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新魔将誕生

ダンタリオン失踪。


 現役の魔将が突如として行方不明になったことで魔王軍には少なからず動揺が走ったが、その後釜に元魔将のアンドロマリウスがなることで混乱は徐々に収まっていった。


 魔将の失踪は大問題だったが、その後を継いだアンドロマリウスの方がダンタリオンよりも明らかに魔将としてふさわしい強さを持っていたので軍団としての強さは増したくらいだったからだ。


 十二魔将から八魔将になったときに魔将から外されていたアンドロマリウスが魔将に再び選ばれたのは残されたダンタリオンの配下の中で圧倒的な実力があった事とジャンヌが大魔王様に根回ししたことが大きかったらしい。


 後はジャンヌが抜けて魔将を一人復職させたばかりだったのに、さらにもう一人魔将になる人材が必要となった事で魔軍統括司令もアンドロマリウスの復職を認めざるえないということだった。


 こう言うとあっさり魔軍統括司令もアンドロマリウスを認めたかのように見えるが、実際はかなり渋っていたのをジャンヌが「ダンタリオンの『阿諛』に引っかかっていたことバラすわよ?」と脅したためにプライドの高いあのバカ息子も折れざるえなかったのだ。


 ちなみにその根回しは俺がジャンヌに頼んだことだ。もちろん俺が関わったことを隠して、ジャンヌとアンドロマリウスがダンタリオンのたくらみを察知してつぶしたことになっている。


 アンドロマリウスは俺に気兼ねしていたし、ジャンヌも俺が魔将に戻ればいいと言っていたが、俺にその気はなかったから丁重に断った。


 いくらダンタリオンの『阿諛』に踊らされたとはいえおべっかにまんまと引っかかって軍の編成をいじるようなバカ息子が率いる魔王軍に戻る気はない。アンドロマリウスのように養わなくてはいけない家族もいないしな。


 これは意外に思うかもしれないがダンタリオンは殺していない。2度と魔王軍に戻らない事と俺の『監視の眼』をつける事を条件に開放している。


 これにもジャンヌは納得していないようだったが、殺す気がうせたのだ。


 考えてみればダンタリオンも自分の能力に踊らされただけの哀れな男だった、とか殺す価値もないつまらない奴、とか思ったわけじゃない。

 ただ、殺してしまえばこいつのその先は見れないが、生かしておけばその先がまた見えるという単なる興味本位だ。

 

 小心者がいろいろ画策する性格は見ていて面白いからな。

 

 ちなみにダンタリオンは人間のふりをしてこれから暮らしていくらしい。

 『阿諛』を使ってせいぜい出世していくことだろう。

 腐っても元魔将だからな。人間としてならばどんなに出世しても実力不足になることはまずないだろう。


 俺は「その国に魔王軍が侵攻してきて魔族と戦うことになったらどうするんだ?」と少し意地悪な質問をしてみたが、ダンタリオンは微笑をうかべるだけで答えなかった。

 

 逆に俺に「今後はどうするんだ?」ときいてきたのだが、特に考えはなかった俺の口から出た言葉に俺自身が驚きながらも(そうしてみるか)と決意したのだった。

次で終わりです。今週はちょっと忙しいので週末更新になるかもです。

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