒すことができた。一匹目は首に、二匹目は腹に命中した。
倒した鹿の方に寄ると二匹目から酷い異臭が放たれていた。これは、鹿の消化機関に当たったからで、こうなると鹿の肉は汚染されて食べる売ることができない。それでも、皮や角は貰えるのでそれは奪っていく。
逆に一匹目はかなり理想的な場所に当たっていた。首の後ろにあるロースに当たることもなく、鹿を即死させることに成功した。
解剖し、肉、内蔵、皮、骨等に捌く。皮はなめさなければ腐ったりするのだが、時間と道具が無いので今回はそのまま持っていく。いくつかの肉は大きめの草にでも包む。
骨などはなるべく綺麗にする。
荷物は重くなったが、これらは後で店で売れる。
「慣れてるね。」
「昔、お父さんに教えてもらったんだ。銃の使い方も、肉の裁きかたも、すべてを。」
「楽しそうだね?いつもより生き生きしている。」
「そうかな?よし、捌けた。出発しよう。」
日が暮れ始めたが、未だに村に着いていない。今日はここで野宿だ。
鞄からテント用具を取り出す。これがあれば、例え野宿でも多少は快適に過ごせるはず。
僕がテントを張っている間に、フォルテは火の準備をしていた。
火の上に鍋を置き、そのうえに脂を引く。今日狩った鹿の肉に家から持ってきた香味料を染み込ませ、鍋に載せる。




