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亀は空飛ぶサカナになりたい  作者: りろころ
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6. 亀は見た

こんにちは、亀です。


みなさまはドライヤーというものをご存知でしょうか。ええ。あの恐ろしき兵器でございます。


「おふろでたー。」


こわっぱは夜毎に温浴をしており、2,3日に1度の私よりも清潔であろうと努めておりまして。私の食事係として良き心構えだといつも感心する次第です。


さて、温浴後のこわっぱの頭は水を含んでおり、私の自慢の甲羅のように1片の剥離もございません。やはり生き物は、このように乱れの無い姿こそが美しいのでございます。


「かみかわかすのー!」


そうこうするうちに、今日も恐ろしい時間が来てしまいました。そうです、ドライヤーです。


母君はいつもこわっぱに優しくしているように見えますが、実は違うということを私は知っております。


ブオオオ…


母君がドライヤーをかざすと、こわっぱの黒々とした皮が細長く剥離していくではありませんか。無理矢理に脱皮を進めるなど、なんと痛々しい光景でございましょう。


げに恐ろしきは人の業と申しますが、母君の本性は普段は覆い隠され、私とこわっぱ以外、誰も知る由がないのでございます。


ひぃぃ。もう見ていられません。


みなさま、今日はここまでで。私は水の中に避難させていただきます。みなさまも巻き添えを食らわぬよう、早くお逃げくださいね!

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