薬草ダンジョン
いつ来ても、草だらけだよな。
さすが薬草ダンジョン。
いや、一応薬草畑みたいに区画整理されてるけどな。
そこまでやるなら、畑に看板とかあったらよかったのにな?
まぁ、俺は困らないスキルを取得済み。
持ってて良かった、【鑑定】スキル。
なかったら、薬草の区別なんてつかなかったと思うぞ?
子供の頃からこのダンジョンには、入ってるから遊び場みたいなものなんだよな。
どのダンジョンもそうだけど、難点はアレだな。
行きたい階層に直接行けないこと。
1階層から順番に進んで行かないとダメなんだよな。
下層に行けば行くほど、日帰りが難しくなっていく。
でも大丈夫!
俺には最近取得したスキルに【転移】があるから!
なんで取得出来たのかは不明。
"あのスキル“ のおかげだろうけど、【転移】取得のための何かの条件もクリアしたみたいなんだよな。
兄貴達は、取得出来てないみたいで羨ましがられたけどな。
そんなわけで、その【転移】スキルで、5階層へ飛んだ。
一度行ったことのある場所には、【転移】を使うことが出来るぞ!
ダンジョンってさ、魔物を狩り尽くしても、素材を採取し尽くしても、普通にまた魔素で増えるんだよな。
だから取り尽くして生態系を気にするなんて必要はない。
考えなくていいのは、楽でいいよな!
俺は5階層で、マナ草とマナ花、ヒール草を採取し尽くす。
そんなに採取して持てるのかって?
大丈夫!
スキル【無限収納】を持ってるんだ!
名前の通り、無限に収納出来るし、中は時間も停止している。
超便利スキルだな。
これは、うちの家族はみんな持ってる。
もしかしたら、【魔力操作】と一緒で世の中の人が全員持ってるのかもしれないな。
知らんけど。
【魔力操作】は、"ダンジョンギルド" のホームページに、全員所持していることが公表されている。
だからそんなもんなんだなって思ってる。
深く考えてもわからんからな。
でも、昴義兄も【無限収納】を持ってるからなぁ。
みんな持ってる可能性大かもな?
って、昔は思ってたんだけどな。
この仕事始めてから、勘違いだったと気づいたけどな。
"ダンジョンギルド" ってのは、魔石とか素材とかを買取してくれるところだな。
俺たちにはレベルはあるけれど、小説に出てくるような冒険者ランクみたいなものはない。
入るのは基本自分のダンジョンだから、自己責任だな。
"ダンジョンギルド" は、役所の一部みたいなイメージだなぁ。
まぁ、それはいいか。
そんなわけで、俺はスキル【無限収納】があるから、薬草は採取した時の新鮮?なままの状態を維持して運べるわけだ。
で、このまま6階層へとスキル【転移】で移動する。
回復草と治癒草を採取する。
薬草の他にもこの階層には、バスケットボールくらいの大きさのキラービーと、バレーボールくらいの大きさのハニービーという魔物がいる。
倒すと、魔石と蜂蜜をドロップしてくれる。
この蜂蜜がたまらなく美味い。
キラービーは、ハニービーの1割程度しかいないみたいなんだよな。
キラービーの蜂蜜の方が、高級品扱いなんだ。
うちの会社の人気商品でもある。
ハニービーよりもキラービーのほうが、強いから蜂蜜も美味いのかもな。
だからこの階層に来たら、キラービーとハニービーは倒すことにしている。
見つけられたらだけどな。
いない時は、何回来てもいないんだよな。
でも今日はラッキーだな。
群れで来てくれたぞ!
薬草に被害がないように、魔法を放つ。
【エリアブリザード】
ハニービーの大群は、スキル【エリアブリザード】、つまり吹雪でボタボタと地面に落ちて行ってドロップ化していく。
簡単でいいよな。
ちなみに魔法を使う時に、技名とか叫ばないからな?
詠唱とかもしねぇよ?
【詠唱破棄】も【無詠唱】も取得してるから。
他に人がいなくても魔法名を叫ぶのは、ちょっとなぁ…。
いや、小学生の頃には【ファイヤーボール】とか叫んでたこともあるけどさ?
"右目が疼く" とかはやってねぇよ?
やってたのは、クラスにはいたけどな?
間違いなく黒歴史だろ!?
話が逸れたな。
俺は魔石と蜂蜜を集めて、【無限収納】に放り込んでいく。
ちなみに蜂蜜は、瓶に入ってドロップされるぞ。
このまま商品になるんだ。
元手がゼロで、丸儲けなんだぜ!
蜂蜜を拾い終わった俺は、1階層に【転移】で戻って、母さんへと【念話】を繋ぐ。
『母さん、扉開けてくれるか?』
『もう終わったの?今開けるわ』
現れた扉から、ダンジョンの外へと帰還する。
「ただいま」
「おかえりなさい。ありがとうね」
「んっ、ハニービーとエンカウントしたから蜂蜜ゲットしてきたよ」
母さんの顔が満面の笑みになった。
母さんも好きだもんな、蜂蜜。
美味いから俺も好きだけどな。
薬草を渡してたら、蜂蜜も要求された。
断れないけどな。
あんないい笑顔見ちゃったしな。
いくつか渡して、残りは会社の方に回すことにしよう。
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トーヤのテンションがあがります(笑)




