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あなたの幼なじみはどうやら私にご執心のようです  作者: ぽーりー


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16 園遊会



『ロアス様はもう出発されたの?』

『はい。お嬢様がご入浴されている間に出発されました』

『そう・・・』


主催者側のコートニー様をエスコートされるから早めに行かれたのね・・・。

私も急いで支度しないと。


ドレスを着用して髪を綺麗にサイドアップにしてもらうと、侍女たちが感嘆の声を漏らした。


『大人っぽくてとてもお似合いです!』

『ドレスのお色味がお嬢様の赤い髪にマッチして素敵ですね!』

『ありがとう。髪型が素敵だからよ』


私はこの日のためにダークグリーンのマーメイドドレスを仕立てていた。

ラビナスではプリンセスラインのドレスが主流だったから、こういったスッキリしたラインのドレスを着る機会はなかったけれど、やっぱりこっちの方が私らしいわね。

姿見の前で最終チェックをしていると、お母様が部屋に入ってきた。


『ライオネルが来たわよ』

『え?もう?』

『楽しみ過ぎて早く来てしまったんですって。可愛いわよね』

『応接室に通してくれた?』

『えぇ。お茶を出すように言ったわ』

『ありがとう』

『・・・・』


お母様が何か言いたげな顔で私を見ていた。


『どうしたの?』

『リナ・・・ライオネルにあまり気を持たせるようなことしちゃだめよ?』

『え?』

『あの子があなたのことを昔から好きなのは知っているでしょう?』


・・・確かに昔から姉のように慕ってはくれているけど。


『二人ともいい大人だから口出ししないでおこうかと思ったけれど、ライオネルがあまりにも純粋だから心配なのよ』

『・・・・』

『これからパーティーなのに水を差しちゃってごめんなさい。今日は楽しんできてね?』


もう!

そんなこと言われたら楽しめないじゃない・・・。


どうにか気持ちを切り替えて応接室へ行くと、黒いタキシードに身を包んだライオネルが待っていた。


『リナさん・・・すごく綺麗です・・・』

『ありがとう。あなたも素敵よ?』

『ありがとうございます。リナさんに釣り合うように頑張りました』

『ふふっ。私もよ』

『ははっ』

『じゃあいきましょうか』







屋敷を出て馬車で二刻ほど揺られていると、港町スワナーに到着した。

この街にあるお店や土地はほぼチェイストン侯爵家が所有しているというのは有名な話で、園遊会が行われる会場も街の北側の山を切り拓いて一から作り上げたのだとか。


『あ、あの山の頂上に見える庭園がそうですね』

『ほんとね・・・。想像していたよりもとても広いわ』


スワナーの大通りをぐんぐん登っていくと街の北側に大きな門があって、この先はすべてチェイストン侯爵家の土地のようだった。

門を抜けてから半刻後、馬車はようやく会場に到着した。


『はぁ・・・緊張するわ』

『リナさんでも緊張するんですね』

『当たり前よ。それにこういうパーティーに出席するのは久しぶりだから・・・』

『そうだったんですね』

『今日は楽しみましょうね?』

『僕はリナさんと一緒ならいつでも楽しいです』

『もう!大袈裟なんだから』


会場には競馬場、球技場、アーチェリー場、噴水庭園、立食形式のパーティー会場があって、招待客たちは自由に歩いて回れるようになっていた。


『どこに行きますか?』

『まずは何か食べてもいいかしら?朝食をとる時間がなかったから』

『じゃあそうしましょう。それから他のところを見て回りましょうか』

『えぇ』


パーティー会場には様々な種類の前菜やメインディッシュ、世界各国のお酒やスイーツまで幅広く取り揃えられていた。


『リナさん、これ美味しそうですよ』

『ほんとね。これは海老かしら?』

『港町なだけあって海鮮料理が多いですね』

『あ、ライオネル、これも美味しそうよ』

『じゃあ僕はそれにしようかな』


ライオネルとこうやっているとなんだか本当の姉弟(きょうだい)みたいだわ。

ずっとこんな関係でいられたらいいのに・・・。

そんなことを考えていると、急に会場内がざわつき始めた。


『何かあったのかしら?』

『なんでしょう?』


すると会場のスタッフがこの場を鎮めるように両手を広げた。


『皆様!先程アーチェリー場内にて騒ぎがありましたが、警備の者が男を取り押さえました!安心して食事をお楽しみください!』


騒ぎって、何があったのかしら?


『男が暴れたんですかね?』

『被害がなければいいけど・・・』

『捕まえたみたいですし、きっと大丈夫ですよ。食べましょう』

『そうね・・・』


立食用のテーブルに料理と葡萄酒を運ぶと、隣のテーブルを利用しているカップルがヒソヒソと話し始めた。


『チェイストン家のお嬢様が男に襲われたって聞いたわ』

『本当か?怪我はなかったのか?』

『詳しくはわからないけれど、さっき血を見たって言っている人がいたの』

『え??それ大丈夫なのか??』


チェイストン家のお嬢様ってまさか・・・。


『コートニー様じゃないわよね??』


私は思わずライオネルの腕を掴んだ。


『え?それはまだわからないんじゃないですか??親族の可能性だってありますし』


確かにコートニー様には従姉妹がいらした気がするけれど・・・。


『でもご無事を確かめないと。ロアス様も彼女と一緒にいるのよ・・・』


ロアス様にもしものことがあったら・・・。


『リナさん・・・』

『ライオネル、ごめんなさい!私アーチェリー場へ行ってみるわ』

『・・・わかりました。一緒に状況を確認しに行きましょう』

『えぇ』


私たちは料理に手も付けぬまま急いでアーチェリー場へと向かった。




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