マンションをそのまま、冒険者ギルドの建物に?
「と、いうわけなんだよ」
「ふ~ん」
エターナルのつれない返事。
冒険者ギルドを壊滅させた俺たちは、アンデットとして使役した元盗賊をスパイとして辺境伯の元へ向かわせるとダンジョンへ取って返した。
エターナルに夕飯を食わせるためだ。
元盗賊たちの個人資産もガッポリ。
あれで辺境伯領の騎士団員である。いわば公務員だ。
資産全部合わせて一億ほど!
レートが百分の一とはいえ、100万円。
100万あれば当面、食費に困るってことはないというわけで、今日は節約を気にせずネット通販!
(もっともエターナルのリクエストは普通にカレーだったんだけどwwすっかり日本の家カレーの味にはまっておる。本日は和牛ビーフとワイバーンのそれぞれの肉を煮込んだ、二種類のカレー。おまけに俺用に辛口も少々。子供舌のエターナルは当然、甘口だけどな)
エターナルはワイバーンよりビーフ肉の方がお好みと……メモメモ。なんて心のメモ帳に書き込む。
ちなみに二鍋目はリッチに調理してもらったがさすがメイドさん、まったく問題ない出来栄えで、料理の腕で俺を上回るのに時間はかからなそうだ。
なんだけど……不機嫌なエターナル?
(察するにアレか? 冒険者ギルドの受付嬢さんが美人なおねーさん、じゃなかったのに特にムカついた、発言にイラっとしたとかか? ヤキモチじゃんか!)
仕方ないフォローすっか。
「おまえが受付嬢やる?」
もし、よかったらだけど。おまえなら充分、美人だし……なんて続けたのだが、
「し、仕方ないわねッ♡ 考えておいてあげるわッ♡」
即答だった。
チョロいが別にお世辞を言ってるわけじゃない。
こいつの見た目は褒めるところしかないのだ。エターナルは内面以外は完璧な女神なんである。内面以外は。
「か、辛ぁ。こっちは辛いわねッ」
いつの間にやら俺の皿までパクっている。文句言いながらも冷水を喉に流し込む。
「つ、冷たっ、んふ~……辛っでもこの辛さが癖になる、んっうまっ♡」
もうノリノリだな。
お米足りるかな~、なんだけど実は大丈夫。
儲けた資金を使って新品の電子炊飯器を購入済み。ご飯は充分にある。
(ちなみに上級神は来なかった。夕飯はパスして明日の朝ごはんに来るそうな。多めに炊いたご飯が余っても、消化にちょうどよい)
エターナルをチラ見。
くぅ~んふ~、なんつってる。
いくらかは食べる快感に慣れてきたようだが時折、アヘっている。
きっと喉や胃が性感帯なんだろう。
それも感度数千倍な、対魔忍。やれやれだ。
は~食った食った~、とポッコリお腹をさすっているエターナル。
腸と肛門も性感帯だからな、またお通じになったら、んほ~タイムである。つかのまの団欒だった。
エターナルが言った。
「でも驚いた。ユージがこんな頑張るだなんて」
「そりゃ。お前とHなことしたいからな」
「んぐっ!」
喉を詰まらせるエターナル。
リッチは横で、モグモグだ。
特にヤキモチ焼いたりはしていない。リッチにとって俺とエターナルの進展は自分の欲望をかなえる必要事項だからな。
「そ、そうねッ、け、結婚するんらもんねっ(あわわ♡)」
「うむ。おまえも生身の体に慣れて感度調整できるようになってきたんじゃないか?」
「んむっ♡そうッ私にかかれば、気持ちいいの我慢するなんて、な、なんてことないわ、くふっ♡」
俺とエターナルの進展に感度の我慢は必須事項なんだが、あかんようだ。
素直なエロトークに舞い上がったエターナルはお腹をさする指先が、満腹というより愛撫っぽくなってしまっている。
というか体の感度数千倍だけでなく、メンタルまで感度よ過ぎのようだ。
すぐハッピーになってメロメロになってしまう。
俺が余計なこと言うせいなんだが、お世辞じゃない。素直な気持ちだから仕方ないんだ。
こいつの見た目は褒めるところしかないのだ。エターナルは感度対魔忍以外は完璧な女神なんである。
このままオナニーはじめられてもアレだ。話をそらそう。
「ということで、この異世界マンションを冒険者ギルドの建物に使おうと思っている」
「いっ♡いいっンッ(♡)じゃない? ンッ♡」
はあ。
プチオナニーに夢中でまったく聞いてないな。
まあ。いいか。
マンションの建物化と新冒険者ギルドの運営方針は、リッチと計画済である。
いきなりギルドをぶっ壊した件にしても実は、上級神に確認済。
過剰な異世界への干渉はご法度と言われていたからな。
にもかかわらず頑張り過ぎではないのか、そう思われるかもしれんが、これがOK。
というのもリッチの前世の関わりの範囲内だからな。
『剣の王国』の辺境領はリッチの前世の領地、リッチをボスモンスターとするダンジョン0層のようなもの。となれば過干渉の抜け穴というわけだ。
エターナルの許可も下りた。
辺境領へ戻るとしよう。
ほいっとな。
シュン!
一気に転移する異世界マンション。
俺の魔力量も上がったのか移動がスムーズだ。
辺境領側の旧、ギルド跡地は更地になっているが、この土地は俺の所有圏内。探知は可能だ。
敷地に迷い込んだ市民をズドドドっと出現したマンションがグ~パンでぶっ飛ばす心配はない。ちゃんと前方確認して転移している。
おや。
それでも見物人が遠巻きにしているようだ。
マンションの玄関を照らす電灯の明かり。
異世界民には魔法のように見えるんだろう(実際、エターナルの魔法なんだが、科学の光そのままの魔法なんで科学ということでいいだろう、ややこしいが)、目を見開いている。
ていうか顔見知りの子供二人が玄関真ん前にかけよってきた。
「あの子たち?」
「おう」
エターナルと俺はベランダから下を見ている。
う~む。
辺境の奴隷の子供にしたら、ただの美人なおね~さんなんだが、こいつがこの世界の神様なんだよな。知らぬが仏だ。
「いいんじゃないの」
「おけ。わかった。リッチ頼むわ」
「了解いたしました。ご主人様、エターナル様」
エターナルの許可というのは、子供たちから受けた依頼である。
依頼……。
というかギルドの建物をぶっ壊し、盗賊数名をぶっ殺した目撃者が、このチビ二人だったんである。
連中をアンデット化し生き返らせるところもバッチリ見られた。
別に一般市民に見られても問題ない、とスルーしてたんだが、このチビどもが寄ってくるんである。
マンション屋上の俺に臆せず声をかけてくる。
「お兄ちゃん、死霊使い?」
「おう。まあ、そんなもんかな」
男二人の兄弟。
兄貴は小学校低学年くらいか。
幼稚園児な弟の手を引いている。
これで幼女なら丁寧な対応で、何か食うか腹減ってないか、くらいは言うがそこは男の子。強く生きて欲しいものである。
なんだけどメイド美少女をエロい目で見ないのに好感が持ててしまった。
盗賊たちが酷すぎたので。
というか単にチビ過ぎて性欲もまだないだけなのかもしれないが。
「死霊使いの兄ちゃん、冒険者なんだろう?」
「まあ、そうなるな」
「なら、依頼聞いてくれないか」
「うむむ」
冒険者らしい、展開キターである!
依頼人が幼女や美女でないのは残念だが、そこは物語と現実の違いだろう。
依頼の内容を要約する。
①母ちゃんを生き返らせてほしい。
②生き返ると言ってもアンデットとしてなのは承知。
③理由:弟を産む際に産後の肥立ちが悪く死んだ母ちゃんに、弟の姿を見せたい。
④もちろん死霊魔法とはいえ一時の蘇生だろう
⑤それでも兄ちゃんなら出来るんじゃないかと思った。せめて一目。
う~む。
重いわ! ……だった。
だが納得である。
①リッチをエロい目で見ない。のみならず
②死霊魔法にビビらず(そこは魔法のある異世界人。そんなもんなのか?)
③何よりオーパーツなマンションの出現に目もくれず、
俺に声をかけた。
それほどにこのチビの兄弟には『死霊魔法使いの冒険者』というのが重要だったわけだ。
まあ。
そんなチャンス、今を逃せば一生ない。
エターナルの感想は、ふ~ん。
そんな重くもないらしい。
まあ。神様ですしね。
ぶっちゃけこの異世界の生と死はエターナルにとっては等価。転生ポイントがあれば転生も可能。ポイント不足の一般人だしな~。
アンデット化は転生じゃないがプチ転生みたいな含みもある。
どうしようかってところである。
「さすがご主人様です。濡れてしまいます、私♡」
「直球だな、おい」
「ご主人様がいけないのです。んふぅ♡」
やめれ。無表情でアヘ声を出されるとこっぱずかしい。
しかし素直にエロトークするのは俺も一緒。
リッチだけを責められん。
リッチの好感度があがるなら人助けもありってことだろうか?
リッチは生まれる際の俺のコネコネ愛撫で快楽堕ちしたと言っているが、メンタルも堕とさせるには……ここでいいかっこして、ステキ抱いて~展開を目指すというのもアリかもしれん。
なんて思う俺だった。
別にチビもママンもどうでもいいんだけどさ。
「だから。いいんじゃないの」
う~む。エターナルのメンタル好感度はどうなんだろう?
上がる?
それとも何を物好きなってところか、いやいっそまた女を生き返らせてなんて怒られる可能性もあるかも。
なので。
ボコボコと墓地の墓穴を盛り上げ、登場する全裸の女に……
「最初に言っておく。ご主人様ステキ抱いて、なんてのはナシだ。そっちは間に合っている。俺とお前はたんに仕事上の付き合い」
「チッ」
全裸の女のやつ、舌打ちしやがったよ。
思いきり俺狙いじゃんか。
やはりあれかアンデット化の際に術者である俺への好感度がMAXになる仕様なのか?
今回はコネコネもせんとリッチに丸投げだというのに。
「ユージはまったく女ごころがわからないんだから」
「そうです。女性はメンタルでも逝けるのですから。でもそこがイイ!です♡ご主人様」
おまえらには言われたくねーわ、である。
リッチが手製のメイド服を全裸の女に着せておる。
ちなみに弟の方はママ~と飛びついていたが、兄はアレって顔をしていた。
「? か、母ちゃん? 顔、違くない?」
何を言ってるのこの子は、な顔をする冥途2号。
「それにむ、胸も」
2号がイラッとした顔になった。
生き(逝き?)返りの際に色々盛ったようだ。
小年よそれ以上の突っ込みは命の危険の可能性があるというものだ。
もっとも君がアンデット化志望と言うなら止はしないが。
胸に脂肪を持ったアンデット志望の死亡者?
まあ。なんやかんやで初依頼成功と言うところなんだろうか?
次回、冥途軍団、結成?




