ウィンディーネを救え!
明らかになにかある綺麗な水色に手を伸ばそうとするが、ヘドロの指によって吹き飛ばされる。
だけど威力は低く、木に叩きつけられる事はなく、逆に距離を開いた事で、ヘドロアームの全身を確認できたが、少し小さくなっている気がする。
なんとなくわかった、あの水色がウィンディーネだ…。
「リオアさん!ヘドロアームの中にウィンディーネさんがいました!」
「それって取り込まれてる?寄生されてる?どちらにしても厄介ね!大技の魔法で攻撃したら、ウィンディーネもろとも倒してしまう可能性があるのね!気をつけましょう!」
ウィンディーネを倒したら、クエスト目的の霊薬が手に入るかは不明だが、クエストを受けた時の情報収集でNPC達がウィンディーネと加護を貰う程度に友好的な関係を築いていたから、そんなウィンディーネを倒してしまったら、少なくとも良い事に繋がる気はしなかった。
「わかった!ヘドロをアースキーで剥がして、ウィンディーネを助けるしかないか!」
「レンナ、ウィンディーネは水属性無効と聞いたことあるわ!ウィンディーネの周りのヘドロを削る時は参考にして!」
「了解!」
ヘドロアームの全身を使った押し潰し攻撃を回避して、再びヘドロに氷の力を纏ったアースキーを突き立てて掘る…。
凍ったヘドロが赤いエフェクトを発して消えているので、ダメージが入ってるはずだが、ヘドロアームは痛覚がないのか、怯まずに腕を振り回して攻撃してくる。
「かい……足重、ぐう!?」
何度も攻撃を受ける事はしたくないので攻撃の手を止めて、回避を試みるが、足下にあったヘドロに足を取られた結果、攻撃を食らってしい、再び吹き飛ばされて、木に叩きつけられる…。
「うう…いたた、気がつけば足場がヘドロだらけになってる…」
「気を引くから、回復しなさい!マジックショット!ミラージュステップ!」
「パワーアップ!リジェネレート!スピードアップ!」
リオアさんが気を引いてくれてる間に回復薬で回復する、フェルも補助魔法をかけ直してくれた。
「すまん今復帰する!」
ヘドロを避けて、ヘドロアームに接近して、再び共鳴の力で氷の力を纏ったアースキーで凍らせては、ヘドロを引き剥がしていくと、再びべドロの中に綺麗な水色を見つけた!
「みえたフェル、水のイメージだ!」
「はい!」
アースキーの氷がとけて水になる、それを綺麗な水色の周辺のヘドロに叩き込むと、ヘドロが剥がれていく。
すると綺麗な水色は透明なボールみたいな形状で、中に綺麗なアクアマリンが入っている事に気が付いた、水属性で攻撃したおかげか傷はついていない。
「動きを封じるよ!決められるなら、今のうちにお願い!パラライズウィンク☆!」
「わかった!ぬおおおおお!!!」
自分達が水を使ったことで好機と捉えたのか、ヘドロアームの動きを封じるリオアさん。
アースキーから手を離して、両手で水色のボールをヘドロから抜き取ろうとする、みちみちとボールと繋がろうとするヘドロが千切れる。
「頑張ってくださいレンナさん!」
「はあああ!!」
フェルの応援を背に、ヘドロから完全に水色のボールを抜き取り、素早く距離をとる。
するとヘドロはパキパキと水分が抜けたように固まっていった、すると乾いたヘドロから脱出するように、中からモグラが出てきた…。
あの大きなヘドロを動かしていたとは思えないくらいに、現実のモグラと同じ位の大きさだった。
「クリティカルレイ!!」
リオアさんの一撃でモグラが赤いエフェクトを放ち消滅する…ヘドロの鎧が戦闘機能の全てと言わんばかりに、モグラそのものは弱かった…。
「あ、泉が綺麗になっていきます!」
「乾燥したヘドロも消えていくな…おー爽快だ」
フェルとそんな会話をしつつ、手放したアースキーを拾ってしまう、ヘドロが消えたおかげでアースキーはヘドロまみれではなく、戦う前みたいな状態になっていた。
泉に目を向けると、泉は底が見えるほど透明な水に満ちていた、ここがウィンディーネの住処なんだろう…。
「それで、このウィンディーネぽい球体はどうすればいいの?」
そう言った瞬間に手に持った水色のボールが浮いたと思ったら、泉の中に吸い込まれていった。
すると、水色のボールは泉の水を取り込み、人の形になり始めたのだ。
その姿はスタイルがいい、大人の女性で、顔と胴体が肌色で手先足先が透き通った水色をしていた。
「ふう!やっと解放されたわ!」
そう、ウィンディーネは話しだした。