魅成のお化け屋敷
自習室の窓は、黒いカーテンをかけられていた。教室側の壁も、壁が立てかけられ、外からの光が入ってこないようになっている。
この自習室は、明日のお化け屋敷の開催のための、準備をしている最中である、通路になるための壁が立てかけられており、そこが通路になるようである。
俺は魅成に言われて、両隣がホワイトボードに区切られている道を歩いていた。
『お兄ちゃんを驚かせてみせるから覚悟しといて』
自信満々でそう言った魅成。
魅成のお手並みを拝見させてもらおう。
ホワイトボードの間を歩く。数歩、歩けば抜けてしまうような短い道を歩いている時、頭の上に突然冷たいものが落ちてきた。
俺は何が起こったのか分からず、驚いて飛び退いた。
「え? 何? 何が起こったんだ?」
俺が周囲を見回すが、回りはホワイトボードが立てかけられており、何か、原因になるような物があるような気配はない。
「これだけでもけっこう怖いものでしょう?」
声を聞き、俺が上の方を見ると、水の入ったコップを持っている魅成の姿があった。
「こうやったの」
魅成は、コップの中に手を入れて手についた水を払う。
水の飛沫が飛んできて、さっき感じた冷たい感覚が、俺の頭に降りてきた。
「ヨシ兄。すっごい驚いていたよ。面白かった」
クスクス笑って言う魅成。
完全に、してやられたか……嬉しそうにしてニヤニヤ笑う魅成の顔が、小憎らしく見えてくる。
「その姿勢だと、パンツ丸見えだぞ」
俺が見上げて、魅成に向けて言うと、魅成は顔を赤くしてスカートを押さえた。
本当は、見えていない。ちょっと仕返しに、からかってやりたかっただけだ。
あんなにうろたえるなんて、魅成のレアな表情を見ることができた。
俺に背中を向けた後、ジトリとした目で振り返ってきた魅成が言う。
「色を言ってみて……」
魅成が言う。
「パンツの色……」
本当に見たのか? 確認をしにきたという事だ。見ていなければ色を言う事なんてできるわけもない。
「黒……」
俺があてずっぽうで言うと、魅成はスカートを捲り上げて確認を始めた。
「残念だったね。私は、今うさぎさんのバックプリットのパンツをはいているよ」
自信満々な様子で言う魅成。だが……おかしいだろう……
魅成は錯乱をすると本当にダメになるようだ。
自分で今日はいているパンツをバラしている。
「自分でバラしているじゃないか……」
俺が言うと、魅成はみるみる顔を赤くしていった。
「バカ! 忘れて!」
そう言いながら、魅成が足を振り上げた。
スカートが舞い上がり、俺は魅成のパンツがモロ見せにされるのを見る。
ニコやかな顔をした、ウサギの絵を書かれたパンツが見える。
自分からはいているパンツをバラし、今は俺にパンツをさらしている。魅成は意識をするとボロボロになるな……
「コラ! よけるな!」
顔を真っ赤にしたままの魅成は、俺に向けて足を伸ばし、俺にパンツをさらしていた。




