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なんでもやります!? よろず同好会  作者: 岩戸 勇太
夏休みはどうしようか?
27/67

料理対決開始

 次の日の放課後。

 調理実習室に行くと、東屋が待っていた。

「とりあえずは、調理実習室を何に使うか確認するために来た。生徒会の義務だ」

 口ではそう言っているが、東屋の後ろにあるものに、俺の目がいっていた。

 『よろず同好会主催、料理大会』

 そう大きく書かれた看板が天井からぶら下げられ、小さなステージが設置をされている。

 そのステージの上に立ち、何食わぬ顔をしている東屋に向けて、俺は言う。

「確認する必要ないだろう」

 とりあえず、何が行われるか、完全に把握しといて『様子を見に来た』は、ないだろう……

「こんな面白そうなイベントをやるなら、言ってくれないと」

 奏多先輩が、ステージの飾りつけをしながら言う。

「不正使用がなかったという事を確認するため、証拠のビデオを撮らせてもらいます」

 架名が、デジタルビデオカメラを脚立に取り付けながら言う。本格的に撮る気だ……

「よろず同好会って、なんだかんだいって美少女揃いだからねー。はりきってるでしょう?」

 奏多先輩が、ケラケラ笑いながら言う。

 え……架名ってそういう気があるの?

「そんな邪な気持ちは持っていません。飽くまで記録を付けるためです」

 ならばなぜ、鼻血をたらしているのか……

 俺の中の架名のイメージが、百八十度変わった……

「学校の施設を使用して行われるのだ。その時点で、これは学校行事である。学校の生徒が参加をする事に問題があるわけがない」

 手に持ったカメラのレンズをキラリと光らせながら、東屋が言う。しかも、顔から鼻血が垂れていく。

「みんな、体は正直だねー。主に鼻限定で」

 奏多先輩が言うと、東屋と架名は、そろって鼻血をぬぐった。

 ステージの裏側から、見知った顔がピョコンと顔を出した。

 美色ちゃんの顔が見えないと思ったら、そんな所に……

「慶次君。こっちを見ないでくださいね」

 美色ちゃんが言う。そんな事を言われると、ものすごく見てみたくなる。

「そうだ、あの中を覗こうなど、考えるんじゃない。早漏の変態め。美色の出番は、後でやってくるんだから待っていろ」

 やはり、いきなり罵倒をされるのか……

「これは何なのよ……」

 そこに、砂彩と魅成と見空がやってきた。うんざりした気分の俺は、それを隠さずに、表情に思いっきり出しながら三人に向けて振り返った。

「冷かしに来た、野次馬だ」

 一言で、今の状況を説明するには、これが一番しっくりとくるだろう。

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