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キャンバス~色なき世界のアービトレーター≪仲裁人≫~  作者: ぶーたん
第3章 暗褐色な魔の手編

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第68話 女人村 後編

ウィッチは村の過去を聞いて、飛び出していこうとしていた。


「マスター。寝てないで行くのだ」


「待て。バカ魔法使い」


クロはウィッチが行こうとするのを止めた。


「なんで行かないのだ。助けないと」


「誰が助けを求めてる?」


何を言っているのかウィッチは理解できずにいた。苦しんでいる人がいるじゃないか。話を聞いたら誰でも助けたいと思うじゃないか。


「マスター。何言ってるのだ?」


「聞いただろ、イチって女がすでに助けようとしたんだ」


「それが失敗したから、今度はうちがやるのだ」


「あのな、頼まれてないのに、勝手にやるな」


「うちは・・・。うちは・・・。許せないのだ」


ウィッチは再び泣きだした。


「許せないのは同感だ。だけど、祈ってそのうち助けが来るって考えてるのが、気に入らねえ」


販売員の女の方を見る。


「そうです。こんなこと知られたら、また、何人も殺されてしまいます」


「ほら、ウィッチ聞いたろ。助けてほしいと思ってないんだ。無理に出る必要がないだろ」


「うちは強いのだ。そんな奴絶対倒すのだ」


「でも・・・」

女は過去のことを思い出すと、恐怖で身体がすくむ。次は自分の子が殺されると思うと勇気が出ない。イチさんはこんな恐怖の中、戦った。待っていれば、そのうち、助けがくる。きっと・・・。きっと・・・。


「誰も傷つけない。甘いんじゃねえか」


「!?」女は芯を突かれた。


「いずれ助けに来られても、子供の安全なんて保障できない。ただ、俺らなら全員を傷つけさせねえ」


「本当に助けてくれるのですか?」


「ああ、任せておけ」


「お願いします。あの男を殺して、この村を救ってください」


クロはゆっくりと立ち上がる。


「ウィッチ、女子供をマッドロールの家の前に集めておけ」


「了解したのだ」


クロはマッドロールの家の前に行った。外からでも女の嫌がる声が聞こえてくる。


クロは扉を蹴り飛ばすと、ベットには放心状態の女が一人、犯されている女が一人、この状況でも腰を振り続ける男がいた。


マッドロールはクロには気づいているが、腰をさらに速度を上げて、振り続けている。クロは無視されていることに苛立って、蹴りを喰らわす。


「無視すんなよ。変態やろう」


クロの蹴りが直撃し、吹き飛ぶ。その時、別の物も吹き飛んでいく。


マッドロールはギリギリで体をそらして、勢いよく飛んだように見えた。ゆっくりと起き上がると、着替えだした。


「もう少しでイキそうだったのに、何だクソガキ。男に興味ないんだよ。」マッドロールはダルそうに話す。


「このクソ変態が。なんでこんなことしてる?」


「そんなの俺様の国を創るためだろ。この数十年後、生まれた子を、キャンバス中に行かせて、俺の国を創るんだよ。俺の遺伝子が国に蔓延していくだよ。最高だろ」


「てめえみてえなクズが王になるわけねえだろ」


クロは殴りかかろうとしたら、矢のように先ほどまで寝ていた女が飛んできた。クロは急いでキャッチすると、今度は家の壁が剥がれて飛んできた。クロは女を守りながら、もう一人の女を拾い上げると、家から逃走した。


「でかい口だけ叩いて、結局逃走か。情けない奴め」マッドロールは外にゆっくりと出る。目の前には女子供が集まっていた。マッドロールは理解できなかった。こいつら裏切ったのか。この俺を。全員死にたいようだな。マッドロールは苛立っていた。


