おわりのあと
数日後…
太陽の日差しが所々に差し込む曇り空。
別荘跡地の大きな穴が開いた丘の上にて…
ニジ「お待たせソラ。好きなものを持ってきたぞ。」
ニジ「コイツを作るまでかなり苦労したよ。なんにせよ材料が貴重すぎて中々見つけられなかったからな。」
良い眺めができる丘にしゃがんでいたニジがおりそこに作られた簡素の盛ったその側にほんの少しの花束とソラの日記やスケッチブック、使っていたクレヨンが供えられたソラの墓の近くへと、タッパーにいれた出来立てのオムライスを置き墓へと両手を合わせた。
あの日一緒に広大な景色を眺めたこの場所から、
ニジ「小さな勇気を一歩踏み出すまで時間が掛かってしまったな。ソラ。」
ニジ「君は健気過ぎたよ。最後まで家族を信じていたのにな。」
ニジ「ソラ…。」
ニジはゆっくりと色んな所から現れている赤い肉食達が好き勝手に宿主を食い尽くし成長している山々や森、遥か遠くで輸送機に寄生した肉食が奇声をあげながら飛んでいる様子も目にする。
ニジ「この世界は死者を悼む余裕は無い。みんな生きる為に必死だ。」
ニジ「だが俺は君を忘れない。もしまたいつか何処かの時代で君に会えたら…」
ニジ「…なんてな。輪廻転生とやらなんて信じないし、一度の命で死んだらそこまでだからな。」
そんな最中ほんの少しの細かな雨が降り、ニジはゆっくりと屈んでいた身を立たせた。
後、
ニジ「一度限りの人生にコンテニューなんてない。だからこそ間違えちゃいけない。」
ニジ「後悔のない選択、そして明日のために俺は生きなければならないからな。」
ニジ「また来るよソラ。今度は活きの良い焼き魚を持ってくる。」
ニジ「それじゃ、またな。」
ニジはソラの墓から背を向けてゆっくりと離れた。
ニジの姿が完全に見えなくなった所で、
ソラ「…。美味しい!」
ソラ「少ないけど、うれしい!ありがとう、ニジおじさん!」
盛られた墓の前に座っている薄らと透けたソラがおり、ソラは供えられたオムライスへと手を伸ばしてガツガツと美味しく食べていた。
ソラは陽が差し込む雲の様子を見つつ、
ソラ「キレイ…。本当にキレイ…。」
ソラ「七色の橋…。ニジおじさんの名前と同じ!」
細かな雨と陽射しと共に雲の切れ目へと現れた一つの七色の橋。
ソラ「キレイだなー。キレイだなぁー。」
ソラ「これが空の上から見れる世界。スゴい。」
ソラは上空へと掛かった七色の橋へと飛び渡って、上へと掛かる七色の橋を歩きながら上空から見える色んな陸、広がる海、赤いキラキラに染まった街を堪能した。
後、ソラは静かに何処かへ歩き去っていく地上のニジの背と、本拠地のコミュニティの小さな島でサバイバル生活をしているリクト、カイド、ムラクモ、アマノの生きる為に動く姿を見たソラは、
ソラ「バイバイ。ニジおじさん。ニジおじさんのなかまも。」
ソラ「僕、この空の上でたくさん絵を描いて待ってるね。」
ソラは雲のない青空の世界へと渡り、ソラが渡った七色の橋は静かに消えていった。
誰もいない丘の上で色々とお供えされたソラの墓、その近くに置かれていたソラのスケッチブックが吹く風で捲られ、最後のページに描かれていた絵には…
みんなで仲良く手を繋ぐソラとニジ、ニジの大人仲間たちの愉快な絵が描かれていた。
終。




