表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

16/21

第十六話  それともあるいは――――

登場人物


乙姫羽白オトヒメハジロ

 本作の主人公。

 性格が残念で変わり者な所がある。

 本人曰く、手先が器用な事と体を鍛えている事が長所。


●麦蒔まゆり(ムギマキマユリ)

 学校一の超絶美少女にして学年一の才女。

 しかしその正体は、性格が残念すぎる唯我独尊女。

 家から近いというだけの理由でこの高校に通っている。


●白鳥えみり(シラトリエミリ)

 茶髪でミニスカな、よくいる今風女子高生。

 顔は可愛くてスタイルも良い。誰にでも明るく接する性格。

 学内のリア充カーストで上位に位置する。


●朱鷺やよい(トキヤヨイ)

 一年A組担任にして生活指導担当教師。担当科目は国語。

 三十?歳で未だに独身。

 羽白曰く、見た目もスタイルも良いらしい。


   第十六話  それともあるいは――――



 月曜日の朝。一時間目はロングホームルームの時間。

 ぼくは事前にやよい先生と打ち合わせをしておいたとおり、教室には行かずに学生会室に向かった。

 そして、一時間目の間に監視カメラの撤収、和泉の下駄箱の中身のチェック、金曜日の放課後からの三日分の録画データチェック、を行うつもりだ。

 一時間目開始のチャイムが鳴って五分くらいしてから、ぼくは行動を開始した。

 別館を出て二号館の昇降口に着いたら、迅速に監視カメラを撤収して和泉の下駄箱の中にあった手紙を取り出した。

 しかし和泉の下駄箱には、先週ぼくが入れた手紙だけが入っていた……。

 学生会室に戻ってすぐに三日分の録画データを早回しでチェック開始した。

 しかし金曜の放課後から月曜の朝までに、和泉の下駄箱に触った人は本人以外にいなかった……。

 和泉と手紙男は、金曜の放課後と月曜の早朝で手紙のやり取りをしていた。つまり監視カメラには、ダミーの手紙を取りに来て新しい手紙を入れる手紙男が映るはず……だったのだ。だがしかし、ダミーの手紙は回収されておらず、監視カメラには誰も映っていなかった。

 これはどういうことだ?

 まさか監視カメラが気づかれたのだろうか?

 でもそんなことは考えられない。常識的に考えて、通常生活で監視カメラの有無に気づける人間なんているのだろうか? しかも学校の昇降口だぞ? こんな親指より小さい隠しカメラが昇降口の隅っこに設置されている事に気づいて、手紙のやり取りを辞めたというのか? 某国の諜報機関や産業スパイの特殊訓練でも受けていなければ不可能だろ?

 となると可能性は一つだ。


 犯人は和泉が捕まった事実を知っている。


 和泉が捕まった事実を知っている人は小数である。関係職員の四人と、ぼくら学生会メンバー、そして和泉本人だけだ。あれからまだ一週間しか経っていないため、和泉の盗撮写真を買っていた生徒達も気づいていないはずだ。

 教師であれば今回の事件内容と既に決着が着いたという事実は知っているはずだ。でもそれだけだ。一年D組の和泉が厳重注意処分を受けたと名指しで知っているのは、小数のはずだ。そして、たとえ知っていても生徒に情報を漏らすハズがない。

 じゃあ和泉が罰掃除をしている姿をどこかで見かけて、盗撮の件で捕まったと予想したのか?

 しかしそれも考え難い。罰掃除をさせられている生徒は結構いる。生活指導で引っかかればとりあえず罰掃除だ。遅刻を繰り返しただけでもさせられるくらいだ。当然、ぼくは罰掃除の常連だった。

 つまり、和泉が罰掃除をしていたからと言って、捕まったと考える事はないはずだ。

 先週の月曜日から水曜日の三日間、和泉は学校を休んでいた。それもD組では風邪で休んだ事になっている。それを怪しむ事もありえない。

 他には何かあるか? 和泉がしばらく書き続ける事になった反省文を見つけた? それならばありえるか……。

 しかしそれだと、和泉の手荷物を盗み見ることが出来た人物、つまり和泉のクラスメイトや親しい友人などが怪しいという事か? それもなにか変な気がする。駿河秋沙じゃあるまいし、クラスメイトや親しい友人が同じ盗撮趣味だったとしたら、なぜ手紙でやり取りなど回りくどい事をしているのだ? さっさと声をかけて協力関係を結んだ方が手っ取り早いはずだ。

 となると……。

 どこかから情報が漏れたのか?

 手紙男は和泉の行動を常に監視できる位置にいるのか?

 それともあるいは――――

「オッツー、犯人わかった?」

 ぼくが考え込んでいると、白鳥がドアを開けて入ってきた。

「お前なんでここにいるんだよ。まだ授業中だろ?」

「ロングホームルームなら終わったよー。中間テストの説明とかだからすぐに終わったんだよ。まだ時間あるから学生会室に行って来いって、やよい先生に頼まれたんだー。それでどうだったの?」

「ああ、犯人は映ってなかったよ」

「えー。オッツーの設置したカメラが駄目だったんじゃないのー?」

「いや、そういうことじゃなくてさ。犯人も巧みとかそんな感じ」

「えー。オッツー、自分の失敗を棚に上げてる?」

 だから、違うって言ってるだろ!

「白鳥、お前さ。なんで和泉の下駄箱に監視カメラを設置したのか、理解してる?」

「犯人が映るからでしょ?」

 あ、こいつ、何も考えてないな?

 しょうがないので、懇切丁寧に白鳥に説明してあげた。

 ぼくの話を聞いて白鳥は、

「あ、なるほどー。金曜日の放課後に手紙を入れておけば取りに来るのかー。あれ? でも犯人映ってなかったんでしょ? なんで?」

 とか言い始めた。

 だから、それを考えてるんだよ今は!




読んでいただきまして、ありがとうございました。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