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キャンバス~色なき世界のアービトレーター≪仲裁人≫~  作者: ぶーたん
第3章 暗褐色な魔の手編

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第69話 罠だらけの敵地

昼の中央貿易都市にて


ロウとカゲは二人で酒の買い出しに来ていた。


「これ樽ごと買うので、少し安くならんかの?」


「いや~。これめったに入らない酒なんだよね。いくらロウさんでもちょっと・・・」


「これも買うからのう。どうじゃ?安くしてくれんか?年寄りからの頼みじゃ」


ロウは老いぼれの振りで値下げ交渉をしていた。カゲは日差しがきついので、ロウの影の中に隠れていた。


「わかりましたよ。安くしときますので、お届け先はいつもの武器屋でいいですか?」


「本当かの。ありがたいのう。長く生きとくもんじゃ」


こうしていつもロウは年寄りという武器を使って、安く買い物をしていた。


「じゃあ、お任せしたぞ。わしは散歩でもして帰るかの~」


ロウは人が少ない方へどんどん歩みを進めていく。


「ロウ様。これは・・・」


「カゲ。黙っておれ。先ほどからつけられておるんじゃ。かなりの気配を消しているようじゃが、数が多い。人が多い所では被害が出る」


「私が主になんとかピンチを伝えますか?そろそろ帰ってくる頃ですが?」


「そこまでせんでも、大丈夫じゃ。わしとカゲがいるんじゃぞ。小僧なんか呼んだ日には何を言われるかわかったもんじゃない」


ロウは人が少ない所に進んでいく。だが、それと同時に後ろからの気配が増えていった。


「襲え」どこからか声が聞こえた。


ロウは振り返ると、数百はいるであろう、冒険者たちが一斉に襲って来た。


「数だけは立派じゃのう」


ロウは落ち着いて構えを取ると、一人ずつ的確に急所をついて、吹き飛ばしていく。


「まあ、これくらいは耐えなければ、脅威にならない。爆ぜろ」


謎の男の声とともに、ロウに迫っていた冒険者たちが爆発した。ものすごい煙が中央貿易都市に発生した。


― ディスカラーでは ―


ヒメが食器を片付けていたが、滑らして食器を割ってしまった。「ああ、買ったばかりの食器なのにやっちゃった」


データは部屋から出ると、オニのいる冷凍室に静かに歩んでいった。「オーニさん、こ~ちら手の鳴る方へぇ♪」データはごきげんそうだ。


― 中央貿易都市では ―


ロウは爆発を受けて、ダメージを負った。ボロボロになった体を、カゲが急いで運んでいた。ロウは腹部からかなりの出血をしていた。


「ロウ様。お体は大丈夫ですか?」カゲは不安そうだ。


「落ち着くんじゃ。敵はまだどこかにおる。油断するでない。こんな傷魔力で抑えれば大丈夫じゃ」


ロウが言うことはわかるが、カゲはロウの体が心配であった。なんとか逃げ切らないと庇いながら戦うのはきつい。


「襲え」どこからか再び声が聞こえた。


ロウとカゲは囲まれてしまった。


「カゲ。わしを置いて逃げるんじゃ。数が多すぎる」


「申し訳ございません。逃げれる状況ではありません。少し待っていてください」


カゲは一人立ち上がると、迫る敵に自分から向かっていった。


「シャドージョイント」


カゲは敵の影の中に入り込むと、影と影を繋いで、大きな影にした。


「シャドーグラップ」


一瞬にして、敵を影で拘束した。


「照らせ」地図を見ながら合図を出した。


謎の合図とともに複数の建物の屋根にいた敵が鏡を使って、光がカゲを照らす。


「まずい。力が・・・」


敵を拘束していた影が無くなり、再び二人を襲いだす。


「爆ぜろ」

再び大きな爆発が中央貿易都市に起きた。


ロウは傷だらけになりながら、カゲを引き連れ、逃げていた。おかしい、なぜここまで隠れている場所が筒抜けなのか。カゲの対策までしっかりされていた。もしかして、手配書を作っていた奴か。だとしたら、逃げられるわけがない。


ロウは道が広い場所に来ていた。これなら、カゲは戦えないが、敵が見つかるかもしれない。


「少しは考えているようだな。ロウとかいうじいさんは。だが、こいつなら・・・」


ロウは血を流しすぎたのか立っているのがやっとになっていた。


ロウの前には仮面を付け、黒いローブを纏った謎の人物がいた。


「まるで小僧のようじゃわい」


ロウは自分を奮い立たせ、足を広く取り、力強く踏み込んだ。


仮面の人物は一瞬で間合いを詰めて、殴り掛かって来る。ロウは待っていたとばかりに、両手を前に構えて、反射の能力で反撃を狙う。


だが、クロとは違い、目の前で消え、ロウは下を見ると、強力な蹴りが顎の骨を砕く。宙に浮いたロウを、飛んで地面にけり落とす。


ロウは地面に強く叩きつけられても、意識を保っていた。まだ、触れれば、どうにかできるかもしれないと考えていた。残り少ない力で仮面の人物を触ろうとする。


「これでどうじゃ」


ロウは触れることが出来ずに、顔を思い切り、蹴り飛ばされてしまう。


仮面の人物はさらに追い詰めようと、踏み込んだ瞬間、視線を上に向けると、ウィッチが魔法を杖に溜めて、落ちてきた。


「吹き飛ぶのだ」


ウィッチの魔法は腹部を貫き、倒れこんだ。


クロはロウに近寄り、声をかけた。


「おい、じじい。生きてるか?」


「こ・・・。ゴホッ」


「主。私がいながら申し訳ございません」ロウの影から現れ、申し訳なさそうに謝る。


「謝んな。カゲ。ウィッチとじじい運んで治療しろ。ヒメならなんとかできるだろ」


「主は?」


「このまま逃がしてくれねえだろ」


クロは瞬時に状況を察していた。カゲの力が使えない状況。ロウのケガが深刻な状況。まだ、敵が隠れて様子を見ている状況。


「行けカゲ」クロは命令をした。


カゲは獣の姿になると、ロウを背中に乗せ、道中のウィッチも乗せていった。


「隠れてねえで出て来いよ。相手してやる」クロは呼びかけた。


建物の影から見たことがない人物が出てきた。

いつも読んでいただきありがとうございます。

カゲの能力は光に弱いってのはわかると思いますが、

ロウの能力作中に入れるの忘れていました。

手で触れてた攻撃を跳ね返す。弱点が触れないと跳ね返せないって

途中で書くの忘れてました。

次回もお楽しみに

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