イベントクエスト、ウィンディーネの秘宝開始!
『パーティーリオアとのレベル差があります、パーティーメンバーのリオアのステータスに、マイナス補正が入る代わりに、イベントポイント獲得量にプラス補正が入ります』
「え、弱体化したの?」
「ええ、イベントではレベル差があると低い方に合わせるように、色々と調整される代わりに、イベントポイント獲得量にプラス補正が入るの、初心者と上級者が一緒に楽しむためのシステムね。
後ピンチでパーティー解除して、上級者が無双しないように、パーティー解除してなおかつ、モンスターがいない安全地点に居ないと、上級者のステータスマイナス補正が消えないようになってるから、もしも初心者と組む場合は覚えておくといいよ」
現れたシステム画面におどろくと、リオアさんが教えてくれる。
「でもまあ、スキルにマイナス補正が入るわけじゃないから、戦闘で足は引っ張らないよ」
「あ、ああ…むしろこっちが足を引っ張らないといいけど」
はっきり言って、戦闘面では確実に足を引っ張る…そもそもこっちは戦闘を想定したスキルが無いからな。
「それで、どんなイベントクエストをやるんだ?」
ひとまず、イベントのクエストを受けられる最初に訪れた安全な砂浜に戻ってきた。
リオアさんの目的は、自分達とクエストをすることだ、なぜ自分達を誘ったかは分からないが、もしかしたら鍛冶屋じゃないと、解けない謎解きでもあるのか…?いや、あってたまるか…そんな謎解き。
「候補は2つ、ウィンディーネの秘宝というクエストと大海賊の財宝があるんだけど、レンナはどっちがやりたい?」
「え、えーとなら、ウィンディーネの秘宝で…」
どちらもクエスト名に宝と付いているが、大海賊だと、海賊の人間とやり合う可能性がありそうだなと思い避ける、それに数で来られると個人的に対応できないので、ウィンディーネを選択した…。
「なら、あのNPCに話しかければ受けられるよ!」
そう言って、リオアさんが指さした方向に居たのは、男の子供NPCだった。
「あのークエストを受けたいんだけど」
「クエスト?ああ!俺の頼みを聞いてくれるのか!?頼む!何でも治す秘宝、ウィンディーネの霊薬を探してほしいんだ!家族が奇病で熱に殺されそうで!それを鎮める為にウィンディーネの霊薬が必要なんだよ!」
「わ、わかったからそんな早口で言わないでくれ」
『イベントクエスト:ウィンディーネの秘宝が発生しました』
「ウィンディーネは最も水が清らかな所にいるんだ…どうにかお願いして、貰ってきてよ!」
クエストが発生したら、NPCがヒントを教えてくれた、他のNPCにも聞いてみたが、老人NPCからこの場所にはウィンディーネの加護があるとか、ウィンディーネの攻撃はどんな防御も水で一刀両断するとか、女性NPCからはウィンディーネは短気で嫉妬深い、またウィンディーネは恋が好きで惚れっぽく飽き性など場所の情報は出なかった。
「水が清らかな場所てどこなんだ?」
「それは山の頂上だと思うわよ、ほら、山の天然水とか現実で売ってたし」
リオアが指さした方向は、頂上が白くなってる山だった…あれ雪山では?夏のイベントなのに水着で雪山登らされるの?うーん違う気がするし…
「現実の山の水は、大半が加熱処理とか濾過が必須だ、それに現実の天然水は徹底した管理のおかげで売られてるからな…多分違うと思う、じゃあ何処にいるかと言われなら…わからん、始まったばかりだし、まだ全然この場所を見てないからな…」
夏限定の場所に来て、50分位たったけど30分は泳いで遊んでたからな、島の1%も探索できてないはずだ。
「取り敢えず周辺を探索しませんか?レンナさん、リオアさん…」
「フェルの言う通りだな、まずは可能なら島の外周を一周したいな」
「わかった、ついでに魚人を倒してイベントのポイントをいただきましょう!」
こうして、自分達は島の探索に乗り出したのであった。