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Topsy Turvy WORLDs  作者: JAVELIN
序章:[An Fantasy With Encounter]
20/35

EPSODE:020 [だ、誰だコイツッ。最初のプロットにこんな奴居なかったぞ!?]

ハイッ復唱。


だ、誰だコイツッ。最初のプロットにこんな奴居なかったぞ!?



こんな事って本当にあるんですね。手が勝手に動きました。

・・・今後の展開どうしよう……

一応砂はある程度集まったのだが、まだ少し心許ない。

まあ、書くスペースが無くなれば一旦砂を均せばいいか。


私は砂を集めるのを止め、砂を均等に均した。

そして、指で文字を書いていく。


・・・やはり、知らない文字がすらすらと書ける。

原因を探す為にも、一回自分のステータスを隅から隅までキチンと見てみるか。


私はこっちの世界の言葉で、『こんにちは。お前が手帳を書いていたメイドか?』と書き、メイド服スケルトンに見せた。


骨メイドは最初はなかなか近づこうとしなかったので、文字通り首根っこを掴んで砂に書いた文字を見せた。


最初は困惑していた骨メイドだったが、それが文字だと分かると驚いた表情を見せた。


しかし、骨だけでも表情はある程度分かるものなんだな。

私はまだ驚いている骨メイドを見てそう思った。


私が催促するように砂を指さすと、骨メイドは文字を書いていった。


『はい。そうです』


やはりか。まあそうじゃなかったらおかしいよな。


『しかし、何故それを知っているのですか?』


私はその質問に、さっき()った手帳を見せて返答する。


『悪いけど中身は見せてもらった。お前達がこうなった経緯もな』


骨メイドは咄嗟に手帳を取ろうとしてくるが、特にこれには価値を感じないので、抵抗せずに渡す。

すると、骨メイドはその手帳を両手で大切そうに抱え、こちらを咎めるように睨んでくる。


私はそんな視線に微塵も反応せず、更に砂に書いていく。


『私の名前はユウ。お前の名前は?』


流石に骨メイドじゃ長いし言いにくい。早く名前教えろ。


『私の名前は……名前、は………分かりません…』


はぁ?


『何?お前ふざけてんの?それとも言いたくないの?』


私のこの文字と手に持ったナイフを見た途端、骨メイドは慌て始め、急いで文字を書いていく。


『ごめんなさい。思い出せないんです。何故か記憶が所々虫食いみたいに抜けていて……』


チッ、使えねーな。

まあ良い。この世界の情報が貰えればそれだけでいい。


『じゃあお前、仮称フェルな。お前何か情報持ってるか?例えば魔法の使い方とか』


骨メイド改めフェルは何か言いたそうな顔をしたが、結局何も言わずに砂に書いていく。


『知っていますが、何故そのようなことを聞くのですか?常識ですよ?』


『私は気がついたらここに居てな。自分のことは何一つ覚えていない』


この設定で進めていこう。無駄に情報を渡すことはないし。


『そうなんですね…不躾にすみませんでした。魔法はスキルの《魔力感知》が無いと使えません。このスキルは魔力が感知出来ると自然と習得出来ますよ』


なんか……敬語を使われるのは新鮮だな。あんな敬語とか使わないどころか平気で罵倒してくる奴等(緋翠たち)とは違うな。


しかし、《魔力感知》か。確か《魔闘法》を使った時に獲得したような……

じゃあ私はもう魔法を使えるのか!?


急いで《闇魔法》のスキルを《鑑定》する。


『闇魔法:闇を操る魔法。LVが上がるに連れて使用可能な魔法が増える。

 LV1:闇球(ダークボール)


キタコレッ!!遂に私にも遠距離攻撃手段が!?


「《闇球》」


早速使おうとしてみると、魔力が込められていく。

手には勝手に魔法陣が作られていって、何か、おそらくは魔力が自分の中からそれに流し込んでいる感覚がある。


ほうほう、こうして威力を調節するのか。威力は魔法攻撃力と込めた魔力で決まるらしい。


これぐらいで良いか。

私は闇球を撃とうとする。


が、慌てたようにフェルが前に出てきて、両腕を振って制止してくる。


忘れていた。ここは部屋のような場所で、密室だ。ここに魔法を撃ち込めばどうなるかは馬鹿でも分かる。


これは多分、あのクソローブが後半に使ってきたものだろう。つまり当たれば少し爆発する。流石にダイナマイトみたいな規模ではなかったが、ここで撃てば部屋の中は大惨事になる。


生憎この部屋をあまり壊したくはない。何故ならば、この部屋には実験器具や本等、様々な物が置かれており、これは今後の役に立つと思ったからだ。


フェルも焦っている私を見て、止める事は出来ないと察すると直ぐに周囲を見渡し、ある一点をを指差した。

そこは私が通ってきた通路で、確かにそこに撃てば私達に被害は無いだろう。


私は慎重に角度を調整し、途中の通路の壁に当たらないようにする。


よし。Fire(ファイア)!!


私は闇球を撃った。闇球は一直線に通路を抜けていき、見えなくなって2、3秒すると少しの衝撃と共に小さい爆発音が響いてきた。


・・・解決したな。


私はジト目で見てくるフェルを無視し、ハハハッと笑う。


フェルの目線は完全にヤバい奴を見る目で、1歩どころか何歩も後ずさりやがった。


私、悪く、ない。

初めての対話が砂で文字を書くという。シュールだね^^



因みに特に意味はありませんが、肥料の英名ってFertilizer(フェルティライザー)らしいですよ。特に意味はありませんが。



10/22:魔法の使用時の表現を変更しました。

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