女子供の中からウィッチが出てくる。


「うちはウィッチ。お前の悪行もこれまでなのだ」マッドロールに指を差し、カッコつける。


マッドロールはウィッチを見た時、一瞬言葉を失ってしまった。


「いい。最高にいい。お前俺の女になれ。最高に気持ちよくしてやる」マッドロールはイキイキし出した。


「残念なのだ。うちは変態に興味ないのだ」ウィッチはきっぱり断る。


「どいつもこいつも変態、変態って人の趣味を笑うんじゃねえ。強ければ正義なんだよ。股間がうずいて、しょうがねえ。最初は少し雑に扱うしかねえな」


「マスター。こいつ一体何の話をしているのだ。」


「気にするな。変態の戯言だ」


「なるほどなのだ。変態同志分かるものがあるのだな」


「生意気な女ほど、黙らせるのは楽しいもんだ」


マッドロールは右手を上に上げると、家がバラバラに持ち上がり、宙に浮く。女子供は怯えだし、1つに固まる。


ウィッチは女子供に笑顔で話しかける。


「大丈夫なのだ。うちが守るのだ」


ウィッチは杖をマッドロールに向けると、お互いに宙に浮きだした。


「無詠唱魔法を使うのか。ますます気に入った。もう我慢できねえ。空中で一発決めてやるぜ」


マッドロールは木の柱を下から呼び出すと、柱に乗った。続けて、石や柱をウィッチに向かって、投げつける。


「無駄なのだ」


ウィッチは杖を前に出すと、空気を圧縮して、放つ。


マッドロールの投げた物は外れて、空気の塊がマッドロールの右肩を掠り、えぐりとる。しかし、マッドロールの投げた物は、地上の女子供目掛けて飛んで行く。


「邪魔ものどもはこの場で始末だ」マッドロールは勝ち誇った顔をした。


「傷つけさせねえって。この変態が」

クロは魔撃を放ち、飛んできた物を粉々に吹き飛ばした。


「これだから男は嫌いなんだ」


マッドロールは物をさらに浮かせ、ウィッチに放った。


杖に光が溜まり、その周囲には風が渦巻く。


「正義は必ず勝つのだ」


杖から強力な光が飛び出し、マッドロールに向かって、貫いたと思ったが、威力が高すぎて、外してしまう。


「外しちゃったのだ」


マッドロールは勝ちを確信していた。次々と物がウィッチを襲う。


「まだまだなのだ」ウィッチは物が飛んでくるのに、前進していく。


杖を振り、次から次へと物を殴り、破壊していく。魔法使いとは思えない戦い方だ。


「おりゃおりゃなのだ」


ウィッチの杖の振りはどんどん速くなり、腕が見えなくなっていた。ついにはマッドロールと距離を詰め、下から杖を突き上げると、股間を強打し、怯んだ隙に、頭を思い切り、杖で殴り、叩き落とした。地面には頭の無い男の死体があった。


「勝ったのだ」


ウィッチが疲れはて、地面に降りると、女子供が寄って来て、感謝を告げる。


こうしてウィッチは村を救った。この村は女人村と呼ばれ、未亡人や行き場のない女の駆け込み寺になった。


クロとウィッチは杖に乗り、中央貿易都市に向かう。


「やったのだ。マスター。見たかうちの魔法。やはり変態は生かしておけぬのだ」


「わかったから、大人しくしてろ。怪我したんだろ」


「やっぱりバレてたのだ。マスターはよく見てるのだ」


「飛べなくなったら、俺が運んでやるよ」


「ふん。変態にはうちの体は触らせてやらないのだ」


「誰が変態だ」


行きと同じようにわちゃわちゃしながら、中央貿易都市に向かって行く。


この時、ウィッチの手配書がまた何もかによって流れていた。以下手配書の内容。


通称ウィッチ

能力 魔法情報

弱点 魔法を狙った所に打てない 頭が弱い

賞金 金貨100枚

いつも読んでいただきありがとうございます。

女人村は当初はクロが戦う話にしようと思いましたが、

ウィッチってほとんど戦っていないなって戦わせることにしました。

魔法で戦うとすぐに終わってしまうので、物理魔法で攻撃というウィッチらしい展開にしてみました。

次回はカゲとロウ2人の戦いを書こうと思います。

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